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野菜を育てるように本をつくる

惚れ惚れする男がいて、一人ひとりが輝くチームがあります。標高1000メートル、八ヶ岳の北斜面、長野県佐久穂町で有機野菜を栽培する萩原紀行さんと、萩原さんご夫妻から始まったのらくら農場のメンバーです。


「どんな状況でも楽しさを見出し、純粋な心でこつこつと、一つひとつ積み上げていける根気力の持ち主」とは、萩原さんも私も尊敬する「福島屋」の福島徹さんによるプロフェッショナルの定義。「ああ、これって萩原さんのことだ」と、のらくら農場を訪ねて思ったことがありました。

さらに彼は、そのレベルの高い営みをチームとして実現することを目指しています。スタッフのお一人がつくってくださった、まかないのお昼ご飯のおいしさがその到達度を感じさせます。


彼の本を世に送り出したいーーこれが私のやりたいことの重要なひとつ。そのきっかけについては彼の文章「畑のつぶやき」2020年2月号をご覧ください。彼のつくる野菜同様、味のある文章なのです。

じつは、そのプロジェクトが進んでいます。私も一人の読者としてその完成を楽しみにしています。

今シーズンは長雨など天候不順で多くの農家さんが苦しんでいらっしゃいますが、のらくら農場にはそれすら前向きに乗り越えていく集合知が蓄積され、日ごとに改善されています。だから彼らのつくる本は、彼らが育てる野菜のように素直で味わい深いものになるでしょう。

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