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2022.12.31 LaLiga第15節 バジャドリードvsレアル・マドリー
・はじめに
おはようございます。こんにちは。こんばんは。
あけましておめでとうございます。本年も気分が乗ったタイミングでnoteを投稿していこうと思いますので、何卒よろしくお願い申し上げます。
さて、2022年最後の日に行われた試合を今更振り返りますよ。
以下、スタメンでございます。
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W杯を最後まで戦い抜いたチュアメニ、カマヴィンガ、モドリッチの疲労を考慮した中盤構成。(ちなみに第5節マジョルカ戦と同じ構成だったりする)
そして最前線中央には我らがカピタン、ベンゼマがお久しぶり。
バジャドリードの注目は2004年生まれの右SBフレスネダ。
ラ・ファブリカ所属経験もある18歳が世界最強左WGヴィニシウスと相対する。
ちなみにマドリーはこの試合を終えて、フレスネダ獲得に興味っぽい。
対戦した元カンテラーノにときめく最近お馴染みのメンヘラムーブである。(ミゲル…フラン…。)
・試合内容
キックオフと同時に猛然とハイプレスを敢行するマドリー。
IHの労働力への信頼や昇格組相手に序盤から主導権を握っておきたいという思惑に起因しているのだろうか。
そしてこの日の保持局面は、アンカーのクロースがサリーを織り交ぜながら真ん中〜左サイド低めで司令塔ムーブ。
状況に応じてセバージョスがクロース落ち、ヴィニシウスが大外、メンディが左HS付近で選択肢を作る形や、アラバを左SB位置に押し出す形も見られた。
このように左サイドは後方に発射台を置いて、前は2〜3人称の崩しとやり直しを繰り返しながら打開を図る。
一方の右サイドはアセンシオが内、バルベルデが外へ移動、SBカルバハルも含めたユニットでの崩し・前進を志向。
3者とも得意な場所こそあれど、内外どちらでも対応可能なユーティリティ性を活かしたお馴染みの前進方法。
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対するバジャドリードも高めのライン設定でマドリーに圧をかける強気な姿勢。
クロースに対してCFセルヒオ・レオンや右IHロケ・メサあたりがアラートな対応でボールの出所を牽制。
それに伴い、4-4-2っぽい守備陣形に。
その分、クロース落ちするセバージョスが浮いてくるため、そのエリア中心に自陣での保持は割と安定していた。
前半9分、右サイドでの前進からベンゼマのヒールパスに呼応したアセンシオが左足で狙い澄ましたシュートを放つもGKに阻まる。
そのこぼれ球を左サイドでセバージョスが拾ってゴールライン際からアセンシオにグラウンダークロスを上げる波状攻撃も上手く合わない。(ここで一応ハンド疑惑も)
前半16分には、またも右ユニットで得たCKの流れからヴィニシウスがシュートを放ち、こぼれ球をベンゼマが宇宙開発。
右ユニットの前進を中心にチャンスを創るも最後の精度がついてこない序盤に。
1つ個人的にピックアップしておきたいのは、最近放出の噂(ふざけんなと思っている)がよく耳に入ってくるメンディの前半12分のプレー。
左サイドでボールを持ったメンディが前方を塞がれ、ビルドアップをやり直すシーン。
何気ないプレーに見えるが、彼は利き足ではない右足が異常に強いおかげで、ボールを相手から遠い位置に置きながらスムーズに1つCBを飛ばしたパスを送り込める。
SBの質の高さはマドリーの保持を支えるキーポイントであるため、放出は考え直していただきたい。
(前半21分にも似たようなことしてるのでこっちもチェックしてみてください。)
(もっと言うと前半24分のクロースとの関わり方もめちゃくちゃ良いのでこれもチェックしてください。)
メンディ、右足が強いおかげでやり直しのビルドの時1個CB飛ばしたパスをめちゃくちゃナチュラルかつスムーズに送れるのほんと好き
— or (@kitto_My_turn) December 30, 2022
前半27分、被カウンターで右SBフレスネダの低弾道アーリークロスからハビ・サンチェスにシュートを撃たれる。
この日のマドリーは両IHの前向きベクトル守備+アンカーのフィルター性能の脆さから、被カウンター時はかなりの確率で自陣バイタル付近まで前進されていた。
そして、時間経過と共にマドリーのプレスのかけ方も中途半端になってきており(ベンゼマも前から行こうぜ的なジェスチャーしてた)、バジャドリードに攻め込まれるシーンも散見されながら前半が終了。
後半開始。交代無し。
この日バジャドリードの右SBに入ったフレスネダは非常に優秀。
後半51分のシーンのように、マッチアップするヴィニシウスに対して走り勝つには至らないものの最後まで粘れる。
抉ったその先の要所に間に合うことができるので、味方の援護までの時間も創出することができ、ヴィニシウスの決定的な仕事を防ぐ。
そして、個人的に好きなのが後半55分の被カウンター時のリュディガー。
相手の左WGプラノに対して適切な間合いで攻撃を遅らせたシーン。
恐ろしいことにリュディガーが広大なスペースで敵WGに負けるイメージが全く湧かないのである。
一時期のファン・ダイクのように“存在感“というか“名前“というか、身体能力も勿論だがそれ以外の要素でも守れる稀有な守備者なんだなぁと改めて感じた好きシーン。
バジャドリードは後半55分、エクアドル代表としてW杯3試合に出場した右WGプラタを投入して火力を増幅。
一方、後半59分にはクロース番やヴィニシウス対応の援護など、攻撃だけでなく守備場面でもキープレイヤーとなっていたロケ・メサが負傷交代となる。
同じタイミングでマドリーもカルバハルとアセンシオを下げ、バスケスとロドリゴを投入。右サイドを再構築。
後半65分にはプラタのシュートで得たCKから始まる流れで2度もゴールを脅かされるが、クルトワのパラドン祭りで耐え忍ぶ。
耐え忍んでいると思わぬところからチャンスは転がってくるものである。
後半79分、CKからリュディガーのヘディングで相手のハンドを誘発し、獲得したPKをベンゼマが決め切り待望の先制点。
さらにこの判定に対して文句を言ったレオンが退場。11人対10人となる。
この日のCKはリュディガーの頭に合わせるボールを多用しており、セットプレー時の彼の制空権に対する信頼感をかなり感じた。
10人で1点ビハインド、残り時間も少ない状況のバジャドリードは前がかりに。
前線の枚数は減らさず、4-2-3のような布陣で得点を目指す。
対するマドリーもバルベルデと足を攣ったヴィニシウスに代えてチュアメニ、モドリッチのW杯過労組を投入。
10人で攻めるしかないバジャドリードの隙を突いた後半88分、追加点が生まれる。
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ダイレクトパスを織り交ぜながら後ろで繋ぎ、バジャドリードのDFラインを引き出す。
ヴィニシウスがベンチに下がったことで、左サイドを任されたカマヴィンガが同じく途中出場のモドリッチとのワンツーで左サイドを爆走。
フレスネダとの走り合いに勝ち、中でマークを外したベンゼマへ。
背番号9が完璧なファーストタッチでボールコントロールし、ゴールへ流し込んだ。
散々ヴィニシウスへの対応を強いられたフレスネダに対して、途中出場のカマヴィンガの走力を押し付ける采配は暴力的。
そして、見逃せないのがベンゼマの動き直し。
相手の位置、カマヴィンガの状況を認知し、ファーからニアへ急な路線変更はストライカーのそれ。
この日、前半に決定機を外したり、カウンター発動時の支柱としての役割もあまり上手くいってなかったベンゼマだが、最終的にはしっかりドブレーテかましてくるのは流石。
“8分“という本田圭佑もびっくりのアディショナルタイムも、11人vs10人で試合をコントロールするのは容易く、そのままマドリーが2-0で勝利。
クルトワ、今季リーガ初クリーンシートおめでとう。
・まとめ
長い時間をクルトワで耐え忍び、交代策も含めながら終盤でひっくり返す割と馴染み深い試合展開。
保持はクルトワも含めたやり直しビルドやアンカークロース、セバージョスの列落ち等で安定はしていた。
しかしながら、フィニッシュの精度、被カウンターへの抵抗力の弱さから苦しい展開を強いられ、バジャドリードにペースを握られる時間帯も。
この日個人的に気になった選手はセバージョス。
「クローザー。プレミア経由の戦える技巧派。便利屋。」こんな感じのイメージがあるセバージョスだが、この日はちょっとタスク過多にも思えた。
如何せん頑張れるし意思的な強さは画面からでも痛烈に感じさせられるので、そこを責めるつもりはない。
しかし、脇役ではなく自分が主役になるプレーや、身体能力に優位性を持てない選手がどのように広大なスペースでも価値証明できるかというところが見たい。
彼の途中出場が多い理由をまた1つ思い知らされた感。
ベリンガム、欲しいなぁ…。
終わってみれば2-0のクリーンシート勝利。2022年最後の試合で勝利を収めた。
・おわりに
W杯明けの久々の試合。2022年を締め括る試合。
いろんな意味を持ったこの試合はいかにもそれっぽい結末に終わった。
バルセロナがエスパニョールに引き分け年越しマッチをしたため、勝ち点では並んだみたいですね。
この試合が首位奪還、そして独走の嚆矢となることを祈って筆を置きます。
稚拙な文章、お読みいただき誠にありがとうございます。
よければ拡散等していただけますと幸いです。今のところLaLiga全試合レビューするつもりではいます。多分。
それでは!
※画像はTACTICALista様、レアル・マドリー公式様を使用しております。