読書メモ:外資系コンサルが実践する資料作成の基本

この本に期待したこと

資料作成のレベルアップ

著者

吉澤 準特さん。外資系コンサルティングファーム勤務とのこと、マッキンゼーっぽい感じもある。

内容のサマリー

資料作成スキルは、作成にかかる時間の短さと、成果物の品質の高さに表れる。特に顧客に出す資料は、以下の三ステップで作成する。

(1) スケルトン
目次と概要説明程度の骨組みを作り、方向性を依頼者と確認する。
(2) ドラフト
内容、チャートやグラフを入れ、納得感があるかレビューを受ける。
(3) フィックス
細かな表現や体裁を整え、最終チェックを受ける。

特に印象に残った話

資料作成に取り掛かる前、依頼を受ける時点で、依頼者と、成果物のイメージや必要な前提情報について認識を合わせておく。何が欲しいのかを理解してから、取り掛かる。

PERPの構成が基本。Point(主張), Reason(理由), Example(事例), Point(まとめ)の流れにする。ただし、先方の意見や想定と異なる主張をする場合、最初に主張を持ってくると、プレゼン全体への拒否感を持たれる恐れがある。総論では相手の意見への同調を示しつつ、各論で別の可能性を示唆し、自分の結論に寄せていく。

結論を一つに絞って話すか、いくつかの可能性を並列で示すかは、相手のスタンスによる。こちらに任せたがっている相手には、主体性のある当事者として、自分の意見を一つに絞って説明する。自分がリードしたい意識のある相手には、複数案の提示や比較など、客観的に説明する。

資料のレイアウト、デザインは、統一感を大事にする。文字の書体や文字サイズのバランスをとることと、テンプレート機能を使用するなどしてページ間のばらつきを防ぐことに留意する。

書体。Windowsの場合、標準の文字をメイリオUI、強調部分をHGP創英角ゴシック、アルファベットをAriel Blackにすると、良い感じになる。

文字サイズ。ヘッダーのタイトルを16~24pt, 本文を10~12pt(パワーポイントの場合14~16pt), フッターの注釈文字は8~10pt程度が良い。プロジェクターに投影する場合、上記サイズの120%程度が良い。さらに、単位・記号は本文の70%程度、強調文字は周囲の150%程度のサイズにするとよい。

行間のインデント。紙面に余裕があれば、標準の状態から、倍率設定で1.2倍程度に広げるとよい。段落間インデントは、段落前は不要、段落語をフォントサイズの50%程度に設定する。

箇条書きは、箇条書き機能を使用する。素の "・" 等を使うと、後で編集しにくくなる恐れがある。テキストボックス内で、左側の余白を右側の1.5倍程度に設定すると、行頭記号が良い感じで表示される。

テキストボックスのサイズは、幅を最大35文字程度、高さを「最大行数×2 > 1行あたりの文字数」になるように調整すると、バランスがよい。複数行のテキストは、両端揃えとする。1行の場合は左揃え、見出し、選択肢、数値は中央揃え。

表の列名は、ツリー構造にする。2~3階層で、大まかな区分の下に細かな区分を置くと、すっきりする。すべてを1階層で並列にすると、読み手の頭の中で整理されにくい。

(出典: 吉澤 準特著「外資系コンサルが実践する資料作成の基本」)

セルの結合は使用しない。範囲選択した時に、意図しないセルまで含まれる恐れがある。文字の表示位置を調整したい場合、範囲選択して「選択範囲で中央」の設定を使用する。

列を非表示にしたい場合、「グループ化」機能を使うと、再表示させるボタンが表示されるので、再表示させる時に楽。

枠線は、外枠が実線、内側が点線。縦線は消すほうがすっきりする。グラフの目盛り線も同様、無い方がすっきりして見える。

図形の配色。お勧めは、強調色、基本色、極薄色、薄い無彩色、濃い無彩色、の組み合わせ。色の明るさで調整する。強調色は明るさ128, 基本色は明るさ64, 極薄色は明るさ32。色味は、相手のテーマカラーがあれば、それに合わせる。特になければ、相手の感情に訴えたい場合は暖色系、理性に訴えたい場合は寒色系。色のパターンを増やしたい場合は、塗りつぶしの「パターン」を使用することで、色を増やさずに済む。グラデーションは基本的に使用しない、どうしても使う場合は同系色同士で。

(出典: 吉澤 準特著「外資系コンサルが実践する資料作成の基本」)

...長くなった。おわり。

いいなと思ったら応援しよう!