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第一次世界大戦前後のルーマニアの領域

ルーマニアは第一次世界大戦の時期に、同盟軍の占領を受けながらも、結果的に戦勝国に名を連ねることとなりました。そのため、戦前・戦中・戦後では領土が大きく変貌しており、このことがルーマニアの郵便史をより魅力あるものにしています。

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*上は1916年10月6日に、ブラショブの町に入るドイツ軍の様子を紹介した絵葉書。

1.ドイツを中心とする同盟国に占領を受けた地域と、2.占領を免れた地域、3.戦中・戦後に新たに獲得した領土の3つに大別するのが一般的です。特に、歴史上最大の領土となった第一次世界大戦後のルーマニアのことを「大ルーマニア」と呼びます。筆者はさらに時間軸を加えてルーマニアを次の7つの区分で消印などを整理しています。

①ルーマニア王国成立時(1881年)の領土
②第二次バルカン戦争で獲得した南ドブロジャ(旧ブルガリア領。現在はブルガリア)
③第一次世界大戦中の同盟国占領下の西部ルーマニア(首都ブカレスト含む)
④第一次世界大戦中の同盟国占領を免れた東部ルーマニア(臨時首都ヤシ)
⑤ベッサラビア(旧ロシア領。概ね現在のモルドバに相当。一部がウクライナに)
⑥ブコヴィナ(旧オーストリア領。現在、北部はウクライナ、南部はルーマニア)
⑦トランシルヴァニア(旧ハンガリー領。現在もルーマニア)

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*こちらは、トランシルヴァニアのブラショヴという都市の1920年の消印です。かつてのハプスブルク帝国だった地域ではよく見られる現象なのですが、第一次世界大戦前はハンガリーだったので、ルーマニアの切手にハンガリーの消印が押されています。

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