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胆嚢摘出

そんなに大したことない腹腔鏡による胆嚢摘出手術のはずだったのだが、けっこう大変だったので、備忘録的に。

2022年7月25日月曜日

昼過ぎに起きたら、みぞおちのやや右側に違和感があり、しばらくしてそれが激痛に変わる。ベッドでしばらく悶えていたが治らなかったので、妻に付き添ってもらい、ふらふらしながらなんとか歩いて近所のかかりつけ循環器クリニックへ。たぶん、循環器の問題ではないと思ったのだが、ここで病院へ紹介状を書いてもらえればと思って行ったのだった。

15分くらいかけて歩いているうちにだいぶ楽になり、クリニックに着いた頃には痛みはほぼ消えていた。レントゲンをとり、採血。レントゲン画像ではどこも異常なし。さらに症状をうまく説明できなかったせいもあったが、腹部膨満感を言うと腸にガスが溜まっているかもしれないから整腸剤を飲んで寝ていれば良いかもということで、ミヤBMを処方されて帰宅。

ここ数日、腹部にかなり違和感というか、何かが腫れているような圧迫感があったので、ネットで調べていた胆石のことをクリニックで聞いてはみた。もし胆石であれば相当痛いと言われたのだが、そのとき痛みが去っていたこともあって、どのくらい激痛だったかはうまく伝えられなかった。本当は病院でCTを撮るために紹介状を書いて欲しかったのだけどなあ。

帰宅して昼食を食べた。特に変化なし。

夕食にワインを一口飲み、パンを食べていたら間も無くみぞおちにまたあの激痛が襲ってきた。ベッドで悶えているうち少し治ってきたので、そのまま少し休んでいたのだが、再び発作が来て耐えられない痛さになった。ここで妻が救急車を呼ぶという。コロナの大変な時期だし、救急車を呼んでもいいのかと逡巡しながらも、もう耐えられそうにないので同意。119番がなかなか出なかったが、電話が繋がってから30分ほどで救急車が到着。近所の病院には受け入れてもらえず、世田谷中央病院へ搬送される。

人生2回目の救急車に乗ることになり、貴重なリソースを使ってしまった。ちなみに1回目は大学時代にアメフトで鎖骨を複雑骨折して粉々にした時である。骨が皮を突き破りそうになっていたので、自分では動けなかった。

病院でCTと採血。そして痛み止めの点滴と補液。胆嚢が腫れており、巨大な石が詰まっている疑いあり。血液の数値はこの段階では異常を示していなかったので、金曜に外来にて改めて診察を受けるという予定にして、それまではロキソニンでやり過ごすということになった。タクシーに乗り帰宅。この時点でもう日付は変わっていた。

2022年7月26日火曜日

金曜日まで家で過ごすという予定であったが、朝起きてみればみぞおちにかなり痛みがあり、それまで保ちそうにない感じだった。また逡巡しながらも意を決してタクシーで世田谷中央病院へ。そのときの外科医師の診断によると、黄疸も出ているし早く入院して胆嚢を取ってしまった方がよいとのこと。ただ、病院が満床状態。なんとか一つだけベッドを空けてもらい、そのまま入院することができた。

入院の前にまずPCR検査。左の鼻の穴に一本、右に一本綿棒を突っ込まれる。右側でなぜか出血したので、もう一度左の穴でやり直し。PCR検査は初めてだったが、コロナは陰性。

この日から絶飲食開始。すぐに痛み止めの点滴と補液。予定では翌日に腹腔鏡手術だったので、今日はMRCP、つまりMRIで腹部の画像を撮る。これが結構時間がかかる検査ではあった。病室に入り、抗生剤を点滴してもらううちにだいぶ痛みも無くなった。

実はこの日は歯医者の予約も入れていた。だいぶ前に神経を抜いて金属を被せてあった歯の根のところに異常があるようで、かなり痛かったからである。入院してしまったので歯科はキャンセル。病院での痛み止めで、歯の痛みもあまり感じなくなっていた。

2022年7月27日水曜日

血液検査の結果、やはり胆嚢に炎症があった。ただし、黄疸の数値も上がっていた。言われて鏡で自分を見ると肌がだいぶ黄色い。白目の部分もかなり黄色くなっている。黄疸があるということは、肝臓に問題がある可能性あり。これを解決してからでないと胆嚢摘出ができないとのことで、内視鏡的逆行性胆道膵管造影(ERCP)により胆管のほうへ胆石がこぼれ落ちて詰まっていないか状態を確認する。

これが非常に辛い検査であった。うつ伏せになり、口から内視鏡を十二指腸まで入れて、胆管に直接細いカテーテルを挿入し造影剤を注入してレントゲン写真を撮影するというもの。鎮静剤でけっこう朦朧としてはいたが、途中覚醒したりして死ぬかと思った。

僕の場合は、胆管に石は無かったのだが、十二指腸にある胆管の出口が狭窄していた模様。それが黄疸の原因だった可能性があるので、そこを切開し胆汁の流れを良くするために、プラスチック製の管(プラスチックステント)を内視鏡で胆管内に埋め込む胆道ドレナージと呼ばれる処置をした。

この検査では造影剤が膵管のほうへも少し入ってしまうことが避けられず、そのせいで膵炎になるリスクがあるとのことだった。

内視鏡とはいえ、一部切開したりしているし、ステントのせいで右側肋骨のあたりが常に痛い。痛みで眠れないので何度も痛み止めを点滴してもらう。痛み止めが効いている間だけ知らないうちに眠っていた感じで、それ以外はずっと眠れず。発熱し39度を超える。吐き気は無い。

2022年7月28日木曜日

黄疸の数値はまだ下がらず。

痛みがなかなか引かないのは、前日に入れたステントが硬くて太いものであるかららしい。もう少し細くてやわらかいものに交換するべく、再びERCPをやるという。多少痛みが長引いてもまたあの検査は勘弁してほしいと思ったので、看護師さんにその旨訴えたが、無駄であった。

仕方なく俎上に乗る。今日は鎮静剤が少なめだったのか、最初は眠ることなく起きていたので、太い内視鏡が喉を突き刺す感覚に悶えた。

ERCPが終わり、病室に戻ると、たしかに今日のほうが腹部の痛みは少ない。しかし、違和感は依然としてある。このまま一泊し、次の日に血液検査をして数値に問題なければ退院とのことだ。

この日の夜は、腹部の痛みはそれほどではなかったものの、頭痛と急に痛くなった背中のせいでやはり眠れなかった。再び痛み止めを点滴してもらって少し眠った。

2022年7月29日金曜日

朝の採血で黄疸の数値が無事下がり、昼から食事をしてもよいことになった。腹部の痛みはほとんどないが、異物が入っている違和感は取れない。昼食は脂質コントロール食というもので、非常に味気ないもの。胆嚢がすぐに反応しないか恐る恐る食べたが、特に問題は起きなかった。ということで夕方退院し、タクシーで帰宅。

退院したはいいが、点滴を打っていた左腕がやや赤く腫れて痺れている。

夕食も家で脂質コントロール食を食べる。夜中にかなり腹部膨満感があり、これが胆嚢のせいなのか、単に腸にガスが溜まっているのか判断がつかなかったが、とりあえずトイレへ行ったら、いくぶん楽になったので眠る。

2022年7月30日土曜日

朝起きてもやはり膨満感が続いており、なかなかすぐには良くならないなという感想。ここでもう一度病院へ行くことも考えたが、とりあえず胆嚢のあたりに痛みはないので、一日様子を見る。

2022年7月31日日曜日

ここにきてやっと膨満感も少なくなり、ひとまず落ち着いた印象だ。しかし、異物が入っている違和感は依然取れない。

左腕の腫れが少しずつ硬くなるにつれ、ものすごい痒みが発生してきた。なんとか掻かずに我慢しているが、これは今まで体験した中でもかなりの痒みだ。治りつつある証であれば良いのだが。

2022年8月1日月曜日

毎日、脂質コントロール食を続ける。腹部の痛みはないが、薄い頭痛がずっと取れない。

2022年8月4日木曜日

今日は一日中、みぞおちのあたりが重苦しい。痛みというほどではないが。頭痛はほぼ無く、その点は改善したと思われる。

2022年8月6日土曜日

ここ数日みぞおちが重苦しい感じが続いていたと思ったら、今日はかなり痛みもあり、それで朝目が覚めてしまった。昼まで寝て起きたあとは痛みが消失していたが、やはりまだ万全ではないらしい。といってもまだ胆石も胆嚢も取っていないので当然なのかもしれない。

2022年8月8日月曜日

今日も朝から少しみぞおちのあたりが苦しい。

2022年8月15日月曜日

9時前に世田谷中央病院へ。今日はレントゲンと採血があると思っていたが、問診だけで終了。手術を31日に行うのでその日に入院することになった。手術が問題なく終われば翌日に退院できるとのこと。ついでに腕の痒みのことを聞いたら、膵炎になるのを抑えるための点滴薬が血管に強い刺激を与えるので、それが原因であり、よくあることだそう。痒み止めの塗り薬を処方される。

夕方5時に歯科。奥歯の問題だが、レントゲンを撮ったら前側半分だけ根にひびが入って化膿しているとのこと。治療の選択肢としては、1.この歯を抜いてインプラントにする。2.この歯を抜いて前後の歯とブリッジを作る。3.この歯の前側半分だけ抜いて後側を残し、後側と前の歯でブリッジを作る。4.その歯だけ入れ歯にする。

インプラントは顎の骨に穴をあけてネジを埋め込むのもゾッとしないが、値段が高いのがネックだ。一本40万くらいらしい。入れ歯は前後の歯にかなり負担がかかるとのことだった。結局、3の歯を縦にスライスして、根を半分残す方法を選択した。

かなり麻酔を打った気がしたが、けっこうすぐに覚めて痛みが強くなってきた。ロキソニンを飲んで我慢。この日は一日歯が痛い。

2022年8月31日水曜日

朝早く起きて手術のため病院へ。まずPCR検査。今回は前回と別の人で、3本やりますと言われて、両方の鼻の穴に一本ずつが1セットでそれが3セットという意味だった。前回のように喉の奥に触れるまで入れて止めるような感じではなく、途中までしか綿棒を入れなかったような気がする。結果は陰性。

CTを撮ってから個室へ移動。今回の部屋は洗面台がついていない狭い部屋だった。点滴開始。午後になって看護師さんに医療用弾性ストッキングを履かせてもらい、手術着に着替えたら午後1時に歩いて手術室へ。

狭い手術台に仰向けに寝る。全身麻酔で、点滴から麻酔薬が注入される。あっという間に眠くなるというよりは少し時間がかかった感じだった。

手術が終わり部屋へ戻される。医師が取り出した胆石をお土産にくれて、何か喋っていたが朦朧としていてよく覚えていない。酸素マスクが付けられたまま三時間絶対安静。この間は当然寝返りをうつことも考えないわけだが、全身麻酔で自発的呼吸が止まっていたせいか、眠ろうとすると呼吸もやめそうになる。そして息を大きく吸ったり吐いたりすることができない。それをしようとすると鎖骨のあたりと横隔膜が痛いのである。

三時間経ったら、歩いてトイレへ行っても良いということだったのだが、痛みで全く起き上がれない。臍の穴を含む腹部四ヶ所に開けた腹腔鏡の傷口はそれほど痛くないのだが、というか別の部分が痛すぎてそっちの痛みがわからない。つまり、もと胆嚢のあった場所と肩、横隔膜が非常に痛い。不意に腹部に力が入ると、発作の時のような激痛で息ができなくなる。力を抜けば痛みが去ることをわかっているのだが、自分の意志ではどうにもならず、なんとかベッドの柵を握りしめて耐える。

この日は一日こんな感じで痛みに悩まされていた。点滴の痛み止めを2本入れてもらい、なんとか次の日まで耐える。肩と横隔膜の痛みは、手術のときに腹部を膨らますために空気を入れて、横隔膜が押し上げられたため、放散痛が出ているとのことだった。

身体の数ヶ所と左手の人差し指には心電図用のケーブルが繋がれており、左腕には点滴の管、右腕は定期的に自動で血圧を測るための血圧計がはめられている。管がありすぎて動くに動けないのはいいとして、それらのケーブルが繋がれている病室のモニターが夜中も一定の調子で音を発し続けているので、痛みがある上にそれが気になって全く眠れない。

2022年9月1日木曜日

本来であれば、この日に退院するはずだったのだが、痛くてとても動けそうにない。採血のデータによると、炎症の数値が高く、少し黄疸も出ているとのことで、入院したままとなる。この日も食事は無し。また点滴に痛み止めを入れてもらう。

炎症の原因が不明なので、レントゲン技師が機械を押しながら病室までやって来た。ここでレントゲンを撮るという。ベッドを起こして正面から2回撮ったまでは問題なかったのだが、右側に横向きになるために体勢を変えようとしたら、当然腹筋に力が入り、また発作のような激痛が起こり続行不可能になった。

ベッドに柵が付いていなかったらどうなっていたのだろう。痛みが起こった時にベッドの柵を掴むことで、体の力を抜こうとしたのだが、頭ではわかっていても、どうしても体が反応して力を抜くことができなかった。激しい痛みは数秒で治まるので、救急車を呼んだときのように長くは続かないのが救いではあった。

レントゲンは、横向きは無理ということで、仕方なく背中とベッドの間に硬い板を入れて上から撮影した。

2022年9月2日金曜日

採血のデータは炎症の数値がまだ高い。しかし、医師は理由がわからないとのことだ。ただ、胆嚢が炎症で腫れて肝臓に一部癒着していたので、それを剥がすために肝臓を少し削った部分があり、そこの出血が残っているのかもしれないとのことだった。

数値が高いのでもう一度CTを撮る。

痛み止めは点滴ではなくロキソニンで対応するようになった。今日の昼から食事開始。病室のベッドの上にずっといるのは辛い。全然眠れないし。

最初の二日間は痛みのせいで何もする気が起きなかったが、三日目ともなると暇なのでiPhoneでYouTubeを見るようになった。デーブ大久保のチャンネルで愛甲がゲストの回を見ていたら、非常におかしいので笑いそうになる。これが危険なのであった。笑ったら腹筋に力が入るので、とても痛い。おかしい動画は見るのを避けた方がよい。

本来であれば、この日はすでに退院していて、青山塾の授業があったのだが、まだ病院から出られずにいた。

2022年9月3日土曜日

今日の採血データは全く問題ないレベルにまではなっていなかったが、改善傾向がみられるということで、医師から退院許可が出る。病院の昼食を食べて、2時頃に退院した。

無事帰宅。やはり家のベッドのほうが全然良いな。掴める柵は付いてないが。

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