#8『消えた天才』〜武士の進化〜
今や総人口は80億を超え
地球上のあらゆる地域に進出し、
自然界で絶対的な存在となった
『ホモ・サピエンス』。
しかし、
かつてサピエンスよりも
身体能力が高く、
知能も高かった⁉︎
可能性すらある天才がいた。
それが、
ホモ・ネアンデルターレンシスだ。
(通称ネアンデルタール人)
本来なら、
現在彼らが地上の覇者として
君臨していても
おかしくないように思えるのだが、、
なぜ我々サピエンスが生き残り、
彼らネアンデルタール人が
絶滅してしまったのか?
そこには、
彼らが
天才であるがゆえの
理由があった、、
理由その1.『筋骨隆々な体』
我々の先祖は
気温の高いアフリカで
進化したため、
熱を分散させやすく
長距離走にも適している
手足が長くて
スラッとした体型であった。
一方、
ネアンデルタール人は
アフリカ大陸を出た後、
マイナス30度ほどにもなる
氷期のヨーロッパで進化したため、
寒さへの耐性に優れた、
手足が短くて
筋骨隆々な体であった。
その肉体は
寒さへの耐性に
優れていただけでなく、
瞬発力と力強さを
彼らにもたらした。
しかし、
この体は
より多くのエネルギーが必要でもあり、
何かしらの理由で
食料の供給がままならなくなると、
サピエンスよりも
早く力尽きることにもなった、、
理由その2.『肉弾戦の強さ』
サピエンスには
ネアンデルタール人のような
瞬発力や力強さはない。
当時生息していた
大型動物の狩猟も、
ネアンデルタール人のように
上手くはできなかったであろう。
しかし、
道具の改良を繰り返すことで、
狩猟の精度は上がり、
新たな道具も生まれ、
食のメニューが増えた。
一方、
ネアンデルタール人の
狩猟道具には
あまり変化がない。
彼らは
その身体能力の高さから
肉弾戦による狩猟が得意であり、
道具の改良や発明をする
必要がなかったのであろう。
理由その3.『少数精鋭の集団』
サピエンスは
ネアンデルタール人よりも
ひ弱であるがゆえに、
集団の人数を増やし、
組織力を高めた。
一方、
一人一人のサバイバル脳力が高い
ネアンデルタール人は、
20人ほどの小規模な集団であった。
(たまに他の集団と交わり、
嫁入りのような形で女性がいったり、
来たりしていたと思われる。)
このような組織は
機動力に優れ、
争いも少ないという
メリットもあるのだが、
なんらかの理由で
死者が複数人でた場合、
数が多い組織に比べ、
集団の滅亡へと
つながる確率が高い。。
4万年ほど前のことである。
北大西洋の氷山が
海に流れだすことで
世界中の気候に影響を与える
『ハインリッヒ・イベント』
という現象が起きた。
目まぐるしく変わる
気候の変化は、
生物に大打撃を与えた。
我々の先祖も
例外ではなかっただろうが、
持ち前の持久力に優れた体、
バリエーション豊かな狩猟道具、
組織力などによって、
この危機を乗り越えることができた。
だが、
ネアンデルタール人は
そうはいかなかったようだ、、
環境の変化に適応できず、
食に困り、
仲間の肉を食べた。
彼らの
天才であるがゆえの性質が、
彼ら自身を苦しめたのだ。。
地球が今より寒かった頃、
時代の申し子として
地上に君臨したネアンデルタール人は
こうして
この世から去ることとなった。。
彼らが生きていたら
どんな世界になっていただろう、、
いや、
彼らはまだ、、
次回
#9『進化とは』