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【読書録】たこす 『雑用は上司の隣でやりなさい――あなたの評価を最大限に高める“コスパ最強”仕事術』:
上司も私のお客様。ニーズを掴んでナンボ、のようです。
この本は、仕事のパフォーマンスを最大化し、最小限の労力で最大の評価を得るための指南書です。「自分、仕事のコスパ悪いなぁ」と感じている方や、自己評価と会社の評価にギャップを感じている方など、多くの会社員に向けて、よりスマートに働くための方法を提示しています。
概要
本書では、仕事のコストパフォーマンスの要素を以下のように因数分解して考えます。
1 仕事のパフォーマンスとはあなたの「成果」ではなく、「評価」 である
2 仕事のコストとは労働時間ではなく、「必要経費」と「不必要経費」の総和 である
3 仕事のコスパを追求するうえでは「暗黙のルール」を理解していることが大前提である
つまり、「仕事ができる」と評価されるためには、暗黙のルールを理解し、やらなくてもいいことはせず、そして「頑張っている自分をどう見せるか」という戦略が必要となるのです。つまり、上司から見て自分は「コスパ」がいいか、追求する戦略と言い換えてもいいでしょう。
本書は、この戦略を具体的に解説し、読者が「取れる評価を最低限の労力で最大限引き上げる」ための実践的なノウハウを提供しています。
「お天道様」にも売り込みに行け
本書を読んで、仕事でアピールすべきは自分が関わったことで「どれほどマイナスをプラスにできたか」ということ、そしてその差分の演出も重要であるということに改めて気づかされました。
これまで私は、真面目に仕事に取り組んでいれば、その努力は「お天道様が見ている」ように、いつか必ず報われると思っていました。
しかし、本書はそのような甘い考えを打ち砕きます。どんなに努力を重ねても、それが適切に評価されなければ、正当な報酬や信頼を勝ち得ることはできないという現実を突きつけられたのです。
苦い思い出
過去のクライアントとの関係を振り返ると、彼らの抱える問題を解決する過程で、私が直面した困難や工夫を十分に伝えていなかったのではないかと思います。当時、それらを詳細に伝えることは、失敗した際の言い訳や、相手への甘えになると思っていました。
しかし、本書を読んで考えが変わりました。
クライアントの満足度を高め、信頼関係を構築するためには、成果だけでなくその裏側にある私の努力や工夫を具体的に伝えることが重要だったのです。私は単に要望に応えられなかっただけでなく、アピール不足も契約終了の一因になった可能性に気づきました。
まとめ
この本は、成果主義の落とし穴を明らかにし、真に評価されるための戦略を提示した一冊です。
評価を得るためには、自分の成果を可視化し、周囲にアピールする必要がある。そのための具体的な方法を、本書は丁寧に教えてくれます。
「頑張っているのに評価されない」と悩んでいる人は、本書で紹介されているテクニックを実践することで、状況を打破できるかもしれません。
もはや「お天道様」は見ていてくれません。自分の力で、評価を勝ち取る必要があるのです。