ちんびんを作ってみた
商店の粉コーナーでこんなものを見つけた。
(沖縄風黒糖入りクレープ)
ちんびんミックス
なかなかいやらしい名前だ。
だって、「ちん」が「びん」だもん。
なんて冗談は置いておいて、初めて聞く名前の食べ物である。
自他共に認める激甘党のぼくが見逃すはずもなく、当然、購入。
袋には丁寧に(沖縄風黒糖クレープ)と書いてあるし、写真からも容易に想像がつくが、黒糖が加えられたホットケーキミックスみたいなものなのだろう。
「ちんびん」という名前は、どういう意味なのかググってみると、「煎餅」という漢字が当てられていることがわかった。
なるほど、「せんべい」か。
何となく察しはつくが、「煎餅」の中国語読みである「チエンビン」が由来らしい。
内地で煎餅というと、一般的には米菓子を想像するが、ちんびんは小麦粉で作られる。
沖縄独自のお菓子だ。
さて、早速作ってみる。
作ってみるとはいっても、粉と水を混ぜるだけ。
とっても簡単。
それをフライパンで焼くだけ……
なのだが……
うーん、失敗。
がっくり。
水の量の調整がうまくいかなかったのか、火加減が良くなかったのか、ひっくり返すタイミングの問題か、見栄えは最悪。
クレープだからもっと薄くした方が良かったのかもしれない。
胃に入ってしまえば同じ、ということで不格好なちんびんを食べてみたが、味は普通に美味しい。
黒糖の香りがするパンケーキ、と全く想像通りの味だ。
フライパンにこびりついたカスをこそげ取って食べてみると、どこかで食べたことがあるような味がする。
小さい頃に食べた何かと同じ味だ。
えーっと何だろう、と必死に記憶を掘り起こしてみると思い出した。
瓦煎餅だ。
パリパリとした食感もあいまって、完全に瓦煎餅である。
調べてみると瓦煎餅の基本的な原材料は小麦粉、砂糖、卵ということで、ちんびんとほぼ同じだ。
最初の方に「煎餅といえば米菓」と書いたが、瓦煎餅も小麦粉で作られているので、「メインの原材料が小麦粉のお菓子でも煎餅ということがある」というのが今日一番の学びだ。
ちんびんのおかげで賢くなった。
「ちんびんミックス」には粉が350g入っていたのだが、何も考えずに全て水と混ぜてしまったので、ボウルにはまだまだ液体が残っている。
ホットケーキほどの厚さにしても、あと5枚くらいは焼けそうだ。
ただ、また失敗するかもしれない工程(焼くだけなんだけれども)を何回もやるのは億劫なので、秘密兵器を使うことにした。
どん。
炊飯器だ。
ボタンを押すだけ!
そして約30分後……
うーん、なんか微妙。
膨らみ方や気泡の感じがちょっとキモい。
ひっくり返してみる。
おおっ!
いい感じ!
ちゃんとケーキみたいになってる!
大成功じゃん!
ちゃんと中まで火が通っているし、味は言わずもがなで美味しい。
しかもふっくら膨らんでいるので、結構腹にたまる。
原材料はほとんど小麦粉と黒糖だけなので、炭水化物の塊だが、脂質はほぼない。
バターなどを使う洋菓子に比べたらヘルシーだと思う。
最近ついついチョコレートやカントリーマアムを買ってしまうので、お菓子は全部これに置き換えようと思う。
ということで、ちんびんのシンプルな美味しさに感動し、炊飯器の底知れぬポテンシャルに驚いたわけだが、他の粉物も全て炊飯器で調理できそうな気がする。
ぼくの大好きなお好み焼きも炊飯器でいけるんじゃないか、と画策中である。
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