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#10『グレートジャーニー』〜武士の進化〜

どうやら、
我々ホモ・サピエンスには
無謀な旅に出たくなる
人々が一定数いるようだ。

なにが
彼らをそのような行動に
駆り立てるのか
第三者にはわかりかねるし、、

本人達も
いまいちわかっていないようである。

先祖のなかにも
同じような人々がいたのだろう。

現在、
地球はホモ・サピエンスだらけだ。。

アフリカ大陸から始まる 
この無謀な旅の歴史を
イギリスの考古学者がこう名付けた。

『グレートジャーニー』

6万年ほど前に
アフリカ大陸を飛び出し
無謀な旅を始めた人々は、

それまでとは異なる環境に
さぞや戸惑ったことであろう。。

慣れない自然環境で、

見たこともない動物に出くわし、

経験したことがないほどの
寒い夜を越えなければならなかった。

なかでも
彼らを苦しめたと思われるのは
紫外線量の少なさである。

紫外線は、
浴びすぎると皮膚がんや白内障、
免疫力の低下を引き起こす
危険なものである。

赤道が近く
紫外線量の多い
アフリカ大陸で進化した彼らは、

紫外線を防ぐため
色素の濃い身体であった。

だが紫外線は
カルシウムの吸収率に深く関わる
ビタミンDの生成に重要なもので、
不足すると
骨を始めとした様々な病気を
引き起こしてしまうものでもある。

アフリカから北上し
赤道から離れた彼らは、
太陽から得られる
紫外線量が減少してしまい、

多くの仲間が病気になったり
命を落とすことになってしまった。

そのなかでも
紫外線吸収率が良い
色素の薄い個体は生き残る事ができ、
肌の色は以前とは異なるようになる。

さらに、
骨格や構造も
気候や環境に影響を受けた。

やがて、
以前とは異なる性質をもつ
集団が表れる。

このような事が
世界各地でおこなわれ、
我々、ホモ・サピエンスの
身体的特徴は
実に多様なものとなっていった。

その後、
各地で多種多様な
文化をもつようにもなり、
ホモ・サピエンスは、
実にバラエティーにとんだ
身体と生態をもつ生物となった。。

しかしまぁ、、
よくここまで拡散したものだ。

食料探しや、
争いから逃れる為であれば
ここまで拡散する必要はない。

当時の人口から考えても
もともといたアフリカ大陸で
じゅうぶんである。

勝手知ったる地域で
楽しくやっていけたはずだ。

だが、
一部の無謀な人々は
そうしなかった。

彼らの
好奇心やチャレンジ精神が
それを許さなかったのだ。

ワクワク感や
チャレンジ精神が抑えきれず、
野を越え山をこえ、

海まで越えてしまった。

これほどまでに
拡散と適応を成功させた
動物はかつていないであろう。

だが、
我々のグレートジャーニーは
これで終わりではないようだ、

現代の無謀な旅人が
さらなるステージを
目指しているのだから。。


次回
『フネで来た。』



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