不祥事と無縁のモデル

年齢：19歳
職業：服飾専門学生
家族構成：父・母・姉
身長：158cm
特技：可愛いものを見つけること
趣味：家族にコーデを披露すること
将来の夢：ファッションモデル

写真の女性のプロフィールです。名前は「瑠菜」。小さい頃からの夢を叶えてファッションモデルとしてデビューしたのは2024年6月のこと。その活躍ぶりは「ファッションセンターしまむら」の店頭やInstagramの「lunagram_158」のアカウント上で見られます。この1月には埼玉県警のサイバーセキュリティ広報大使に着任したことで話題になりました。

そして、彼女は年をとりません。いつまでも19歳。なぜなら彼女は生成AIモデルだからです。開発したのは老舗繊維商社のタキヒョー。日本経済新聞の報道によると、需要予測、デザイン生成、AIモデルを使ったプロモーションの3つのAIを使い、しまむらなど大手アパレルの製造から販売促進までを支援するとのこと。アパレルの苦境が続くなか、274年続く老舗の知見と最新技術を組み合わせ、生き残りを目指すといいます。

AIを使う利点は、ブランドの方向性に合わせたモデル像を表現しやすいこと。SNSの文面はしまむらとタキヒヨーの社員が考えることで投稿にリアル感を演出しているといいます。また、コスト削減も魅力です。実際のモデルを起用すると1回の撮影費用に100万円以上かかることもあるそうですが、AIに取り込んだ服はさまざまなポージングで何枚でも画像を生成できます。

また、瑠菜はしまむらが強化したい顧客層のペルソナでもあります。ペルソナとは、商品やサービスを開発するために設定する架空の人物像。年齢や性別といった情報だけでなく、居住地や職業、価値観、ライフスタイルなど、実際にその人がこの世界に存在するかのような具体性のある情報を設定していくことがペルソナ設定のポイントです。具体的であればあるほど、商品開発や販売促進の精度が上がり、成果は上がります。

さて、あなたの商いにはペルソナはいますか。たった一人の架空の人物のニーズに徹底的に答えられたとき、あなたは実在の“多くの理想の顧客”からの支持も受けられます。