【短編小説】はやぶさの日(6/13)
なんでこんなに頑張ってるんだろう
どうして、ボロボロなのに飛んでるんだろう
なんでなんて、そんなのきまってる
帰らなくちゃいけないから
僕には、大切な情報が詰まってる
僕には、待ってくれてる人達がいる
60億キロかぁ、長旅だな。でもちゃんと帰って来いよって言ってくれた人がいた
ぼくのお腹には、その人が待ってる物が沢山入ってる
本当は、「ぼく」を待ってもらえてるんじゃないって知ってる
「ぼく」じゃなく、「ぼくが持って帰るもの」がみんな欲しいんだって知ってる
それでも、ぼくは頑張って帰るよ
それが、お仕事だから
それが、ぼくがこの世に生まれた意味だから
だから、そのお仕事をうまく出来たら、がんばったねって言ってもらえるかな
お前が帰ってきたことがなにより嬉しいよって、誰かが言ってくれるかな
ずっと、暗い中を旅していって
ちょっと失敗もあったけど、なんとかお仕事をしてきたよ
帰り道も暗くて、身体はボロボロだし、ちゃんと帰れるか不安で怖いけど
でも、もう少しでおうちに帰れそうなんだ
ほら、青い光が見える
ぼく、頑張ったよね?
きみはとっても偉いよ
すごく頑張ったんだね、お疲れ様
きみがここまで帰ってこられたことが、なによりまず嬉しいよ
確かにきみの持って帰ってきてくれたものは大切だ
でも、それよりなにより、キミが、ここに、無事とはいえないけれど、ちゃんと帰ってこられたことが、嬉しいんだ
キミはとても凄いことを成し遂げたんだ
ありがとう、そして、お疲れ様
……さぁ目を閉じて、ゆっくりお休み
全て私ぺんの妄想です。
誰かのインタビュー記事を読んだ訳でも、参考にした書籍があるという訳でもありません。こうだったらいいなという妄想捏造ですので、いろいろ突っ込みどころがあるかもしれませんが、スルーでお願いします。今日のお話は創作大賞のタグはつけないことにしよう。なんかちょっと怖いので……。
そんな訳で、本日ではなく、昨日になってしまいましたが、6/13は「はやぶさの日」だそうです。日本記念日協会様より。
2010年6月13日、小惑星探査機「はやぶさ」が奇跡的に帰還した日だそうで。諦めない心を持つ、大切ですね。こうなりたい、こうありたい、そんな夢を持ち進むことはキラキラと眩しく、時には辛く、それでも成し遂げた時には素晴らしい景色が目の前に広がっていることでしょう。
はやぶさの名前には、少しだけ縁が(地域的な行事で一方的にですが)あったため、こちらを選択しました。この小惑星探査機はやぶさのように、夢を諦めずつかみ取る、そんな風に進みたいですね。