キチュア語はじめました
今月から念願のキチュア語学習をはじめました。エクアドルに移住してから、次に学ぶとしたら実用性からするとポルトガル語かキチュア語かな(ほんとうは韓国語もすごく興味があるけど)、ってずっと習いたかったけど「タイミング」「時間」「出費」やらを考えていたらダラダラ何年も経ってしまっていたけど、時間もお金の余裕も一生ないだろうなと気づき、どちらの余裕も一番ない子育て中の今に思い切ってキチュア語コースに申し込んだ。
エクアドルの山岳地域で使用されているキチュア語は元を辿るとペルーのリマにあたる地域で200年ごろから使用が確認されているケチュア語が語源になるらしい。エクアドルではキチュア語以外にも複数の先住民言語が使用されているけど一番使用人口が多いのがキチュア語で、実際近所の八百屋さん一家や友達など身近にしゃべる人もいるのでキチュア語にした。(ほかの先住民言語はたぶんクラスすらないと思うし…)
キチュア語をしゃべる友達の中には、キチュア民族の先住民だけどキチュア語ネイティブスピーカーではなく、レッスンを受けてしゃべれるようになったという人もいる。私の講師もキトゥ・カラの先住民だけど、幼少期から日常的にキチュア語を話してたというよりは大きくなってから本格的に学んだらしい。スペイン語ではなくキチュア語が第一言語だ、っていう先住民も最近では少なく、過去にはキチュア語が消えるんじゃないかという心配もあったらしいけどいろんな人の努力のおかけげ『復活』して使用人口も増えた。
キチュア語は1980年代に正式に『文字化』が始まったらしく、2004年に公式な正字法が決定した。19のアルファベットがあり、母音は3つ。スペイン語と違って名詞に男性系女性系はなく、発音も日本語と似ていて音節の強調が少ない。動詞が最後に来るのも日本語と似ているかな。
講師たちはエクアドルのラテンアメリカ社会科学部大学(FLACSO)で経済開発の修士課程に在籍していて先住民社会と経済開発について研究をしている。このキチュア語コースの特徴は、ただ言語を学ぶだけではなく、アンデス先住民の歴史と哲学も一緒に教えてくれる。どの言語も習得するには歴史と哲学は欠かせないけど過去に消滅の危機に立った言語だからこそこれから学ぶ人にはその歴史と哲学も特に意識して学んでほしいという講師たちの思いがある。
勉強を始めて、初級から語学をはじめる難しさを久ぶりに味わっている。私にとっては母語である英語を除くと自分で勉強して習得する言語は日本語、スペイン語に続いて3言語目になるけど、改めて言語習得って暗記と繰り返しの使用以外に上達する方法はないんだなと実感する。火・木にクラスがあって、木曜クラスの最後には簡単な宿題が出される。なんにもわからない初級の時期が一番モチベーションを保つのがむずかしい。2か月間で1レベルというペースで全部で8レベル。単純計算だと16か月で上級レベル終了ということだけど、クラスに通うだけではしゃべれるようにはならないだろうから自分から積極的に使っていくしかないけど…とりあえず、まずは八百屋さんで。