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ひみつ堂のヒミツ#2

この人の話を聞いてみたい――私の仕事の原動力はここにあります。その人ならではの経験の中から、多くの人たちに響く知見を見つける。そうした営みの中に共通する知恵を見いだし、それを伝えることが私の仕事です。

夕焼けだんだんで知られる東京・谷中銀座商店街のわき道にある、かき氷専門店「ひみつ堂」店主、森西浩二さんもそんな商人に一人です。10時開店の30分前に訪れると、すでに30人以上が開店を待ちわびつつ並んでいます。

女性グループ、カップル、お一人様など年代もさまざま。手書きのメニュー表を楽しそうに眺め、回ってくるスタッフに注文しています。

準備が整うと定時よりも早く開店。入店してくるお客さん一人ひとりに、大きな張りのある声掛けで出迎えます。

もちろん、その間も手動の氷削り機をまわす手を休めません。でき上がるまでのしばしの時を、削られてかき氷が山盛りになっていくさまを見ているのも、この店の醍醐味なのです。

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