振袖自分で着た話
友達が成人式に向けて準備を始めてて自分も振袖レンタル調べてみたけど...クソ高ぇ‼︎
親に「振袖は自分で買え」と言われたものの、そんな金どこにもねぇ‼︎
振袖自分で着て、どこか誇らしげに成人式に出席したい‼︎
そんな方々に朗報です‼︎
振袖、自分で着れます‼︎
その茨の道をお示しいたしましょう‼︎
読むだけで着れるようになると思って来た方?
一昨日いらっしゃいな。
セールスじみた茶番はここら辺で。
大学1年の冬から半年程、着物を着てバイトをしていた。
二部式とか簡易着物とかでなく、マジのやつだ。
かに甲羅ってとこ。
着物と帯は借りられるけどその他の小物は買わされた。それは良い。面接のときに2-3千円だと聞かされていた。了承していた。しかし実際は1万とちょっと払わされた。えっ半分は会社が払ってくれるって話でしたよね?って聞いたら、いやぁ原価が2倍になっちゃって、とのこと。ぼったくりですやん。大学1年の小娘が刃向かうには些かどっしりとし過ぎている店長にわざわざ立ち向かう者はいなかった。いや、居はしたのだ。大学4年の同期が顔面蒼白で直談判しに行った。しかし何も変わらなかったところを見ると、丸め込まれたのだろう。これから着物バイト始める人は、小物は新品でなく中古で揃えた方がいい。中古なら数千で済み、機能も劣らない。
バイトの研修では着付け方はもちろん、所作、言葉遣いなども教え込まれた。たかがバイトにそこまでする?!と思いながらも頑張った。留年しかけた甲斐あって、私の着付けはいつも安定してキレイだとの定評をもらえるまでになった。そして私は考えた。
振袖も着れるんじゃね?
袖がちょっと長いだけじゃん!
振袖の難しさは帯にあるとは知らないまま、振袖を自分で着付けることを決意した。
調べていくうちに、それがいかに難しいかを思い知った。格式なるものや、大振袖、中振袖、小振袖、名古屋帯、袋帯、丸組、平組、そして飾り結びの数々。
しかし、成人式は着物警察へのお披露目会ではない。見るのは、私と同様に着物の知識などこれっぽちも無い同級生たちである。なにか間違っていたとしてもそれを指摘できるような人はいるまい。
小物や草履はバイトので良いだろう。一万とちょっと払ったんだから使い倒さねば。鞄は祖母から貰ったパーティーバッグがあった。パーティー用ではあるが牡丹かなにかの伝統的な刺繍がされていたので和装にもよく合う。あとはまあ最低限、中振袖と袋帯があればなんとかなるだろう。見た目良ければ全て良し。
アドバイス
メルカリで良いのを見つけたらさっさと買うべし。私は、ものすごく気に入った振袖を見つけたが母に地味すぎると言われて迷っているうちに売れてしまい、結局成人式直前に目に優しくない真紅の振袖を購入する他なくなってしまった。幸い袋帯の方は、今も持っているほどめっちゃ気に入っている品の良い金色の京友禅を購入することができたので全体としてはまあまあ満足である。
中振袖と袋帯を買い揃えたら、
YouTubeで「振袖 すなお」で検索🔍
すなおさんの着物講座が1番丁寧でわかりやすかった。何よりこの方、めっちゃ美人なのである。もうそれだけでモチベupである。何度も見て練習し、イメトレしよう。
そして成人式当日。
他の子が朝4時からレンタル屋で肋骨を締め付けられている一方、我々は式の3時間ほど前に起床。バイトで培った技術で滞りなく振袖を着付け、帯のどうしても1人ではできないところはやる気の無い母に手伝ってもらい、なんとか着付ける。帯はややバランス悪いがまあ許容範囲内、初めてにしちゃあ上出来。それ以外は言わずもがな。我ながら器用である。
ちなみに髪は黒のボブ。
元々はロン毛だったが振袖の髪型がマジでめんど過ぎて、ボブならセットしなくても浮かないだろうと思い、手元にあった布切りバサミでばっさりいった次第である。やはり私は器用なのである。ヘアドネーションした話はまた別の機会に。
髪飾りは母が庭から手折った白い花と真紅の実をクリップで留めただけ。
黒髪に白と紅がよく映える。
着付けのあと、意外と良い出来栄えに興奮した母による写真撮影が行われた。娘の晴れ姿に自分も一枚噛んでいる事実が嬉しいのだろうか。
前日は雪だった。
積もった雪の輝かんばかりの白さと快晴の空の抜けるような青さに、黒いボブを揺らしながら歩く真紅と金の私。黒い髪には白い花と赤い実。
もう、目がチッカチカである。
しかし私の目には写らない、気にしない!
しゃがみ、雪をすくい、ピース!
パシャパシャとうるさい母のスマホを奪って母とツーショット、ピース!
雪の上で真正面、真横、後ろ姿、振り向きざまにまたもやピース!
成人式に10分遅刻した理由がこれです。
いやあ、楽しかった笑
こんな感じで私の成人式は、周りとはひと味違う深い良い思い出となった。
そして一生自慢できるネタを得た。必ず驚かれる。
振袖、自分で着たんすよ(笑)っつって。
母も、親戚に自慢していた。
レンタルではないので着ようと思えば今すぐにでも着れる。
大学の卒業式に袴として着ることもできる。
その時の話はまた今度。
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