米澤穂信さん『栞と嘘の季節』〜何かにすがりたかったあの頃の自分と人生の伴走者としての役目を担った栞の物語〜
米澤穂信,『栞と嘘の季節』,集英社,2021
図書委員シリーズの2作目『栞と嘘の季節』読了。本屋さんの新刊コーナーに並んでいるのを見て気になっていたので、一気に読み切った形になった。
ソフトカバーの帯に書かれていた言葉。私が米澤穂信さんの作品を読むきっかけになった「日常のミステリー」の枠は越えているであろう言葉の並びだった。それゆえに、前作「本と鍵の季節」を上回る苦い予感しかしなかった。
そんな私の予感は、大きく外れた。“苦い予感”と言う点ではあってはいたが、そん