レップについて
*これは以前発行していた有料マガジン『イラストレーター・東京の仕事場から』から転載して単体で販売している記事です。
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海外の仕事をするときに頼れる存在であるレップについて書いてみたいと思います。
まずレップとはなにかというと、英語ではrepで、representativeの略、つまり「代表」という意味です。エージェントとも呼ばれています。タレントのマネージャーのような感じでしょうか。マネージャーというよりはどちらかというと所属事務所とかプロダクションのほうかもしれません。
僕がよく一緒に仕事をするのは、アーティスト・レップと呼ばれる人です。アメリカのアーティスト・レップを検索してサイトを見てみるとわかりますが、10人から20人くらいのイラストレーターと契約しているところが多いです。担当しているイラストレーターの作品や仕事状況をレップ一人が把握できる範囲というと、そのくらいの人数になるようです。レップが数人いる事務所では、契約イラストレーターの数もそれに応じて多くなる可能性はありますが、一般的に規模としては小さいものです。
ちなみに日本にはそういうレップが全く存在しないわけではありませんが、かなり少数だと思います。日本の場合は、むしろ数百人という登録イラストレーターを抱えるイラスト・エージェンシーのほうが一般的なようです。
大規模なイラスト・エージェンシーと欧米型のレップは規模以外にどこが違うのか。
イラスト・エージェンシーにおいてはイラストレーターが自分で営業して獲得した仕事は、とくにエージェンシーを通さなくてもかまわないはずです。エージェンシーが取ってきた仕事だけにコミッションを支払います。
ところが、レップではそれは許されていないのが普通です。自分で営業しても、レップが営業しても、自分に直接依頼があったクライアントだとしても、全てレップを通さなくてはいけない契約になっています。(とはいえ実際は契約時に交渉力があればなんとでもなるとも言えます)
その上、レップと契約する以前に、今まで自分が大切にしてきたお得意さんからの仕事だとしても、レップを通さなくてはいけません。これを隠してやっているとトラブルになります。このようなお得意さんはハウスアカウントといいます。ハウスアカウントも全てレップに渡さなくてはいけないのです。(こちらも当然契約次第でしょう)
また、何らかの理由でレップとの契約を解除する場合、レップを通して得たクライアントの仕事は、レップから離れた後も半年くらいレップにコミッションを支払わなければいけないという契約になっていることも多いです。
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