男同士の絆
小室哲哉氏のニュースのときにもさらっと触れたけど、僕はこういう男女関係に絡む不祥事のニュースは知らないでいたい、知らせないでほしいと思っている。
なぜなら、知ってしまった以上は考えざるを得ないから。
今回のニュースは、去年僕が体験した親友からの裏切りを想起させる。その親友が犯した罪も(彼は犯罪を犯したわけではないが)男女関係にまつわるものだった。
社会的に認められない関係であったとしても、第三者が強く咎めることはできない。男女の関係は秘密に満ちている。当事者にしか分からないことだらけだ。
だから最初は僕にも彼が犯した行為そのものを咎める気持ちがあったけれど、どこかで「でも仕方ないことだ」とも思っていた。じゃあ何が裏切りだったのか。
それでも彼は自分がしでかした行為に対して、誠意を持って対処してくれると信じていた。それが簡単でないことは分かっていたけれど、僕が知っているその男なら、長年親友として付き合ってきたその男なら、その苦境さえきっと誠意を持って乗り越えてくれるだろう。そのために僕にできることは少ないかもしれないけれど、乗り越えるための支えになるのであれば何でもしてあげたいと思っていた。なぜなら僕はあなたの親友なのだから。
けれど彼の中にあったのは誠意ではなく保身の意識だけだった。僕には保身の手伝いはできない。だから僕は彼との縁を切った。
城島くんと国分くんは今、いったいどんな気持ちだろう。たぶん彼らが思い描いていた、彼らが知り尽くしていた「仲間」は、あんな言葉を発する男ではなかったはずだ。
腹の底から信頼していたからこそ、親友と呼ぶに値する男だと思っていたからこそ、その失望は大きい。
だから僕は今回のニュースを、「男女間の不祥事」という側面からではなく、「男同士の絆」という側面から眺めてしまう。
本当は僕にも、かつての親友を導く手立てがあったのかもしれない。僕の力不足だったのかもしれない。僕がやり方を間違えただけなのかもしれない。僕が自らかけがえのない親友を手放してしまっただけなのかもしれない。
「彼」の席を残す術はまだあるんじゃないだろうか。城島くんと国分くんが、僕と同じような道を辿らないことを祈る。
たった一つの罪を死ぬまで背負い続ける人生は余りにも残酷だ。