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キツネのダシコンブ

今日はキツネのダシコンブを作っています。

ハケキツネに毎日お供えするものは、このコンブからダシをとって作っています。

味噌汁だったり、カレーだったり…寒いこの時期はポタージュを作ることが多いです。





今この記事にたまたま迷い込んでしまった一般の方はいらっしゃいますか?
一体なんの話を書いているのか分からないかもしれませんね。
すみません、一般の方向けに説明しますね。


このダシコンブ、別名を毛板といいます。
人間の髪の毛を、漆と米糊で固めてできています。

ハケキツネにお供えしてすっかり出がらしにした毛板は、"漆刷毛(ウルシバケ)"に加工していきます。これは漆塗りの職人さんが使う道具です。(もしかしたら漆塗りの職人さんも、このことは知らないかもしれませんが🤫)

この毛板を裁断し、数枚重ねてヒノキ板で四方を囲い、また糊と漆で接着します。乾いたら表面をきれいに削って、漆刷毛の完成です。

刷毛の上から下まで毛板が通っています



漆刷毛は、一般の方が目にする機会はほとんどないかもしれません。ふつうのお店には売っていませんし。

漆刷毛は漆屋さんで売っています。

そこでは漆刷毛のほか、金箔や夜光貝、玉虫の羽といった装飾品や、いろいろな形の木地、そして漆や顔料が扱われています。

このお店は各地にあります。
もちろん東京にもありますし、漆器の産地にはとくに多いです。便利なネットショップも開設されています。

もちろん漆を使う職人さんだけでなく、誰でも買い物ができます。

興味がなければ気づかないかもしれませんが、あなたのまちにもあるかもしれません。
そして、これらを使ってものづくりをしている職人さんが、あなたの近くにもいるかもしれません。
私も、家の近所が漆の職人さんだらけだったなんて、大学生になるまで知らずにいたんですから。


さて、漆刷毛は一般の方々にとってはあまり馴染みのない道具ですが、間接的な接点はたくさんあります。必ずどこかで漆塗りのものを見たり触れたりしているはずです。

日光東照宮などの漆塗りの建造物、漆塗りの家具や食器。探してみると、あなたの家にも漆のお椀やお箸がきっとあります。

漆のお椀でお味噌汁を飲むときは、キツネのダシコンブのことを思い出してみてください。




さて、どこまでホントでどこまでウソか…



ニヤニヤ



おおっと、明日のダシコンブの仕込みをせねば。

今日はここまで!どろん!


糊と漆を混ぜ合わせた"糊漆"
もっちりしている
糊漆に水を加えてゆるめ…
髪の毛によく馴染ませていく
櫛と棒を使ってまっすぐに整える




ちょっと長いですが、動きが気になる方、ASMRを見たい気分の方はどうぞ↓

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