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インドネシアのテンペ

昨日に引き続き、「大豆の発酵食品」の話。

インドネシアにも大豆を原料にした発酵食品がある。


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テンペだ。


テンペは「インドネシアの納豆」とも称されるが、納豆菌から納豆が作られる一方で、テンペはテンペ菌を使用して作られる。

納豆とは異なり、変な臭みもなければ、粘り気もない。
比較的クセの少ない食品なので、ヘルシーフードとして日本でも愛好家がいる(らしい)。

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「らしい」というのは、ぼくがインドネシアで初めてこの食品の存在を知ったから。

インドネシアには、ワルンと呼ばれる大衆食堂がいろいろなところにある。
日本人に有名なバリ島にもワルンはあるので、見知っている人もいるかもしれない。

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こんな感じ。

上の写真からも見て取れるが、ショーケースには大皿に載せられた出来合いのおかずがたくさんあり、客は自分の好きなものを選ぶ形式になっている。

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取ったおかずの種類に応じて、値段が決まるシステム。

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白米の周りや上におかずを並べていくのが、インドネシアスタイル。

このような食べ方を「ナシ チャンプル」という。
(ナシ=ご飯、チャンプル=ぐちゃぐちゃに混ぜる)

さて、インドネシアの国民食でもあるテンペだが、ワルンに行けばたいてい食べることができる。
ワルンで提供されるテンペ料理は、油でカリッカリに揚げてから、甘辛いソースで唐辛子や野菜と一緒に炒めたものがほとんど。

冒頭で、「大豆食品のテンペはヘルシーフードとして知られている」と書いたが、個人的にはそんなことはないと思っている。

なぜなら、テンペの最も美味しい食べ方は、油でカリッカリに揚げた食べ方に限るからだ。

インドネシア料理は総じて揚げ物が多い。
大衆食堂や屋台ではどんな油が使用されているかは謎だが、健康に気をつかった油を使用しているはずはない。

だが、そんなギトギトの油で揚げたテンペが美味しいのだ。

自分でも、スーパーでテンペを買っていろいろな調理法を試してみたこともあったが、結局「テンペゴレン(揚げテンペ)」に落ち着いた。


日本でテンペを食べている人の中には、「美味しくない」という意見をもっている人がいるようだが、それはテンペをヘルシーに食べようとしているからである。

テンペ自体は健康にいい食べ物かもしれないが、美味しいテンペ料理は体に良くない。
ヘルシーなテンペを油で揚げることで、健康的にプラスマイナス0、どころかマイナスまで行ってしまっているのだ。

ということで、テンペに興味を持った人は、ヘルシーフードなどという高尚な考えは捨てて、ギトギトに揚げて食べてみてください。

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