熟女
会社で隣の席に座っている入社5年目の女子が「あー、もう27ですよ・・・」なんてボヤいていた。年度変わって新卒が配属されてくるからね。会社勤めの人間は年を重ねたことを痛感する時期でもある。二十代は特に敏感だよね。
僕自身、男でも二十代後半を迎えた頃には「いよいよ我が輝かしき二十代が終焉を迎えてしまうのか・・・」などと嘆き気味ではあったから気持ちは分かるんだけど、実際のところ十の位が変わったところで突然大きく何かが変わるわけでもない。いやまあ、男と女では年齢の意味がだいぶ違うんだろうけど。
ところで僕は二十代最後の日に、当時好きだった女性を会社近くのジャズバーに呼び出して告白した。二十代最後の日に何をしていたのか、死ぬまで忘れないようなイベントを起こしておきたかったのだ。彼女には当時思いを寄せている男性がいて、僕はその話をよく聞いていた。だからフラれることはほぼ確定的だったし、実際フラれた。今となっては苦い思い出ではあるけれど、それでも思い切って気持ちを伝えられたことはよかったなと思っている。
話がズレた。
僕がオッサンになったから、というのもあるだろうけど、27なんていうと「まだまだこれからやん、むしろこれからひたすら良くなっていくだけやん」などと感じてしまう。僕の周りには20代後半から30にかけて突然ぐっと魅力が引き立ち始めた子が多い。
うまく言えないのだけど、若い頃に色々試したファッションとか化粧とかライフスタイルの中から、「何が自分らしいのか」を見出す時期なのかな、という気がしている。強く意識することなく、むしろ自然に自分を魅力的に見せる方法にたどり着いていくというか。もちろん早熟な子もいれば遅咲きの子もいるから、必ずしも誰にでも当てはまる話ではないのだろうけれど、なんとなく自分の周りを見渡すと「そういうことなのかな」という気がしている。オッサン特有の感じ方だろうか。
ところでまた唐突に話が変わってしまうのだけど、都内のとあるバーでAVの監督をやっているという男性と話をする機会があった。彼は熟女専門の監督らしく、実際にもらった名刺の名前でググったら普通にヒットした。いわく「この世界では25過ぎたらもう熟女なんですよ・・・」とのこと。なぜか憂いを含んだ表情だ。なんだかよく分からないけどすげえ分かる。
「は?25で熟女?一体どういうことですか?そんなんで本当にいいんですか?」
などとこちらも無駄に食ってかかる。別にAVの世界で熟女の年齢設定がどうなっていようと何ら不都合は無いというのに。
「まったくです、ほんとに、おっしゃるとおりで」
などと遺憾の意を表明する監督。酔っ払いのやりとりっぽいなあ。
なんでこんな話をしているんだっけ。27歳女子のぼやきだ。でもその子に「AVの世界ならとっくに熟女やなw」なんて口走ろうものなら即刻セクハラで然るべき窓口に通報されて然るべき措置を講じられてしまうので、そんな話をするわけにもいかない。
とりあえず「Superfly が結婚してショックだ」という話をしたら「えー?何がいいんですか?全然わからない!」と言われてしまった。越智さん、34歳。「年頃もすごくいい頃合やんけ」と言ったら「熟女好きか」と笑われた。「あのな、オマエサンもAVの世界ならとっくに・・・」と口から出かかった。あぶねえ。
<本日の BGM>
Superfly / タマシイレボリューション
なんだかんだでこの歌が一番好きかも。結婚おめでとうございます。