今晩の宿は、インド人のおじさん5人と相部屋である 【Kedarnath→Joshimath】
2024/06/25
早朝5時に起床。
テントの窓を開けて外を見ると、全体的に靄がかっている。
しかし、雪山はくっきりと姿を現していた。
テントから抜け出し、ケダルナート(Kedarnath)寺院に行ってみる。
この時刻でもたくさんの人が集まっていた。
早朝なら簡単に本堂内に入れるかと思っていたが、すでに行列ができていた。
寺院と、背後の雪山にしばし見とれる。
その後、テント村の裏の丘に登って、小さなヒンドゥー寺院に訪れる。
とても見晴らしがよく、ケダルナート全体を見晴らすことができる。
午前6時半、下山開始。
もう少し景色を堪能してもよかったが、寒くてジメジメしたこの気候にはうんざりしていた。
さっさと下山して次の目的地に行き、泥だらけの衣服を洗ってシャワーを浴びたい。
昨日は13時半に寺院に着いた。
昨日と同じ時刻に出発しており、今回は下りなので正午頃にはソンプラヤーグ(Sonprayag)に着くだろう。
スリップしないように気をつけながら、小走りで坂を下っていく。
道中のゴウリクンド(Gaurikund)には温泉がある。
入ろうか迷ったが、疲れて元気がなかったのでスルー。
予想通り、午後12時にソンプラヤーグの駐車場に到着。
次の目的地はジョシマート(Joshimath)。
チャール・ダーム・ヤトラ(Char Dham Yatra)最後の巡礼地であるバドリナート(Badrinath)寺院への拠点となる町だ。
ここからジョシマートへは車で7時間ほどかかる。
この時刻だと、ジョシマートまで行くバスはもうないかもしれないが、その途中の町へ行くバスがあれば乗ろうと思っていた。
しかし、私の意に反して、今からバドリナートまで行くバスがあるようだった。
バドリナートまで行くということは、当然ジョシマートも通過する。
この時刻に出発するとなるとジョシマートに到着するのは日没後になってしまうが、進めるうちに進んでしまおうということで、バスに乗ることにした。
午後1時にバスは出発。
順調に進み、午後7時を回った頃から辺りが暗くなってきた。
それと同時に雨がちらつき始め、ついには土砂降りになった。
さて、ここから思わぬ方向に話は進む。
ジョシマートまで残り1時間ほどのところで、バスは停止した。
誰かが降りてすぐに再出発かと思っていたが、なかなかバスは発車しない。
一軒のゲストハウスの前で、乗客の何人かが交渉している。
なるほど、雨が降っているから交渉が成立するまで待ってあげているのかと思ったら、全く違った。
どうやら、見通しの悪い夜道をこれ以上進むのは危険だから、全員ここで宿泊しようということらしい。
今晩の宿は、インド人のおじさん5人と相部屋である。
おじさんたちが何か交渉をしている隙に、ひと足先にシャワーを使わせてもらう。
泥だらけの衣服を洗濯することは叶わなかったが、山歩き後、2日ぶりにシャワーを浴びられてスッキリした。
ところで、いくら相部屋とはいえ、ゲストハウスにバスの乗客全員が泊まれるだけのスペースはない。
乗客の半分くらいは、バスに残ってそのまま車中泊するようだった。
夕飯を食べ、歯を磨いていると外から怒声が聞こえて来た。
口をすすいで外に出ると、バスの周囲に人垣ができて何人かが怒鳴りあっている。
よくよく見ると警察まで出動していて、何だか物々しい雰囲気である。
やりとりはヒンディー語で行われているので意味はさっぱりわからないが、野次馬に混じって事態を見守る。
始まりと同様、終わりは唐突に訪れた。
バスがエンジンをかけ、そのままどこかへ行ってしまった。
え、何で?
一体何が起きたのか知りたかったが、この込み入った状況を英語で説明できる人がいなくて、全く訳がわからなかった。
「心配しないで、バスは明日の朝に帰ってくるから」というゲストハウスのお兄さんの言葉を信じて、眠りについた。