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【読切マンガ】2024年上半期【ベスト10】

どうも、マンガ大好き芸人の吉川きっちょむです。
よろしくおねがいしマンガ!

ありがたいことに毎日何かしらの読切マンガが雑誌やweb、アプリなどで大量に世に発表されています。そこで、これまで定期的にその中から話題になったものや個人的に響いたものをピックアップしてまとめてきました。
今回はさらにまとめて今年の上半期の中から独断と偏見で決めた個人的な好みベスト10を紹介します!

1月~3月、4月~6月でまとめたものからだいたい半分くらいずつになりました!
当たり前ですが、これまでに少しずつピックアップしてきた読切の半年分なのでそれなりに重複してます。ベスト10以外を知りたい方は月毎の記事も読んでみてくださいね!

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読切マンガベスト10(2024年上半期)

第10位 『写して』 山本登

(少年ジャンプ+掲載、2024年3月7日)

今年で高校卒業となる洲崎和は誰しもがいい感じに写りたいもの――“卒業写真”の撮影に臨む。過去の出来事から和には譲れない写真姿の一線があるのだが、校則に阻まれてしまい、人生最大のピンチに立たされることに…!小さいかもしれないが当人にとっては大切なもの、そんな一瞬を切りとった山本登先生の鮮烈なデビュー読切登場!!

少年ジャンプ+

めっっちゃ面白かったですー!!
卒業アルバム個人撮影時の譲れない一線を巡る騒動。
厳しい校則と高圧的な教師、そして一生ものの写真に懸ける覚悟が合わさって迎える後半の盛り上がりが最高でした!!
冒頭で分かるように、この話自体が過去に対する回想になっていることでさらに時間に厚みが出てグッときました! めちゃくちゃ好き!!
過去の読切『ザファーストピッチセレモニーライフ』もよかったです。


第9位 『女友達』 椎彩人

(少年ジャンプ+掲載、2024年2月11日)

授業参観に現れたのは、イカみたいなバケモノ。たまたま魔法使いの娘だった「先生」はバケモノの呪いを解くためにマイペースに奮闘し始める…!

少年ジャンプ+

面白かったー!!
異常事態が起きてるけど、段階的に世界観やキャラの背景のネタバラシありつつ、先生の妙に落ち着いたローなテンションと「女友達」になっていく過程がめちゃくちゃ良い…。
オチが秀逸です。好き。


第8位 『50 YEARS LATER』石塚真一/story NUMBER 8

(ビッグコミックオリジナル2024年13号掲載、2024年6月20日)

ある朝、空から降りそそぐ陽光と共に、その電話は男に降ってきた……

未来からの声は何を語るのか。『BLUE GIANT』の石塚真一氏&NUMBER8氏が贈る新作SF読切!!

ビッコミ

まだ見ぬ悲しみと幸福を確信してめっちゃくちゃよかったです…!!
朝を迎えた平凡なサラリーマンの元にかかってきた電話は、にわかには信じられない内容で…。
グッときました…。SF×ヒューマンドラマってたまらないんですよね。今回の話はSFだけど会話劇が中心となっていて、ある意味何も起こらないんですけど、心の中では確実に何かは変わっていることはあって、だからこそ強固に変わらないことを期待するような良さがあってたまらなかったです。
個人的には2017年公開の僕が大好きなあのSF映画を少し思い出しました。観てなければぜひ観てほしいけど、タイトル出せば多少察してしまう人がいるかもしれないので伏せておきます。『◯ッ◯ー◯』です。
そのうち「世にも奇妙な物語」で映像化しそうだなと思ったりもしました。


第7位 『あおげばとおとしいととしつき』奥田亜紀子

(『キーホルダー』第1号掲載、2024年5月31日)

『ぷらせぼくらぶ』(「このマンガを読め!2015」第7位)
『心臓』
(「このマンガを読め!2020」第4位、「このマンガがすごい! 2020」オンナ編第5位)
など注目作を世に送り出す奥田亜紀子先生の新作読切。
合同誌『キーホルダー』第1号に寄稿された読切作品で、今回のテーマが「本」。

数年ぶりに会った大人の女性二人。柊さんと遠嶋さんは高校時代からの付き合いだ。
当時、中学時代の友人を介して知り合った小説が趣味な二人は、帰り際にお互いもっと話したいと思い、その日のうちに意気投合。そんな頃から何年も経って、お互い結婚もして、子供も出来たり。
互いの事情に気を遣い合いながらも、それでも散歩しながら出逢った頃のように楽しく話す二人。この二人がいればいつでもあの頃には戻れるけど、当然周囲の環境も変わってるから終わりもあり、現実に引き戻される。
あの頃もよかったし、お互いいろいろ変わったいまもいいんじゃない?と思わせてくれる素晴らしい読切でした。

やっぱり僕は奥田亜紀子先生に絶大な信頼を寄せているみたいで、今回も間違いなかった。大好きです。時間の経過や気持ちの拠り所、ここで起きていないこと、心の繊細で深いところまで描いていて最高でした。
以前読んだ読切『あんきらこんきら』めちゃくちゃ好きだったから、読切たまったらまた短編集に収録してくれないかなー。


第6位 『継ぎ穂』ちょめ

(webアクション掲載、2024年5月21日/個人出版物2022年11月27日)

存在しないはずの本をめぐるファンタジー。5月23日に本作を収録したファンタジー短編集『室外機室 ちょめ短編集』が発売!

webアクション

むちゃくちゃよかったです!
創作の原点を感じさせるのがいいですね。
作者さんが同人誌即売会「コミティア」に参加していたということで、まさにこの物語は同人誌即売会から始まるんですが、そこでなにげなく手にとって買った、ほんの12pの同人誌が開くたびに表情を変えていく。写真にも残せないし買った経緯も記憶も曖昧。ただできることは一つあって…。
映画でも本でもなんでもいいんですけど、いいものを読んだり見たりしたあとあれこれ考えて、この先の展開こうなるのかなって考えたり、あのキャラが実際にこういう場面に遭遇したらどうするかな、とか自分だったらこうするかなとか考えることが創作の始まりって感じでたまらなくよかったです!

5/23に発売された『室外機室 ちょめ短編集』には今回の短編『継ぎ穂』を含め4つの短編が掲載されているんですけど、全体を通して統一感があるのがとてもいいんですよね。
それぞれ、日常のふとした瞬間の少し先にある非日常に触れた人たちを鮮やかに描いてます。
表紙から分かるんですけど、描き込みがかなり緻密で、それだけで世界観にグッと引き込まれます。目次に至るまでの演出も秀逸です!


第5位  『ある人』岡田索雲

(webアクション掲載、2024年4月27日)

これは悪夢か、そう思うしかないような何かか。『ようきなやつら』『アンチマン』の岡田索雲が描く、「ある人」の物語。

webアクション

ああ、これはすごい。岡田索雲先生には毎回ガツンとやられてます…。
これまでも、つげ義春先生の『ねじ式』からのオマージュ表現が多かったけど今回はたっぷり。彷徨い探しながら「心と身体」の性を自分で取り戻して肯定する話で強いメッセージ性をひしひしと感じました!
まさにいまの時代に描くべき漫画で痺れました!


第4位 『美しいもの』 鳥井泳

(COMIC MeDu掲載、2024年3月29日)

寂れた避暑地の美術館。
学芸員として働く灯台守は迫る閉館を前に、やりたい事を見失いながら日々を過ごしてた。そんなある日、遠方から一人の少年が訪れ、一枚の画をじっと見つめていて。美術館には似つかわしくないその少年が語る、画に秘められた想いとはー。
新鋭が贈る、記憶と邂逅の鮮烈読み切り。

COMIC MeDu

素晴らしかったです。
美しいもの、美しいと感じること、忘れないこと。感動しました。
日々、情報の洪水の中で美しいと感じる瞬間を大切にしたい。
多く語るのも野暮なのでぜひ読んでみてください。


第3位 『ヒトナー』 屋宜知宏

(少年ジャンプ+掲載、2024年2月15日)

『アイアンナイト』、『レッドスプライト』の屋宜知宏最新作!!獣人が住む星に一人の地球人が訪れる。獣人たちは初めて目にする“ヒト”の姿に動揺し!?獣たちの“ヒト”観察が始まる…!!

少年ジャンプ+

読んでよかった!泣いた!
素晴らしく上質なSF短編!ケモ視点でのヒトとの異種交流記。
獣人の星に降り立った一人の宇宙飛行士。彼らはヒトの姿に動揺し隔離するが…。
コメディの温度感を保ちつつ宇宙の広さを感じさせる壮大なSF最高でした!
単純な種族の逆転に留まらず、さらに奥まで設定を突き詰めて考えられつつフェティシズムを刺激してくる要素まで!
SF的にも、この獣人の星ってもしかして…とも考えられそうで、いろいろ考えを巡らせたくなります。
『アイアンナイト』『レッドスプライト』の屋宜知宏先生の新作を読めたっていうのがとにかくすっごく嬉しいですねー。


第2位  『勉強はきっとウチらに平等だ!』蚊帳りく

(となりのヤングジャンプ掲載、2024年5月10日)

高校一年生のミーカは家庭の事情で塾へ行くことができなくなってしまう。 それでも志望校に合格するために、同じく塾に通っていないりっぴよに 自習の仕方を聞きに行くことに。志望校に向けて二人で勉強をすることになるが…!?

となりのヤングジャンプ

めっっちゃくちゃよかったです!
まっすぐアツくて友情とその行動に勇気が湧く話でした。
朝ドラ『虎に翼』の序盤にも通ずるテーマ。
それぞれの事情で通いたくても塾に通えないけど、勉強がしたい二人が大学合格を目指してひたすら独学で勉強を続けるが…。
家庭環境やお金は平等ではないけど悔しさを飲み込んで積み重ねた努力だけはどうかどうか報われてほしい、そういう祈りのようなまっすぐな思いが込められていて泣きました。
この家で母親がまともに描かれないのもまともに扱われていないからっていうことだと思うんですけど、だからこそ母親のあの「手」がすごく印象的でした。
現実にはお金や時間、環境という問題が大きく横たわっていて、天才であればそこをクリアすることもできるでしょうけど、まともに勉強すらできない環境に身を置く人でもなく、中間層にいるであろう勉強したくてもさせてもらえない人をリアルに描いててとてもよかったです。


第1位 『みっちゃんの皮膚』 胃下舌ミィ

(SHURO掲載、2024年1月8日)

幼なじみのみっちゃんの肌は青くて、動くたび、いっつもギコチナイ音がする。
――言葉にできないこの気持ちは、いったい、何? 
読むと心がギュッとなる。
注目の漫画家・胃下舌ミィが描く新作短編。

SHURO

幼なじみのみっちゃんは自作の着ぐるみをずっと着て生活をしている。
外見とか中身とか性別とか関係なく、それ自体がみっちゃんでありそのまま見てほしいだけなのに…。
自分の在り方、どう扱ってほしいか、どう見てほしくないかの話でとてもよかったです!人によって外見で扱ってほしい場合もあるし、内面を見てほしい場合もある。雑に決めつけず、その人の魂がどこにあるのか一人ひとりに向き合って考えていきたいですね。素直に生きたいだけなのに自分らしくいられないというのは、日々の中で死んでいくのに等しいと感じる人もいます。
体温を感じる結末が素敵でした!


番外編「時を超えて完結した作品」

『不死身ラヴァーズ』高木ユーナ

(別冊少年マガジン2024年6月号掲載、2024年5月9日)

甲野じゅんの人生にたびたび現れる“長谷部りの”という女の子。出逢うたび全力で長谷部に恋するけれど、想いが届くと彼女は幻のように消えてしまう!そのたび身を裂く悲しみが甲野を襲い、そしてまた、彼女は別人の“長谷部りの”として甲野の前に現れる!!出逢いと別れを繰り返し、甲野は入学した大学で、またまた長谷部に出逢う。また長谷部は消えてしまうのか!?それとも今度こそ恋は実るのか‥‥!?

マガポケ

10年ぶりの続きであり10年越しの完結の読み切り!「第一部完」からどれだけ待ち望んだことか…!! ありがとうございました!!


ということで最後までお付き合いいただきありがとうございました!
引き続き、自分が観測できる範囲内で読切をまとめていこうかと思います!
2025年のはじめに年間のまとめたいと思うのでぜひフォローしていってくださいね!


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個人的なニュースですが!
「朝日中高生新聞」でのマンガ紹介連載が4月から始まりました!
『マンガ大好き芸人 吉川きっちょむの読んでアオハる!』

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