読書
こどもの頃から、本を読むのが好きでした。
本の世界に飛び込むのが好き、という感じで。
学校にいる時も、家に帰ってからも、仕事をするようになってからは電車の移動時間など。
スマホという便利なものがなかった当時は、本だけが頼りでした。
その頃の習慣なのか、今も、やはり、紙の本を読みたいな、と思うのです。
もうだいぶ前のこと。
ある日、いつものように、ふらりと本屋さんへ入り、棚を見ていた時に、一冊の本が目に止まりました。
「疲れた心によく効きます」
そう、帯にかかれた言葉と、優しい雰囲気の表紙。
短編の小説集。
疲れている自覚のないままに、手にとってレジに向かったのを覚えています。
いつも、なんとなく
小説は翻訳物、エッセイは日本のものというような読み方が多かった私には珍しいことでした。
わんわん泣きながら何度も読み返すことになる一冊との出会い。本との出会いは、いつも運命的です。
児童文学が出発点だという、その作家さんの文体、世界は、優しくて夢があり、同時に現実の厳しさを忘れない。悲しみの中の希望を思い出させてくれる。
新刊が出るたびに、様々な切り口で、何度も
「ね、世界って、悪くないでしょう?」
と、そっと語りかけてくれる。
この出会いを大切にしていきたいと思うのです。
雨の間にまに
素敵な新刊を2冊。
村山早紀さん
『魔女は眠りを守る』
『心にいつも猫を抱えて』
小さな勇気をもらって、頑張ろうと思うのです。