とても静かで、まるで地の果てに来ているかのようだ【Varanasi→Prayagraj】
2024/06/11
昨日は午前6時にゲストハウスを出発して、早朝のガンガーボートツアーに参加した。
この時期の日の出時刻は午前5時過ぎ。
6時だとすでに辺りは十分に明るかった。
そこで今朝は、日の出より少し早い午前5時にガートに行ってみることにした。
空は白んでいるが、まだ朝日は顔を見せていない。
ゆったりと水面を滑るボートや朝イチの沐浴を楽しむ巡礼者の姿が見える。
ガートは目を覚ましかけている。
今朝はボートに乗るつもりはなかったが、声をかけてきたおじさんの提案する金額が悪くなかったので、手漕ぎのボートに乗り込むことにする。
日中の熱波が嘘のように早朝の風は涼しくて爽やかだ。
1時間ほどでボートは元のガートに戻ってきた。
午前6時ともなると、空気はすでに熱い気配をはらんでいた。
ゲストハウスをチェックアウトして、オートリクシャーでバスターミナルまで向かう。
バスターミナルに着いたら、オートの運転手が一緒にプラヤーグラージ(Prayagraj)行きのバスを探してくれた。
バラナシに対しては、汚かったり治安が悪かったりといった先入観があった。
しかし実際に来てみると、街はそこまで汚くないし、親切な人も多い。
もちろん土産物屋やオートの客引きはいるが、そこまでしつこい感じがしない。
さて、次の目的地はバラナシから西に120kmほど離れたところにあるプラヤーグラージ。
街名に合流を意味する「プラヤーグ(Prayag)」という単語が入っていることから分かるように、この街にはヒンドゥーにおける2大聖河ガンジス川とヤムナー川、さらには地下を流れているとされる伝説のサラスヴァティ川の合流地点がある。
合流地点は「サンガム」と呼ばれ、インド国内第一の聖地だとされている。
ヒンドゥー教の聖地に序列があるのかは不明だが、バラナシやハリドワールよりも重要な土地ということになる。
バラナシからちょうど3時間でプラヤーグラージに到着。
ゲストハウスに荷物を置いて、アナンド・バワン(Anand Bhawan)という邸宅に行く。
ここは、インドの歴代首相を輩出した名門ネルー一族の生家であるとともに、マハトマガンジーが独立運動を開始した地であるともされている。
プラヤーグラージはヒンドゥー教の聖地であるだけでなく、現代インドの礎を築いた重要な土地でもあるのだ。
なぜか博物館の片隅にプラネタリウムがあり、時間に余裕があったので観てみた。
星座の解説をしているようだったが、全てヒンディー語だったのでさっぱり理解できなかった。
次にいよいよサンガムへ。
6年に一度、このサンガムでクンブ・メーラという大規模な宗教行事が行われる。
これは世界最大の平和集会と考えられていて、数千万人の巡礼者が集まるという。
サンガムはだだっ広い河川敷である。
海辺のビーチのように、細かい砂が川の周囲に広く堆積している。
聖具を売る出店が道の脇に並び、巡礼者が行き交う。
クンブ・メーラの時期になると、この辺りが即席のテント村になるらしい。
とても静かで、まるで地の果てに来ているかのようだ。
うだるような暑さも相まって、別世界にトリップしてしまったかのような奇妙な感覚になる。
川沿いを少し歩いてみる。
地上からだと川の合流地点がどこかよく分からない。
夕陽が沈むところまで見届けようと思ったが、疲れが溜まっているので早めにゲストハウスに帰った。
夏の北インドはとにかく暑い。
暑くて全く食欲が湧かない。
あまり食べられないから、元気も出ない。
体調を崩さないように気をつけなくちゃ。