1/24秒のシネマ
映画は1秒24コマ。映画を撮ることはできないけど、映画のような一枚の静止画を撮るくらいなら僕にもできるんじゃないか。思えば僕は写真を始めた頃からずっとそのことを追い求めてきたような気がする。
なんでテレビドラマの映像と、映画の映像はこんなにも感触が違うのだろう、そんなことを僕は少年の頃から意識していた。映画の、映画でしか見ることのできない、フィルムの質感が好きなのだ、ということに気がついたのはずっと歳を取ってからのこと。
今はもうデジタル上映も当たり前、デジタルリマスターも当たり前という時代だ。デジタルリマスターなんてありがたいと思ったことは一度もないよ。余計なことしないでくれ、とさえ思う。(監督本人がリマスターに携わったという、ビクトル・エリセのHDリマスター版は良かったけれど。「マルメロの陽光」も再販してくれないものかなあ。。。)
デジタルリマスターなんて、結局配給・上映のコストや手間を省く体のいい言い訳に過ぎない、と僕は感じている。フィルムは手間暇かかるからね。配給も上映も。
デジタルがフィルムに敵うわけがない。
映写技師出身の一映画ファンとしてずっとそんな思いを抱いてきたのに、気付けば僕はデジタル一眼を手にして、そしてそのデータをいかにクラシカルに、古風に、フィルムのように見せるのかに腐心している。
僕は時代の流れに負けているのだろうか。本当にフィルム最高って思ってるなら、フィルムカメラで写真撮れや、という話だ。
いや、フィルムは金がかかるから、、、というのも配給会社や映画館の言い訳と全く同じだ。
でも今回の Ai さんの撮影で一定の手応えを得られたから、まだこのまま続けてみようと思う。
次はまた Yuna さんの撮影だ。どんな風に撮ってみようか。今からワクワクしている。