ヘアドネーションした

のが3年半前か。


初夏。へそより下まで伸びた髪が背中をアチアチにするのでウザくなり、裁縫箱から裁ちバサミを持ち出し根元からバッサリすっきり。

別になにか目的があって伸ばしてたわけじゃない。勝手に伸びただけ。未練はない。

今までは定期的に強制的に母に切られていたのでセミロングより長くなったことはなかった。そして美容院に行ったこともなかった。故に上京した後は、ほったらかしになっていた。

自分で言うのもなんだがとてもキューティクルってる髪なので、まず最初に金にならないかググった。数千。端金だ。んじゃドネーションにしよう。数千よりは価値のある経験になるだろう。

調べると、人工の髪は肌に合わない事があり本物の髪を欲している人がいるらしい。そして、ロングの髪を欲している人がいるのにロングの髪が足りてないらしい。

当時はそんなことが書かれていた。今は知らん。

ゴミ箱に行く運命だった切った髪が何かの役に立つのなら、ウィンウィンだろう。ゴミ収集車のかたも、ゴミ袋に黒髪ロングが入っていたらビビるだろうし。

善意でも偽善でもないことを自分の心に確認する。


ドネーションする際にアンケートのようなものがあった気がする。
染めてますかー?とかそんなの。
いや染めてない。オイルも塗ってない。アイロンもパーマもしてない。リンスとかもしてないし、ドライヤーもしてないし、なんなら手櫛で生きているので、もうこれ以上ないくらいに状態の良い髪である。大自然の中で悠々自適に、縦横無尽にすくすくと成長した優秀な髪である。放任主義最高!

髪が長いと邪魔なのは間違いないが、後ろで三つ編みにして過ごしているのであまり気にならない。外出時はお下げを帽子の中にエルサみたくねじ込んじゃうので快適。
それすらもめんどいときはお団子にして串団子の串をぶっ刺している。かんざしも持ってたがリゾートバイトで仲良くなったパキスタン人にあげちゃった。串を抜くとくるくるのウェーブになってるのでアイロンは要らない。
そんなこんなで気づいたらヘソに到達しているという訳である。無関心にも程がある。

送料出して送って、「受け取りましたありがとー」の紙を送り返して頂いた。受け取った時、なんかちょっと嬉しかった。自分の切れ端がどこかで何かの役に立つんだなぁ。ふふん。えっへん。


あれから3年半か。

髪はへそに届いたくらい。
友達には切らないのかと再三言われているが、もうちょっと待ちたい。
前回より長い髪をドネーションしてみたい。
献血にも興味あるけどなんかちょっと健康診断の血液検査の結果があまりよろしくなかったので、髪に代えさせて頂きます。

ただただ髪をほったらかしているだけなのに大きな使命を背負っているかのように感じられて心があったかくなれるので、おすすめです、ヘアドネーション。

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