タミル・ナドゥ満喫ツアー 13日目 メットゥパラヤム → ウーティー
今回の旅のクライマックス、ニルギリ登山鉄道に乗るため、早朝に駅へ向かう。
駅にはすでに蒸気機関車がスタンバイ。
客車はわずか4両だけの小さな列車である。
すでにたくさんの人が集まっている。
この鉄道、蒸気機関車が客車を「押す」スタイル。
で、ここでトラブル発生。
指定席の番号を確認しようと思って、ネット予約時に受け取ったSMSを駅員さんに見せたところ……。
「君、これウェイティングリストだよ。キャンセルが出なかったら乗れないよ」
なんと!
実はぼくが乗車券を予約したのは、わずか3日前。
当日券でも乗れると思っていて悠長に構えていたのだが、数日前に、ニルギリ登山鉄道は予約が殺到する人気路線ということが判明して、慌てて座席を予約したのだった。
人気路線にもかかわらず、なぜかあっさり予約が完了したことに疑問を感じてはいたのだが、コロナのせいかな?などと呑気に考えていた。
実際は、キャンセル待ちリストに名前が連なっただけなのであった。
駅には同様に、今回乗ることができなかった人が何人かいた。
というわけで、泣く泣く機関車を見送って、バスでウーティー(Ooty)へ向かうことに。
もっと早く予約を入れておくべきだったのだが、今回は細かい旅程を決めない気まま旅だったので、仕方のないこと。
ニルギリに限らずインドの登山鉄道にはいつか乗ってみたいので、ちゃんと日程を決めて早めに予約を入れておくようにしたい。
ウーティーは海抜2,300mの高地にある町。
道中は急坂と九十九折りの連続なのだが、路線バスはいつもと変わらぬスピードで進む。
それどころか、急カーブの途中で大型トラックが大型バスを追い抜いたり、狭い道路で対向車が来ているのにバス同士で追い抜きをかけようとしたり、自ら事故りにいっているとしか思えないような運転で終始ハラハラしていた。
2時間半のハラハラドキドキドライブを経て、無事に避暑地ウーティーに到着。
車やバイクが多いので、インドの他都市と同じく排気ガス臭いが、その奥には爽やかな山の匂いが漂っている。
そして気温が低い。
セーターやダウンを着ている人が多く、初冬のような空気感である。
とはいえ、実際の昼間の気温は20度ほど。夜になると10度くらいまで冷えるが、昼間は寒いとまでは感じられない。
街並みは、どこか高原リゾートのような雰囲気を醸し出している。
寒さ対策をしているからか、重厚感がある造りの建物が多い。
また、イギリスによって開拓された町であるため、どこか西洋の面影があるのかもしれない。
ファーストフード店も高原リゾート風。
気温は低いが、坂が多い町なので、歩いていると体がぽかぽかしてくる。
野良犬も防寒仕様なのか、毛がモフモフしていて興味深い。
平地の犬とは見た目が違う。
駅まで行ってみる。
登山列車はスイッチバック方式のため、到着まで時間がかかる。
列車よりも先に駅に着いてしまった。
ぼくは圧倒的に山よりも海派なのだが、久しぶりに味わう澄んだ空気や濃い緑の風景にテンションが上がる。
ウーティーの名産といえば紅茶。
お茶の生産が盛んで、ニルギリブランドとして出回っている(上の写真が茶畑かは不明)。
ウーティーには3泊する。
平地では40度近くまで気温が上がっている南インドだが、ウーティーはとても過ごしやすい。
チェンナイに帰る前に、ここで十分に英気を養っておこうと思う。