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『がんばりすぎない技術』ワーク解説その④

「無理してまでがんばってしまう」心の奥底を見つめられると、心が軽くなっていきます。

「がんばる」のもつ2つの面

学校の先生をやっていて思うのは、「がんばる」と言う言葉を毎日のように使っている、ということ。「がんばる」ってすごい抽象的な言葉で、プラスの意味も、マイナスの意味も含まれている感じがします。

プラスに捉えると、「もう少し取り組んでみれば、自分の限界を越えられるよ」というメッセージ。自分が「ここまでかな」と思っているところは、他人から見ると「君ならもう少しやれるよ」と映ることもあります。そんな期待を込めての「がんばる」は、人を大きく成長させるパワーがあります。

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ですが、マイナス面としては、「お前まだここまでしかできてないの?もっとやれるだろ!」とすでに限界を超えている人に、鞭を打つような感じに。子どもに対してはプラス面が大きい気がするけれど、大人になってくると、マイナス面が強くなるように感じます。

そうすると、「がんばる」が言われた側にとってマイナスの意味にしかならなくて。疲弊しきっているところに鞭を打たれて、さらに疲弊していく。そうして限界を越えさせられて出した成果が評価される。するとまた、同じレベルの成果や、それ以上の成果を求められることになり、さらに鞭を打って……というループにはまると、気づかないうちに疲弊していきます。僕自身もマイナスのループにはまり、体調を崩すところまで行きました。

限界を越える時は自分で決める

だから、「なんでそこまでしてがんばってしまうのか?」を見つめることってすごく大事。今でも年に数回、限界を越えてがんばる時はありますが、その時に「ここまでやる必要ある?」と一度自分に聞いて、「ここは俺がやりたいからやってるんだよね。」ということを自分で確認してがんばっているという自覚はあります。だから、落ち着いた直後は自分のために、リラックスできる時間を意識的に多めに取るようにしています。

体調を崩したころは、「がんばる理由」が自分のためでなくて、「会社のため」とか「先輩に怒られないため」という出発点でした。学校の先生だと「子どものためになるから」という理由も大きいのかな?だけど、子どもが望むのって、睡眠時間削って疲れた顔して展開される授業よりも、不完全でもいいから笑顔で一緒に笑える時間じゃないのかな、と思うのです。

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「子どものため」の奥にある本音は?

「子どものため」という理由で自分の気持ちを押し殺さないでほしい。「子どものため」という理由で「今の自分じゃダメだ」と思わないでほしい。深呼吸して、立ち止まってみましょう。なんのためにこんなにがんばるの?もう十分頑張っているんだから。不完全なままでもいいんです。だから、手を抜いていい?なんてわけじゃない。言葉ではうまく伝えられないけど……自分にできることを、できるところまでやったんだから。後は、救いの手が自分でも思わぬところから入ってきます。

「がんばらない」ことって怖いけど…

だけど、どうしても「がんばらないことが怖い」という気持ちも痛いほどわかる。僕がそうだったから。ちょっとでもいいから、立ち止まってみませんか。今まで、自分が積み上げてきたもの、取り組んだものを1つ1つ、数え上げてみましょう。たくさんのことをやってきた。もう、自分にハナマルをあげていいんです。心の中で、ぎゅっと自分を抱きしめてあげて下さい。十分がんばってきた自分を、認めてあげましょう。あなたは、素晴らしい。

自分が「がんばってしまう」根っこを見つめていくことで、自分の心を軽くするヒントが見つかります。心が軽くなると、余裕が出てきます。鏡を見てください。笑顔の質が変わっているはず。もう、十分頑張っているから。大丈夫、きっとうまくいきます。

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