見出し画像

2023.04.30 LaLiga第32節 レアル・マドリーvsアルメリア

・はじめに

おはようございます。こんにちは。こんばんは。
まぁ〜試合が多い!!!3、4日に1試合のペースでリーガの試合がやってくるんだが!!!
全然レビューが間に合ってませんが、今日も元気にアルメリア戦を振り返り。

以下、スタメン。

両チームのスターティングメンバー

この日のマドリー先発陣トピックは、ここ最近左IHとしての出場が多かったセバージョスを右IHに配置したこと。
右SBは少しずつスタメン出場の機会が増えているバスケスをチョイス。
ロドリゴも含めた新右ユニットの相互作用はどう働くのか。
一方のアルメリアのスターティングメンバーは4-1-4-1(4-5-1)のフォーメーション。
LaLiga開幕戦となった前回対戦時にはサディクとラマザーニの2トップに苦しんだ印象。
しかし前者がラ・レアルに移籍し、残ったラマザーニはこの試合左SHで先発出場。
そして、前回右WBを務めていたチュミが今回は右CBで中央を固める。

・試合内容

・攻守の軸は“世界最高CB“

この日のアルメリアの守備は左SHのラマザーニが少し前残り気味(恐らくオフェンス要員としての意識や守備の不得手さからくるもの)に4-1-4-1ブロックを形成する傾向が見えた。
あるいは、ラマザーニを中央寄りの前に残して4-4-2ブロックの形で守る形。
しかし、1トップのラザロが2CBへチェックをかける構造と前残ししたラマザーニの守備能力を考えた時、空いてくる/プレッシャーが弱まるのがマドリーの右CB。
今季武器となっているミリトンのフィードからヴィニシウスの1点目が産まれる。

マドリー1点目のシーン

クロースが左側で配球する形の恩恵を受けて成長したのがこのミリトンの列上げの感覚とフィード能力。
クロースと同じ高さまで上がり、右サイド側の発射台となる。
相手陣内深くまで前進した際には右ユニットの4人目として機能。
このように単なる守備者としてではなく、最後尾からゲームを作る上でオフェンス面でも欠かせない存在となっているまさに“世界最高CB“。

またこの日は守備面でもミリトン(リュディガー)の能力を拠り所とした守備がハマっていた印象。
この試合でマドリーは前から1枚1枚を相手ボールホルダーに当てはめていく積極的なハイプレスを敢行。
セバージョスはもとより、クロースも前に押し出して相手のビルドアップを窒息させようとする試み。
息継ぎしようとしたアルメリアのビルド隊が送り込むロングボールをミリトンをはじめとしたバックラインの迎撃によって回収する形がハマっていた。

相手の守備構造上空いてくるミリトン。
彼の得意なプレーを上手く相手の守備に噛み合わせつつ、守備面でも彼の迎撃能力を活かして試合を優位に進めることができた
序盤からギアを上げて早めに先制点を奪うことができたことは、ムード向上やゲームプランの組み立てやすさに寄与する大きなプレーであった。


・左右で非対称なSHの剥がし方

上述したアルメリアの守備に対して、マドリーは左右のサイドでそれぞれ違うアプローチを敢行。
そんな違ったアプローチの中で両サイドで共通してキーになるのは、「プイグマルとラマザーニの両SHの剥がし方」。

マドリーの保持局面概略図

左サイドは後ろでクロースが配球の始点になる形、ヴィニシウスが大外で突破力とバックドア性能を押し付ける形はお馴染み。
しかし、ヴィニシウスに対してチャレンジ&カバーがいる2vs1では部が悪い。
そこで、1vs1ならほぼ負けないヴィニシウスにその状況をプレゼントするために効力を発揮していたのが“カマヴィンガの立ち位置“である
内側に立ってプイグマルを引きつけ、時にはサポートランで外側の預けどころになる。
SHの守備加勢を牽制し、ヴィニシウスvsメンデスの1on1構図を作るために一役買っていた。
更に踏み込むと、ポルティージョと同レーンに立つことで、IHがHS(ハーフスペース)を塞ぐカバーに向かうことも牽制することができていた。
このカマヴィンガの立ち位置のおかげで、ヴィニシウスが1on1で勝負、突破した後のカバーにやむなくCBを引き摺り出させる好循環が生まれた。

そして注目だったのがもう一方の右サイド。
バルベルデ-モドリッチ-カルバハルの黄金トリオからガラッと変わったロドリゴ-セバージョス-バスケスのユニット。
右サイドで相手のSHラマザーニを引き剥がす仕組みは単純で、それは“バスケスの走力“で引きちぎること
ロドリゴが内側を志向するため、大外レーンはバスケスが担当することが多く、相手を中央に寄せてから大外を駆け上がるバスケスで右サイドを攻略できるシーンが散見。
カウンター時にもロドリゴやヴィニシウスといった面々と一緒に駆け上がれるバスケスの走力は魅力
その結果2点目を奪取するカウンター局面で、外側を走るバスケス→ポケットを狙うロドリゴ→ベンゼマへクロスという流れから結果を残すことができた。

序盤でも述べた通り、セバージョスは普段とは逆側のサイドでの起用。
この試合の右IHセバージョスは個人的には好印象であった。
内側を志向するロドリゴに合わせて外を取ったり、外でバスケスが受けた後は必ずフォローに走って孤立させなかったり
囲まれてロストしそうになっても被ファールや股下を通して躱してしまう等、ボールを受けると必ずキープして失わないグリップ力はこの試合の右ユニットは勿論チーム全体としてもありがたかったのではないか。

このように左右でそれぞれの特徴・持ち味を掛け合わせた相互作用の良さがこの日のオフェンス局面の出来に直結したのではないだろうか。


・熱量に起因する局所的な甘い守備

早々に得点を奪い、全体的にパフォーマンスの質も高めであった分、この試合で被弾した2失点は少し不満が残るものに。

まずラザロに決められた1失点目。
ポケット管理の杜撰さ、クロスに対する立ち位置の甘さ、ボールウォッチャーになってしまう脆さから。

アルメリア1点目のシーン

逆サイドから流れてきたクロスをアキエメが拾ったオープンな展開から、HSのラマザーニに簡単にパスが通されてしまう。
ミリトンがゴール前から引っ張り出され、対峙したラマザーニが送り込んだグラウンダークロスがファーに流れてラザロに得点を許した。
ボールウォッチャーになっていたリュディガーの立ち位置も、背後を取られたにも関わらずラザロをほったらかしにしたクロースとチュアメニも注意力の欠如を指摘せざるを得ない。
最近のボックス内におけるロークロス耐性の無さは少し気になるところ。(CLも一時期ロークロス攻撃で猛威を振るったシティ相手ということもあるし)

そして2失点目。
ゴールキックからボックス内で受けたクロースのバックパスを攫われ、ポルティージョのクロスからロベルトーネにヘディングを許した。
パスミス→守備の移行が遅く、自らの真後ろからなす術なくヘディングを叩き込まれたクロースは正直目も当てられない。
(試合後の公式Twitterでもいじられる?レベル)
このシーン以外でもカウンター局面でボールキャリー出来るところをロングパスに甘えてカットされるなど、試合を通して省エネで“こなす“プレーが目立った。
流石に試合展開やリーガにおける順位などを読まずにこのプレーぶりを選択しているほど分かっていない選手だとは思っていないが...。

前半のうちに3点を奪い、試合を進めやすくなっていたのは理解できるが、その分守備は雑でも良いという甘えが見えたのは少し後味が悪い。
それをチームの中心となるべきベテラン選手がやってしまっているのも...。


・まとめ

ハイプレスとバックラインの迎撃能力の補完性が高く、それでいて上手くハマっていた試合
前線の選手達のボールプレーフィーリング、判断力の質も軒並み高かったため、詰めの甘さもあったアルメリアの守備の隙を突き続けて4得点を奪ってみせた。

ある種お馴染みの左サイドユニットのメカニズム(カマヴィンガの左SBはもう普通のこととする)、メンバーをガラッと変えた右サイドユニットのメカニズム、両者が共に効果的に作用したのは過密日程を走り抜けながら大一番を乗り越える必要がある終盤戦にとって、とても大きな成果

ヴィニシウス×ベンゼマ(オフザボールも天才)で得点を奪えたこと、昨季までのスーパーサブ的な扱いから一段上に上がってピッチに立てば違いを生み続けてくれるロドリゴ、同じく序列を上げながらチーム支えてハイパフォーマンスを魅せるセバージョス、チーム構造の中で自らの持ち味を出しつつ結果も残したバスケス等、明るい要素は沢山見つけられた。
あと終盤にはバスケスの左WGも見つけられた。(?)

しかし、被弾した2失点ともやられ方としては最悪レベルの失点だったことは見逃せない。
明らかに注意力散漫で雑な対応に甘えた1失点目、コアとなるべき選手が気の抜けたミスであっさり追加点を許した2失点目。
流石にCLではやらないですよね...?

・おわりに

攻撃面でそれぞれの持ち味を活かして4得点、守備面でそれぞれの甘さにつけ込まれて2失点。
なんとも言えねぇ。

稚拙な文章、お読みいただき誠にありがとうございます。
よければ拡散等していただけますと幸いです。今のところLaLiga全試合レビューするつもりではいます。多分。

それでは!

※画像はTACTICALista様、レアル・マドリー公式様を使用しております。

この記事が参加している募集