「もうちょい…」が,長過ぎる(泣)
最近,「橘田さんは何やってんの?」と聞かれることが多いです。
そのお話をしましょう。でもその前に,背景を説明します。
僕が行っている事業はメインは「Webマーケティング支援」で,コンサルとデザイン,開発を行っているごくごく普通の会社です。
しかし!4年前にセンパイから声をかけられ・・「人が足りな過ぎて…。何とか警備員の省人化を図れないか」と。
今いちばん時間を使っているのは,本業に加えて「AI(人工知能)を使った交通誘導警備システムと,信号機」を作っています。
警備員は,2020年現在の有効求人倍率は15倍を超えていると言われています。地方でも10倍を超えている地域が半数を超えます。ちなみに,厚生労働省発表の2020年10月の有効求人倍率は1.1 倍ということを見ても,どれだけ警備員不足が深刻かはわかります。
毎日,お客様に怒鳴られ,頭を下げるセンパイを見て,なんとかしたいという思いがフツフツと。。
で,2017年「やろう!」となり,始めた開発。。
もともとAIに知見はあったものの,目まぐるしく状況が変わる「道路」で車両や歩行者の様子を監視しながら,自動で交通制御(主には片側交互通行)をやろうなんて頭のおかしい奴らはこの国にはいません。(2020年12月現在でも,日本でおそらく僕らだけだと思います)
この3年間,何百日も現場で実験し,開発し,実験し・・ということを繰り返して,また自分も警備の現場に参加したり,警備員の国家資格を取得したりして携わってくるうちに「本当にこの業界はなんとかしなくては」という思いが日増しに強くなりました。
不注意や横暴さで起こりうる事故を未然に防いだり,交通弱者や歩行者を必死で守っているのに,警備員は「変なおっさんが旗振っている」と思われ,軽んじられている警備の業界から,「地域を守っているんだ」と自他共に認めてもらえるような業界に,テクノロジーの力でなんとかならないか?と必死で,それこそ死ぬ気でやってます。
上述のとおり,警備員はぜんぜん足りてません。なので,このKB-eyeは「警備員の代わりに交通制御を行う」というシステムなので,本当は警備員を5人配置しなければならない現場で2人で済んだり,3人が1人で済んだり・・・という夢のシステムなはず・・・なのです。
しかし,課題が山積していて,それを1個づつ潰してきました。まるで,ダムの壁を爪楊枝で削りながらピンホールを開けてきた感じです。
で,話を戻し,最近は何をやっているかというと…
現場へいったり,開発したり,法令の交渉したり,新しいAI警備保険を保険会社と話をして保険商品を作ったり,警察官僚と折衝したり,国交省にプレゼンしたり・・・といろいろやっています。
3年前。最初は,システムを作ったら「うまく動かない」。
うまく動くようになったら,建設会社に「道交法に違反している」と言われ
法令に合わせてみたら,「現場で使いにくい」と言われ
現場で使いやすくしたら,「値段が高い」と言われ
技術改良し値段を下げたら,「警察の許可が出ない」と言われ
警察に許可を取りに行ったら,「国交省に準拠だし」と言われ
国交省にいったら,「実績がないからだめだ」と言われ
実績作りのために持ち出しで現場に持ち込み続けて,資金がなくなり
そして,結局のところ利権も大事ということにも気づき,少し大人に。
大手さんとの大ロット商談で期待したら,「やっぱ無理」と言われ
資金はセンパイの会社と僕の会社から補填しているからよかったが,コロナが来てそれもなかなか難しく。。。
という日々がず〜〜〜っと続いています。
とはいえ,センパイの警備会社の社員さんや,当社のスタッフと死にものぐるいで力を合わせてきた,この3年間。展示会に出したり,国土交通省の職員の方々にプレゼンしたり,警察と協議したり・・と。スタッフのみんなと力を合わせ,また,まだ何者でもない僕らを相手にしてくださっている警備会社さんや建設会社さん。スタッフやお客様の存在は,開発を「あきらめずに」推し進めていくための十分すぎる原動力です。そして,何より3年も新規事業やっているのにそれを支えてくれている既存事業で利益を出してくれているスタッフ。そんな多くの仲間や,お客様はじめ応援者がいるということは,数の大小ではなく,いまの僕たちには本当に必要だと感じています。
↑「いつかやったる」ミーティング。
↑展示会も全て手作り自作ブース。
↑筐体の試作も自前。。
そんなこんなで,おそらく警備業を経営している方であれば,特に道路交通警備(警備2号業務)を行っている会社さんであれば当社のシステムKB-eye(ケイビーアイ)をほぼ知っている,という状況まで来ました。ずーーっと手弁当で自前資金で全てやっているので,なかなかシンドいですが。。。
↑映像づくりも自前。。
いつも考えていることは,なんとかこのシステムが流通して,警備員さんの負担が軽減されないか。。そんなことばかりを追いかけてきました。
特にこの3年は,Macでキーボードを叩いている頻度と,現場でヘルメットをかぶっている頻度が同じくらいじゃないかなあと思います。
そして,まだまだ,(技術,実績,法令,利権,行政との折衝,などなど多くの面において)挑戦は続く。。
日本中の工事現場に僕らのシステムが導入されるまで,つまり,(おこがましいですが)警備業に光が差すまで,あとちょっと!!なんですが,それがながーい!
でも,やる。
やっぱり,僕が会社を経営している目的は,一緒に働く仲間の物心両面における幸せを追求していくためなんだと,思います。ここからは,長くなるので,また今度!
だから,明日もがんばろう。ちっとは進んでくれるかな(笑)
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