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地域での生活と支援分科会 自律的自立生活報告

全障研第57 回全国大会                   第13 分科会

*はじめに

 筋ジスの症状が心臓に表れていることが、4月19日の受診で分かりました。電池を入れ替えても五年しか、ペースメーカーはもたないことが分かりました。Drは経過観察したいと言われています。長く生きてきた心臓はかなり傷んでいます。セーブした活動をもとめられていることのようです。今年七十八ですが、普通の暮らしをしたいと思います。積極的に外出したいと思います。

*介護医療サービス

●補助金や経済的支援
 厚生障害年金120,825 円/月 年金給付金 6,255 円/月、 特別障害者手
当 27,980 円/月 収入計155,010 円/月
●重度訪問介護
 842 時間/月2人介護可
※2人介護時間1H×31日×2回=62H/月・・毎日4時~7時の間で
排便がある(うち72時間移動支援加算・外出2人介護)
●訪問看護(指定難病) 15,000 円/月 交通費
 清拭、おむつ交換、薬塗布、皮膚保湿。
 毎日、午前一時間、午後一時間
●訪問入浴(介護保険)週2日 12,000 円/月
 介護保険料 2,700 円/月 後期高齢保険料 2,700 円/月
●訪問診療3週毎、訪問リハビリ隔週毎(指定難病)
●介護者
 24 時間ヘルパーが一人付きます。
 毎日、午前、訪看二人、午後、訪看一人が医療ケアに来ます。
 外出には、ヘルパー二人が付きます。
●おむつ等衛生用品15,000 円/月
●家賃+駐車場54,320 円/月 水道1,951 円/月 電気7,363 円/月
 ガス5,000 円/月 スマホ5,000 円 支出計121,034 円/月

*基本的なプロフィール

 大分県杵築市 昭和20年1945年7 月19日うまれ 筋ジストロフィー
 27歳の1972年、ベッカー型。体幹機能障害。
 1980年、35歳頃に車椅子生活になり、1985年、40歳で電動車椅子に替えました。
 私立の短期大学に勤めていました
 通勤バスの乗降や階段の上り下りは手すりが無ければ利用できず、仕事に支障をきたすようになりました。
 1984年、障害者の生活と権利を守る大分県連絡協議会を結成して、自治体要望や就労施設作りに取組んできました。

*退院を決めた経緯

 西別府病院に入院するまで、居宅介護と移動支援。B型就労継続支援施設
べっぷ優ゆうに通所などの福祉制度を使って生活していました。
 西別府病院には65歳、2010年11月7日 入院
 呼吸・飲み込み・血液循環に障害による誤嚥性肺炎を発症。西別府病院で
気管切開をしました。人工呼吸器を装着して胃ろうを造設しました。
 西別府病院の療養介護病棟は、100人中80人近くが呼吸器使用の利用
者が占めています。入院患者でも重度訪問介護を利用して、外出、外泊でき
るようになりました。介護ヘルパーの利用が出来るようになりました。
 2020年、同年齢で筋ジスの親友が亡くなりました。親しい友人の死去
まで伏せられました。
 私はそんな病院で人生の終末を迎えたくないと思いました。そのため、退
院在宅自立に向け取組みはじめたいと思いました。
 2018年、退院をしたい!と主治医に伝えたが、無理!との返事でした。
 2019年08月~11月、みんのねがい連載の拙論、生きる(8月号~
11月号・私の生活・伝の心との出会い・障大協の運動・妻との生活)を読
んでいただいたのがきっかけで、主治医は地域移行に賛成してくれるように
なりました。

*退院までの支援に感謝

 オンラインでの支援ではなく、対面が良かったと思いますが、コロナ禍では、対面の支援は、感染症専門病院では難しい中、2021年9月から退院まで、オンラインによる自立支援センターをつないでのズーム自立生活プログラムや外部の4つの訪問介護事業所と訪問看護事業所、相談支援専門員、病室をつないでのズーム大林地域移行支援会議の参加を許可してくれた病院には、感謝しています。
 自立生活プログラムでは、自立(生活)とは、施設や親の庇護の元での生活という不自由な形ではなく、ごく当たり前のことが当たり前にでき、その人が望む場所で、望むサービスを受け、普通の人生を暮らしていく事を学びました。
 77年間、妻、同居人に依存状態から抜け出るためノウハウを勉強しました。
 2021年9月に、地位域移行支援会議が主治医、師長、療育指導室長、地域連携室長等で開かれました。
 私の意見も取り上げられましたが、私自身の参加ができなかったのは残念と思いました。
 利用者は患者である前に、自己決定できる「個人」であり、利用者は支援
の対象者ではなく、支援の主人公であり主体者であることが病院によく理解
されなかったと思いました。。
 在宅で自律的自立している皆さんは若いですが、自立生活の先輩の話は、医療的ケアを受けながら自立ができる確信になります。
 自律的自立とは、高齢であっても筋ジスにより呼吸器の助けと医療的ケア
の提供があれば、価値観や信条など個人の内的要素に関して、支配や制約を
受けずに独り立ちして、自分自身で規範を打ち立て、それに沿って行動でき
る(自律)ように、能力や経済力、身体などに関し、他者に依存しながら、
仕事のやり方を習得し、仕事をして生活を維持していくこと(自立)ができ
ることです。

*個室での3号研修

 昨年9月、主治医の指示で、個室215号室での3号研修を開始できまし
た。新年1月、クラスターが発生して、1ヶ月中断したが、2月14日まで
に24人のヘルパーが実地研修を終えることが出来ました。
 3号研修とは、たんの吸引及び経管栄養を必要とする特定の者に対して、
医師、看護師等との連携の下、適切、安全にたんの吸引等を提供できる介護
職員等を養成することを目的としています。
 訪問看護師の指導の下、実際に研修を受けて3号の資格を得たヘルパーが、私に対して日常に、医療行為としてのたん吸引等のケアの提供してくれています。
 主治医と病棟スタッフのコロナ禍での合理的配慮には心から感謝しています。

*退院日

 退院して7ヶ月半が過ぎました。1日の日課は自分で決めて何とか過ごす
ことができています。
 マンションやアパートの合間から見える鶴見岳の山桜に春を感じました。
よく眠れました。部屋はバリアフリーであり、ヘルパーと訪看の24時間
訪問シフトもできており不安はありませんでした。

*住宅

 京間の2DK、電動車いすでの室内生活は不可。西向き、夏の西日が心配。

*介助者への研修の必要性

 ヘルパー不足が問題化するの中、 退院前に三号研修が行えたことで、ヘ
ルパーがたん吸引、栄養注入ができるので、安心して過ごすことが出来ます。
 現在、ヘルパー・延32人/週、訪看・延20人/週が24時間を支える
ために通ってきてくれています。
 24時間介護の主体者は自らのあらゆる生活場面で指示を出す必要である
と感じています。
 気切により失話をしており口唇、文字盤、通訳を介して指示を出すので大
変です。
 来訪者応接、電話応対ができるので、常時ヘルパーが24時間、訪問看護
師が毎日AMPM2時間そばにいるので、インクルーシブな生活が送ること
が出来ます。

*外出

 現在は、月1回~2回くらい外出しています。

*医療

 難病医療による、3週ごとの主治医の往診、隔週ごとのOT,PTの訪問
リハビリ、毎日2回の訪問看護師のおむつ交換、清拭、軟膏塗布、体位変換
等の病棟ケアに遜色ない医療的ケアが行われており、地域でケアを受けなが
ら社会参加できるので不安はありません。

*入浴

 入浴は 週2回、訪問入浴(介護保険)。病棟では、呼吸器患者は1回/
週で、慢性皮膚疾患に悩まされていましたが、解放されました。

*経済面

 収入は、共済障害年金と特別重度障害者手当だけです。訪問看護料、入浴
料、おむつ、手袋、クリーン綿など衛生用品代15,000 円/円、家賃、水光熱
費、日常生活用具費(レンタル料1 割、自己負担用具代など)、駐車場代などが人よりかさむため、食事代、交通費、自己実現費、ネット代、交際費、衣服費、家具代など賄っていけるか不安があります。
 金銭管理の支援は、相談支援専門員の出し下ろし代行とヘルパーの出入金
票整理は助かっているが、銀行引き下し払いのチェック等できず不安があり
ます。
 銀行引き下し払いのチェック等は相談支援専門員が代行している。
日常の出費はスケジュール表(Excel)に記しているが、年金、手当など
の入金、水光熱費、介護費、医療費などの口座引き落とし支出、通帳の管理
ができない。

*今後

1、アルゲリッチ音楽祭 別府フィル演奏会 カラオケ 映画に行きます。
2、障害者の生活と権利を守る大分県連絡協議会の仕事に復帰しました。
3、JR 駅無人化反対訴訟を支援する活動など障害者運動に参加します。
4、妻や両親の墓参と法事をとりおこないます。

大分県 全障研大分支部 大林正孝


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