導かれるように高野山へ②「始まり」を感じた1日目。
全体の旅程、参考にした情報ツールなどはこちらに記載しています。↓(思い出したら随時書き足しています)
仕事ですっかり乗り慣れた東海道新幹線だが、のぞみ🚄に乗るのは久しぶりだった。
朝5時台にリュックとサコッシュのみの身軽な格好で家を出て、朝食は新幹線の中で食べるように家から持参した。(散財気味なので少しでもお金を節約…)
車窓からは冠雪した富士山が見えた。車掌さんからも「お休み中失礼します…」とアナウンスがあった。
乗るたびに速くなっているような気がする新幹線。高野山の本を読んでいたら、あっという間に新大阪に到着した。
特急こうやは比較的空いていて、隣のシートに座る人はいなかった。
橋本駅を過ぎると、車窓からの景色もいよいよ山の中…
極楽橋に到着。小雨と冷気を感じながら、柔らかな紅葉がここにも。否応にも期待が高まっていく。
外国の方々でぎゅうぎゅうのケーブルカーで一気に標高を上げる。
なんだか、立山黒部アルペンルートのようだ(電鉄富山で山奥に入り、その後ケーブルで上がる、みたいな)…なんて思った。
ケーブルの高野山駅に到着し、すぐに南海りんかんバスに乗る。乗り継ぎの接続や、駅員さんの案内は完璧だ。ICカードも使用できるのですいすい進む(トイレに行く余裕はないかも?)。
高野山駅の次が大門停留所。
ここで降りたのは私1人。
大門から始まる高野山の旅
高野山全体が一つのお寺ということのようだ。
昔の方々はもちろん歩いて高野山に向かい、最初に高野山の総門である大門を目にする。その時の気持ちを疑似体験したくて、大門から入って歩くことに決めていた。
大門の手前、女人道を少し入ったところにあるお助け地蔵へまず立ち寄った。
改めて、折り畳み傘をさしながら大門へ戻っていく。
大門を見学し、もう昼過ぎなので昼食をどこかで…と思ったが、角濱ごまどうふはなんと25組待ち!時間も限られているし、山歩き用の行動食もあるのでゆっくり昼食をとることはやめて、そのまま壇上伽藍に向かう。
壇上伽藍へ
中門から壇上伽藍に入る。目の前に金堂。その奥には根本大塔。
ガイドブックで見た社寺が目の前に。
金堂では20分ほど内拝させていただいた。ご本尊は扉の中。横を固めている仏像さまも私の視力でははっきりとは見えない。ガイドブックで拝見していたお顔を想像しながら…
お堂の中をぐるりと廻ってみる。内壁に描かれているのは八供養菩薩。
美しい菩薩さまが描かれている中で…
「嬉菩薩」の笑み、「灯菩薩」の柔らかい雰囲気が気になった。
金堂を出て、地図上を右回りに拝観することにした。
雨に濡れた御社の、神聖な空気感。
空海は、高野山上に伽藍を建立するにあたり、まず鎮守としてこの御社を建立したといわれる。
そう、全てはここから始まったのだ。
そんな感覚が浮かんだ。
そして、西塔。
紅葉とセットで、美しい佇まい。
西塔と御社。落ち着いたこの場所が好きになった。
ゆっくりと眺めていたいところだが、まだ大塔も内拝していないので、進むことにする。
満を持して?根本大塔を拝観する。
内部の立体曼荼羅は、空海が思い描く密教の世界。
なんだろう、圧倒されるというよりは、落ち着いている私がそこにいた。
胎蔵界大日如来の前にしばらく座ってみる。立体曼荼羅を一周してみる。
金剛笑菩薩の表情に惹かれる。
今回は笑顔の菩薩さまが気になるみたい。
私も笑顔でいよう。と思った。
すぐに立ち去るのがもったいなくて、もう一周してから外に出た。
こちらの記事もよろしければ。↓
蛇腹路を通り金剛峯寺へ
休憩所を兼ねた新別殿では、女性の僧侶の方が法話をなさっていた。(記憶がやや曖昧な部分があり、要点の記載になります)
🔹お大師様の言葉に「心」と「環境」が大切だ、ということがあります。この高野山の自然をとても愛されました(高野山のこの環境が信仰の心を育むのに最適だと考えておられた、というようなこと)。
🔹心が「思い」で塞がっていたら、美しい自然や素晴らしい環境も感じられなくなってしまいます。
→先日の上高地、そして立山縦走のときに私が感じたこととリンクした。
🔹辛い時は、楽になるよう見方を変えましょう。苦しみは、出来事そのものにあるのではなく、自分の心がそれをどう捉えるかにあります。
空海が御入定されたのは835年。様々な心理学に通じることをすでに伝えられていたということか…⁉︎
ゲシュタルト療法で大切にしている「今ここ」。
楽になるように見かたを変える=リフレーミング。
バイロン・ケイティは「私たちの心を乱すのは、現実に起きていることではなく、起きていることに対する考え」と伝えている。
スティーブン・コヴィーの「刺激と反応の間には選択の余地がある」ともつながる。
・・・やはり、空海は日本が誇る“大天才“というのは本当だ。
結局、昼食を摂るタイミングを逸してしまった。夕食までまだ時間がある。宿坊に入る前に、味見を兼ねて【濱田屋】へ。
すっとなじむような舌触りで、油っぽさなど口に残らない。あっという間に胃袋へ。舌触りとは裏腹に、胃に対してはしっかりと存在感があった。
宿坊に移動して荷物を整えた後…ライトアップされた紅葉を見に再び散策に出た。
記事も長くなってきたので、宿坊の雰囲気と、夕方の散策の写真を挙げて今回の記事を終えることとする。