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チョコレートが大好きだった
チョコレート。
食べるたび、たまらない気持ちになる、あの甘さ。
口に含むだけで頭の真ん中のほうから、じゅわ〜と幸せが広がる。
それはまさに、快楽。
15年ほど前、高校生のわたしは売店で「チョコレーヌ」をよく買って食べていた。
チョコレーヌは、チョコ味のケーキ生地を、さらにチョコレートでコーティングした菓子パンだ。
年中食べられたと思っていたのだが、調べてみると、どうやら冬季限定品らしい。
発売から45年以上が経つそうで、長く愛され続けているチョコのパンだとわかる。
わたしはそれを、友だちに「また、それ?」と呆れられるほど、よく食べた。
社会人になってからは、コンビニで「アルフォート ミニチョコレート」をよく買って食べた。長方形の紙でできた青いパッケージの、あれだ。
冷やして食べると、チョコが硬くなり、バリバリと噛みごたえがある。
でも、わたしは少し溶かして食べるのが好みだ。常温で適度に柔らかくなったチョコレートと、全粒粉が使われたビスケットのサクサク感。
少しねっとり感じるチョコレートのおかげで、口のなかに長くとどまってくれる感じがある。
アルフォートのチョコレートの面に帆船がデザインされているのは、ご存じだろうか。
この帆船から「冒険」「夢」「ロマン」などがイメージされて、アルフォートと名づけられたらしい。
ちなみに、アルフォートは造語だそう。誰が命名したのか調べてもわからなかったが、ライターとして、ネーミングセンスを見習いたいと思った。
話は変わって、わたしは今年で32歳になる。
アラサーのわたしは、チョコレートをほとんど食べなくなった。
10代、20代は毎日のように食べていたけれど、いまは食べても2カ月に1回くらい。いただき物を食べる程度だ。
なぜ、食べなくなったのか。
それは、買って食べるほど自分のからだがチョコレートを欲していないから、だと思うーー。
じつは、1年ほど前から「分子栄養学」という学問を本格的に勉強しはじめた。
分子栄養学では、からだの不調を「細胞の不調」と捉える。
そして、その界隈では「チョコレートを欲する人は、マグネシウム不足の可能性高い」とみることがある。
チョコレートは、マグネシウムという栄養素が豊富だ。そのため、からだの細胞が無意識にそれを求めてしまうらしい。
マグネシウムは、細胞のエネルギーを生み出す工場・ミトコンドリアに必要不可欠な栄養素だ。
わたしがチョコレートを欲していたのは、エネルギーが不足していたから、と言える。
また、「甘いものがやめられないのは、たんぱく質不足だから」という話もよく聞く。
10代、20代のころの食生活を振り返ると、まあ、心当たりがある。
分子栄養学を学び、食生活を見直したことで、チョコレートを欲さなくなったと気づいて、よくわかった。
からだの栄養状態で、食べたいと思うものも変わるし、自分の性格すらも変わる。
人間のからだは不思議だ。
いまのわたしにとって、チョコレートの位置づけは「至福を味わう」ためのもの。
毎日のように食べていたころと比較して、ずいぶんライトな位置づけになったが、いまでも好きなことに変わりはない。
たとえるならば、依存していた関係から抜けだして、自立した大人の交友関係に発展したような感じ。
健全だと思う。
これがわたしの偏愛だ。
Discord名:尾崎ゆき
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