銘柄分析 プレサンスコーポレーション
このノートは何
主に自分の備忘録として、主力として大きく売買した銘柄について考えたことなど記録しておくものです。特定銘柄への投資を推奨するものではございません。
3行まとめ
・2020年マンション供給戸数【第一位】
・オープンハウス傘下入りで仕入れ強化
・完全子会社化TOBも期待大
企業概要
プレサンスコーポレーション(3254)。投資用マンションの開発・販売。商圏は関西中心だが、最近は東京や名古屋にも進出。元々独立系だが現在オープンハウス(3288)の傘下。2020年のマンション供給戸数は、なんと野村不動産、住友不動産などを抑えて第一位(https://www.nikkei.com/article/DGXLRSP605585_U1A220C2000000/)。
購入に至る経緯
2019年末頃の不祥事発覚・社長逮捕により株価下落した時に注目。その後の堅調な業績推移とオープンハウスによる子会社化を見て、協業による業績向上や完全子会社化TOBの期待で購入。
財務健全性
自己資本比率49.5%、当座比率120.73%と、不動産デベロッパーにしては固め。業種柄、棚卸資産の金額が大きく、在庫の回転に時間がかかりやすいため、流動比率ではなく当座比率を参照する。
株主構成
オープンハウス(3288)が64.46%保有の筆頭株主。不祥事で逮捕された元社長の山岸氏とその資産管理会社から持株の一部を買い取る形で20年4月に資本業務提携、31.91%を保有。続いて20年11月にTOB実施し元社長とその資産管理会社の持株の全てを買い取り完了。第三者割当増資も実施し、現在64.46%保有。
オープンハウスは関西展開とマンション事業を加速したい、プレサンスは土地の仕入れや販売でオープンハウスの支援を得ることで業績を伸ばせる、という格好。
いずれは完全子会社化だろう。行こうぜ一兆2023オザアァァァァァァスッッッ!!
外国の保有比率が10.8%。以前は30.3%と高めだった。理由は不明で、少しきもちわるい。
成長性
売上は順調に拡大。21年9月期は決算期変更により6ヶ月間であることに注意
営業利益も順調増だが、21年3月期に前期比8.73%減。
減益の理由は売上原価の増加。考えられる背景は、(1)建築資材や人員の高騰、(2)多戸数を値引き販売した、のどちらか
決算短信に販売戸数の記載あり。影響が大きいマンションのみに絞る。
21年3月期
ワンルームマンション
売上高99,860百万円 (5,948戸)
→平均16.79百万円/戸
ファミリーマンション
売上高99,681百万円(2,695戸)
→平均36.99百万円/戸
20年3月期
ワンルームマンション
売上高67,255百万円(3,479 戸)
→平均19.33百万円/戸
ファミリーマンション
売上高78,587百万円(2,109戸)
→平均37.26百万円/戸
販売単価が若干下がっていることを確認できた。在庫を売り切るために一定の値引きがあったのではないかと推察。一戸あたりの売上原価までは確認できなかった。この部分はもう少し調べたい。
割安感
(購入当時)前期実績PERが4.81倍、ROA10.00%は良い水準だと思う。
20年11月のオープンハウスによるTOB価格が1株1,850円。現在価格がTOB価格を下回って推移すると、オープンハウスとしてはのれん減損リスクが生じる。この点がプレサンスを業務上支援する動機となる。
といった思惑込みでだが、割安感はあると思う。オープンハウスの持つ業務系システムやその運用ノウハウをプレサンスに展開してほしい。
競合
上場してる中ではエフ・ジェー・ネクスト(8935)がドンピシャぽい。規模としてはプレサンスの方が一回り大きいが、財務はFJネクストの方が盤石感ある。
ライオンズマンションの大京も思い浮かんだ。オリックスの報告書からいくらか情報取れるかも。
そのほか雑感
オープンハウスとの提携効果、特に業務系システムとその運用ノウハウの展開による仕入れ・販売の効率化に期待したい。
オープンハウスって駅前サンドイッチマンとかコッカラッス朝礼とかネタにされるけど、実はITやデータの活用で先進的。DXの成功例。例えばこういう→(https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/column/18/00932/19/12/12/00017/)
で、オープンハウス自身はもうシステム活用による効率化が業績に現れていて、株価に織り込まれている。しかしプレサンスへの展開はまだ行われておらず、株価にも織り込まれていない(と思う)。戸建てとマンションで異なる部分はあると思うが、横展開できるシステムから順に展開して効率化を図り、利益率の改善につなげていってほしい。
以上です
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