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2023.05.14 LaLiga第34節 レアル・マドリーvsヘタフェ
・はじめに
おはようございます。こんにちは。こんばんは。
ドローに終わったCLベスト4マンチェスター・シティ戦を経て、次の準備を兼ねつつ臨むヘタフェ戦を振り返り。
以下、スタメン。
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/105755882/picture_pc_391718cabf33bb5163b3fd2f6e1883ee.png?width=1200)
シティ戦を控えてターンオーバーを敢行。
なんならスカッドリストにFW登録の選手が4人のみというイカれたメンバーを紹介するぜ状態。
アザールがマジョルカ戦以来の先発出場を果たし、メンディが怪我から復帰した左サイドは注目が集まる。
ここ最近のリーガで出場機会を得ているアセンシオがこの日はCFを務める。
対するヘタフェの注目ポイントは普段CBを務めることが多いジェネが一列前に上がって中盤底でプレーしていた点。
最前線にはマドリーのカンテラで育ち、昨夏ヘタフェへ完全移籍となったボルハ・マジョラルが鎮座。
・試合内容
・新しい保持のリーダーズ
保持局面において、殆どのボールを引き取りピッチ上のあらゆる選手やスペースにパスを供給するクロースがベンチスタートのこの試合。
保持のヒエラルキー最上位の彼が居ない場合、誰がタクトを振るうのかという点は1つの注目ポイント。
そしてこの日はどうだったかと言うと、良い意味でリーダーになる選手が決まっていなかった印象。
久方振り?に左IHの位置で起用されたカマヴィンガがSB間に降りたり、チュアメニがサリーで2CB間に降りてタクトを振るったり、セバージョスも右サイドで降りたり左サイド出張でボールの出口になったり。
中盤3枚が上手く役割を分散させつつ前進フェーズに関わっていた。
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中盤3枚が全員比較的低めの位置で引き取る意識が高い分、高い位置即ち相手の中盤と守備のライン間を突くのは誰かという問題に対しては両WGの内側寄せで対応。
その分の大外レーンでの幅取り役はバスケスとメンディの両SBに全振りといった様相。
バスケスは比較的サイドチェンジの的をこなしつつ、右サイド深部での攻撃構築に一役買っていた印象。
しかし、逆サイドのメンディに関してはあまり大外で効果的なプレーが見せられなかった。(怪我明けの彼に急にそんなタスク投げてるのもあんまり...というのもある。)
ここはWGと縦関係を組む中で、前にいるアザールとヴィニシウスとのギャップの問題もある。
ヘタフェの強固な4-4-2ブロックに手こずる中、後方保持での安定感と引き換えに、いつもと違うメンバーでいつもと違うメカニズムを採用したメリットは最後の崩しのフェーズにおいて限定的だった印象。
・中央志向の3トップと幅取りSBの活かし方
上の項で3トップの内側志向とSBへの大外タスク付与について軽く述べた。
その中でその位置関係とタスク調整が上手く作用していた攻撃を1つピックアップ。
前半12分のシーン。
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カマヴィンガが最後方から降りてきたアセンシオへ楔のパスを通す。
アセンシオは前向きのターンからバルベルデとパス交換。
リターンを受けてこちらも中央に寄ってきた前線のアザールへ。
アザールがキープしながら右サイドを覗いてオーバーラップで裏抜けしたバスケスへスルーパス。
バスケスがダイレクトで送り込んだ絶妙なクロスは惜しくも飛び込んできたアセンシオには合わず。
中央に起点を作って3トップが前向きの選手を作り出しながら最終的にサイドにフリーの味方を作り出す事ができた良シーン。
バルベルデの立ち位置によって相手の左ラテラルのアルバレスを釣り出したことでバスケスへのパスコースが空いたことも見逃せない。
中央に層を作りライン間を突くアプローチを急造3トップで連携できたのは即興にしては良くできたもの。
最後のアセンシオは決まっていてもおかしくなかった。
このシーンのようにアザールが背中で相手を背負ってキープできるのであれば、アセンシオは気兼ねなく降りることができるのでこのようなプレーは増やしていって欲しかったのは本音なのだが...。
やはり限定的ではあったが、中央を割る意識はこの3トップを組む上で避けて通れない道であるため、上記のようなシーンはもっと増やしていきたかった。
・オーソドックスなブロックの打開方法
時間が経つにつれ、ヘタフェの守備はより0-0上等でそのスコアを維持する方向に意識が傾いていく。
そのため、時には5バックや6バックになることも厭わず自陣ゴール前にブロックを組むシーンが目立つようになっていった。
後半65分にはSBのアンヒレリを左WGの位置で起用し、さらにサイドの守備を固める。
しかし、その直後の後半70分にアセンシオが決めた決勝点は、ある種そのような撤退ブロック守備への模範解答と言えるオーソドックな得点方法であった。
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バスケスが右サイドで相手と正対しつつ目線を集めてDFラインを圧縮させる。
時を同じくしてマリアーノとモドリッチがボックス内待機でヘタフェのDF陣をボックス内に固定。
外にできたペナ角付近のスペースでアセンシオがボールを引き取り、カットインしながら得意の左足を振ると、ディフレクションはあったもののボールがゴールに吸い込まれた。
ヘタフェの守備ブロックに困っていた中で、それならブロックの外から得点してしまえば良いじゃないかと言わんばかりにシンプルなチャンスメイク。
相手のサイドの守備者をバスケスの正対とモドリッチの前進で固定して、大外から飛び道具で打開するという効果的かつ、この日並べた選手の持ち味を活かした策でこの日の決勝点を奪って見せた。
1点取ってしまえばヘタフェのスコアレスドロー計画も見直さざるを得ないので、ヘタフェが前がかりになったところをチュアメニのボール奪取→カウンター発動でヴィニシウスのゴール未遂(オフサイド)に繋がるシーンも。
そのまま試合は1-0で終了。
アセンシオが自らの持ち味で価値を示した良いゴールでこの試合を決定づけた。
・まとめ
ターンオーバーを敢行し、前線はこの先観られるかわからない組み合わせで臨んだこの日の試合。
中央は散発的に崩すシーンがあったにはあったものの、やはり急造3トップでヘタフェのリアリスティックな守備を破壊することができずに焦ったい時間が続いた。
我慢できずに(シンプルに主力に多少のプレータイム与えてコンディション調整を行う意図もあると思うが)コアメンバーを投入してギアを上げた結果、ヘタフェが守りに本格的にシフトしたタイミングでも得点を奪うことができて一安心。
前節で13回のボールタッチにとどまったマリアーノもこの試合では18回と、こちらも一安心(?)
最近は出れば結果を残す印象のあるアセンシオがこの日も自身のトレードマークのような形からチームを救う得点を決めて見せたのは朗報。
このまま契約延長を勝ち取れるだろうか。
しかし、安心できないカマヴィンガの負傷やメンディの前半での交代など、かなりの不安を残して終えた試合の後味はとても勝利した後の雰囲気の良さではなかった。
バルセロナが優勝を決めているリーガ。
そのため、もう割り切ってある種簡単にはなっているはずのリーガの扱い方ではあるが、今後のアンチェロッティの選択と展望に期待と注目が集まる。
・おわりに
やはりターンオーバーする上で層の薄さは否めないことをまざまざと見せつけられたなぁという試合。
ヒヤッとするシーンはあったが、こういうのを減らすためにも上手く選手のやりくりはしていきたいところ。
稚拙な文章、お読みいただき誠にありがとうございます。
よければ拡散等していただけますと幸いです。今のところLaLiga全試合レビューするつもりではいます。多分。
それでは!
※画像はTACTICALista様、レアル・マドリー公式様を使用しております。