恋のタスキ
僕は高校時代県内屈指の長距離ランナーとして名を馳せた。
しかし高校最後の大会で選手生命に関わるケガをしてしまい復帰困難と言われてしまう。だが諦めきれない僕はリハビリを続け奇跡的な回復をみせる
そんな時新設された日向坂大学陸上部が選手として「頑張らないか?」と声をかけてくれた
これは入部して2年たった時の物語である。
箱根駅伝予選会
1位○○大学〜
2位○○大学〜
3位○○大学〜
次々と呼ばれるが
日向坂大学の名は出てこず...
部員 今年も箱根路は難しそうですね...
部員 来年頑張りましょう...先輩
俺 何言ってんだまだ10位が出るまではチャンスがある諦めるな!
影 そうだよ!頑張ったんだし最後まで信じてみようよ!
10位日向坂大学〜
よ...よばれた。やったぁあーーー
大学としては初の箱根駅伝への切符を手に入れた
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練習を重ね
月日は流れ1月2日大手町からスタートした
往路を無事終え
3日、箱根から復路がスタートする、俺の出番は9区
遂に箱根路を走る時が来た。
「先輩、お願いします」
「任せろ」
一言だけ交わし走り始めた....
実況「21km時点を過ぎたとこですが日向坂大学○○選手アクシデントでしょうか」
「このままでは、タスキが繋がりません」
それは俺も分かっていた。そして監督も分かっていた
「俺、ダメかもしれん」
監「○○、あと2キロそんなとこで終わっていいのか!影山の言葉思い出せ!」
俺はハッとした、痛みなんて忘れて無我夢中で走った....
しかし
「パンっ」
鶴見まであと500mといったところで無情にも繰り上げスタート。
母校のタスキを届けることはできなかった。
僕は鶴見中継所にて倒れ込んだ。
そして何度も謝った。謝っても謝りきれないくらい謝った。
そして月日は過ぎ。
影「引きずってる?」
俺「当たり前だろ...もう走る気も起きないんだ」
影「痛みに耐えながらタスキ繋ごうとした○○って他のどの選手よりカッコよかったけどな〜」
俺「フォローありがと」
影「そうだ!私もタスキリレーしたいから走ってよ!
1回やってみたかったんだよね!あの汗の滲みたタスキで!ね!いいでしょ!今日4限終わりグラウンドで待ってるから」
彼女はタスキを置いて行ってしまった
「困ったなぁ」
影「あー!きたきた早速やろ!」
俺「アップはしっかりやらねぇと怪我するぞ」
影「なんか吹っ切れた感じだね!○○はこうでないと!」
俺「じゃ1000m先で待っててくれ」
とだけ言い走り始める
1歩目が怖かった。でも走ってる自分は好きだった。
そしてタスキを渡す。
俺「ありがとう影山、俺を救ってくれて。大好きだ。」
影「え...ありがとう。私も○○君が好き!」
僕達は周りを気にせずその場で抱き合った。恥ずかしさなんて微塵も感じなかった。
影「恋のタスキ繋がっちゃったね」
俺「あぁ、タスキが縁結びになるとはな」
これからも2人のタスキは繋がり続ける。
fin
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