転勤と転機
僕に、地元というものは無い、父の仕事柄1年、早い時では1年も持たずに引越しなんてざらだった。
そんな僕は学校に馴染むことも無く、もちろん友達もいない。ただ爬虫類が好きでトカゲさえ居ればというか、トカゲしか友達と呼べる相手が居なかった。
そんな小4の初夏のこと
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??:「ねぇ、おにいちゃん何触ってるの?」
1人の女の子が話しかけてきた
見た目から推測して幼稚園生と言ったところか
僕:と、、とかげ
??:へー!!トカゲ飼えるんだ!触ってい
い?
僕:う...うん。びっくりさせないようにね
??:うん!ありがとう!
彼女はキラキラした目でトカゲに触れる
??:わ〜〜かわいい〜
僕:珍しいね女の子で爬虫類好きなのって
??:はちゅうるい?トカゲって
はちゅうるいっていうの?
僕:そうだよ、トカゲとかへびとかカメとか
??:んーカメさんもはちゅうるいなんだ〜
かわいい
何だか相手の調子に乗せられてる感じがするが、爬虫類好きに悪い人は居ないってお父さんも言ってたし...
綺良〜帰るよ〜
綺:はーい、おにいちゃんありがとうね〜
僕:う、、うん
母親が軽く僕に会釈する。それに僕も会釈しながら彼女に手を振る
その後何度か公園で遊んでいたが会うことはなく、僕も引っ越してしまった。
僕が彼女のことで覚えてるのは、兵庫県、キラちゃん、爬虫類に興味がある。
そんなところだ、情報としてはすごく薄い。
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爬虫類しかなかった所に現れた、1人の女の子の事が僕には忘れられなかった。
そんな中、僕は大人になった
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都内某所
僕:いらっしゃいませ〜ようこそ
僕は趣味であった爬虫類が仕事になった。そう爬虫類カフェを開いたのだ
意外と開店当初は爬虫類?と敬遠する人も多かったが、あるインフルエンサーが投稿するようになり人気は急拡大、今や一種のブームになっている。
自分で言うのもなんだが、所謂ところの人気店である。
??:明日の13時の枠予約したいのです
が空いてますか?
僕:明日の13時ですね。可能ですよ。お名前
と、お電話番号お願いします。
??:増本です。電話は090-xxxx-xxxxです。
僕:増本様ですね、それではお待ちしておりま
す!
このように予約もひっきりなしに入る。ありがたいことだ
翌日の13時.....
増:こんにちは〜あったか〜い
僕:いらっしゃいませ〜増本様
増:この子かわいい〜この子も〜
おぉ〜登ってくる〜
私は木じゃなくて綺良ですよ〜
僕:楽しんでもらえてるみたいでよかっ....
ん?今「きら」って言ったよな
ーーーーー昔の記憶が過ぎるーーーーーーー
あの頃幼稚園生なら年齢的には大学生、もしくは社会人
有り得なくない話だ
あの頃と変わらない素直な感じ
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僕:まぁそんな偶然ある訳無いよな、、、
女性が1人で爬虫類カフェ、珍しいですね
また、触れ合いたい子が居たらおっしゃっ
てくださいね!
増:ありがとうございます〜んふふ〜
実は、幼稚園生の時近所に住んでたお兄さ
んが飼っててそこからハマっちゃって....
僕:え、、、
すみません失礼承知でお聞きしますが、兵
庫の〇〇公園で遊んでた時ですか?
増:あーーそうです!そうです!
もしかして、店長さんその時の!
僕:そうみたいです。あの頃ぶりですね
増:まさかの運命ですね!あの頃に出会って
なければ、今の私は有りません!
ありがとうございます!
僕:いえいえ、こんなに爬虫類を好きに
なってくれているなんて僕としても
嬉しい限りです。
偶然の出会いに話が尽きず、また別日会うことになった。
増:爬虫類に感謝ですね
こうやって、再会できるんですから
僕:ホントですね、また〇〇にお待ちしてます
増:はい、楽しかったです!
僕:また、出会えるとはな、、、
これからは、彼女と先の未来をあゆんでいく。
fin
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