僕の妹はツンの日に言ったことをデレの日に後悔する。
この作品の続きです!
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ある土曜日の夜。蓮加と〇〇は二人きりで夜ご飯を食べていた。
今日の蓮加はツンの日。
なので二人の間に会話はない。今ここに聞こえるのはテレビの音だけ。
その時だまってテレビを見ていた〇〇がふと思い出したように言った。
〇〇:そういえば、明日美波と遊園地行って来るから。なんかお土産いる?
スマホをいじっている蓮加の手が一瞬止まる。
蓮加:...いらない。
〇〇:明日蓮加どこも行かないんだったら、きちんと鍵閉めとくんだよ?
蓮加:大丈夫。予定できたから。
〇〇:何時に出る?僕は9時には出るけど。
蓮加:蓮加は9時30にでるから。
〇〇:じゃあ鍵よろしく。
蓮加:ん、じゃ部屋戻るから。
その後、上の蓮加の部屋から何か物音は聞こえたが特に何もなく迎えた次の日。
もちろん今日の蓮加はデレの日。
〇〇:じゃあ行って来るね。
蓮加:やだー!デートなんてずるい!
そういって〇〇にしがみついてくる蓮加。
〇〇:遅刻しちゃうから。離して?
蓮加:むぅ...
意外にすぐ離す蓮加。デレの日は素直なのかもしれない。
〇〇:じゃあ、行ってきます
蓮加:いってらっしゃぁい
今日は最寄りの駅で集合。どうやら美波はまだ着いていないらしい。スマホをいじりながら時間を潰す。
美波:ごめん、待った?
現れたのは、ワンピースを着ている大人っぽい服装をした美波。
いつもの雰囲気と違う美波に思わずドキドキしてしまう。
〇〇:全然待ってないよ。その服綺麗だね?
美波:ほんと?嬉しい。じゃあ行こっか?
美波 〇〇:着いたー!
電車に小一時間乗って遊園地にやってきました。
美波:まず何乗る?
〇〇:遊園地といえばジェットコースター?
美波:えぇ、やだな。
〇〇:じゃあ、お化け屋敷?
美波:お化けほんとうに無理。
〇〇:じゃあもう遊園地が無理じゃん。
美波:だって〇〇が誘ってくれたから、行きたいなって思って。
〇〇:じゃあ、ゆっくりできるやつ乗ろ。
美波:ありがと!
その後二人はコーヒーカップとかメリーゴーランドとかゆったりとできる乗り物に乗って楽しんだ。
〇〇:案外遊園地でゆったりするのも楽しいな。
美波:ね! ごめん、ちょっと待ってて。トイレ行って来る。
〇〇:はいよ。
美波:混んでたな。
トイレから出て、〇〇の方へ向かって歩いていると、美波の足元に可愛らしいハンカチが落ちてきた。
??:あっ、すみません。
美波:あっ、どうぞ。
拾い上げて落とした女性に渡す。
その拍子にその人の顔を見ると、その女性は。
美波:あれ?蓮加?
蓮加:っ、人違いじゃないですか?
美波:いや完全に蓮加だから。なんでいるの?
蓮加:だって、ずるいじゃないですかデートなんで!
美波:ずるいって言われても。
蓮加:だから蓮加もこっそり来ました。
時は戻って、〇〇が家を出た後。
蓮加は〇〇の部屋のベッドにいた。
蓮加:お兄ちゃんの匂いに包まれてる〜
〇〇のいない無法地帯で十分くらい兄を感じていると、
蓮加:いけない、準備しなきゃ。
と行く場所への準備を思い出した。
行く場所はもちろん、遊園地。
別に素直に離してと言うことを聞いたわけではない。
昨日〇〇が美波とデートすると聞いてすぐ、着いていくと決めただけだった。
蓮加:なんで行かないでよって昨日言わなかったんだ!
昨日の自分への後悔を口にしながら、準備して出発。
ということがあったのだ。
蓮加:このデートでお兄ちゃんと美波さんがくっ付いたら後悔するので来ました!
美波:別にこっそり着いてくるならいいけど、邪魔しないでよ?
蓮加:美波さんが変なことしない限りは邪魔はしません。今度は蓮加がお兄ちゃんとデートするので!
でも抜けがけは禁止ですよ!
美波:わかったわかった。じゃあ私〇〇のところいくから。
美波:ごめん〇〇。待ったよね?混んでてさ。
〇〇:全然
美波:いこ?
そういって〇〇の手を取る美波。
美波:混んでるから、手繋いだらはぐれないでしょ?
〇〇:じゃあ、失礼。
美波:ねぇジェットコースター乗りに行かない?
〇〇:ん?大丈夫なの?
美波:ちょっと乗ってみたいなって。
〇〇:じゃあいくか。
二人は手を繋いで歩き出した。
蓮加:むぅー!お兄ちゃんの手は蓮加のものだったのにぃ!
そして、二人はジェットコースターに並びついに乗る時が。
美波:待って、やっぱ怖い!
〇〇:もう降りれないって。
ピーーーー
発車の音が鳴って出発
美波:待って、上がってってる!高い!
美波:きゃーー!!!落ちる!!
蓮加:きゃーー!!!!
ジェットコースターが終わって、
美波:怖かったー!
〇〇:めっちゃ怖がっててうるさくて笑っちゃった。
美波:ねぇなんでそんな平気なの!?
〇〇:慣れじゃないかな?
美波:はぁ疲れた。ねぇ、お昼食べ行かない?
〇〇:腹減ったし行こっか
乗ってる時に後ろから聞いたことがある絶叫が聞こえたのは気がするが、多分気のせいだろう。
その後も、二人はデートをして楽しんだ。
だけどレストランでご飯を食べさせてきたり急に抱きついてきたのはなんだったんだろう。
何かに見せつけてるような気もしたし、視線をすごい感じたし。
そしてついに解散の時間に。
美波:楽しかったー!誘ってくれてありがと
〇〇:たまたまチケット当たったから、いつもなら蓮加と行ったんだけど、今日は美波と行こうかなって思ったんだけど、楽しかったならよかった。
美波:私は〇〇に誘われたらいつでもどこでもいくよ?
だって私〇〇のこと好きだもん。
〇〇:...えっ?
美波:ほんとは言うつもりなかったんだけどなぁ。〇〇鈍感で全然気づいてくれないし、強力なライバルいるし、もう伝えるしかなかったから。
でも、今日蓮加のかわりに私誘ってくれたってことは、ちょっとは期待してもいいんだよね?
学校で一緒にずっといるから気づかなかったけど、もしかしたら僕は美波のことが好きなのかもしれない。
デート終わりの雰囲気もあいまって、二人の間はいい雰囲気に包まれる。
そして、二人の距離は近づいていき...
蓮加:ダメー!!
この大声で、はっと〇〇が後ずさる。
蓮加:キスしちゃダメ!
〇〇:蓮加!?なんでここに?
蓮加:お兄ちゃんが好きだから着いてきちゃった。
美波さん!抜けがけはダメって言ったじゃないですか?
美波:いけると思ったんだけどなぁ。今日はもう無理か。
じゃあね〇〇。返事はまた今度!
美波は帰って行った。
明日からの学校。僕はどう接すればいいのだろうか?
蓮加:油断の隙もないんだから!
〇〇: じゃあ、蓮加帰ろっか?
蓮加:うん!
でもとりあえずは考えるのをやめて、家に帰ることにした。
蓮加:蓮加もお兄ちゃんのこと、大好きだからね!
この二人の選択なんて、できるわけない。
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