Ai@Marunouchi-Tokyo
Model: Ai
Location: Marunouchi-Tokyo
Hosted by: Kawaii Collection
サイトで Ai さんの写真を見たときに「アンナ・カリーナのような目力がある」と感じた。これで撮影するのは四人目だけど、初めて「映画的写真」に真面目に取り組んでみようと思った。
手持ちの写真をいくら工夫して現像しても手応えが得られない。後処理「だけ」では限界があるということなのだろう。ならば最初からそういう前提で写真を撮るしかない。
でもどうやって僕のイメージを共有すればいいのか。そもそもモデルさんがどう立ち回れば僕のイメージに近づくのか、僕には皆目見当がつかない。そのノウハウを僕は持っていない。
そこで僕は僕なりに考えて二つのことを Ai さんにお願いしてみた。
一つ、カメラ目線にならないこと。
二つ、何かを考えながら表情を作ること。
ただのポートレートと僕が目指す写真とでは何が違うのか。それはストーリーの有無だ。けれど一枚の写真にストーリーを宿すのは難しい。
ただ、モデルさんが何かしらの「感情」を抱いている状態で撮影すれば、写真にストーリーが宿るのではないか、という試みだ。
「昨日食べたラーメン最高に美味かったなあ」とか「彼氏に送った LINE が全然既読にならないなあ」とか「今日はもうバイトぶっちぎって遊びに行きたいなあ」とか、なんでもいいから考えて、それを何となく表情で表して欲しいということを伝えた。
どうだろうか。僕の撮影や現像の腕前はさておき、Ai さんの表現力は僕の期待を超えていた。
この写真は「アンナ・カリーナだけじゃなくて、モニカ・ヴィッティもあるな」という感触だ。どっちもたぶん本人は知らないだろうなと思って伝えてはいないけれど。何しろ弱冠19歳(!)のモデルさん。僕の年齢の半分以下だ。
「わたしずっと19歳でいたいんです、19歳がたぶん最高です」
と語った彼女。でも彼女が成年して、もっともっと色んな経験を積んで、それを表現できるようになったら、きっと被写体としてさらにずっと魅力的になるんじゃないだろうか。
Aiさん、ありがとうございました。