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トロピカル・マラディに観る「変身」について

アピッチャッポン・ウィーラセタクンの「トロピカル・マラディ」を初めて観たのは、夏の雨の日だった。映画の中でも、雨のシーンがあったりして、シンクロした気がしたのを覚えている。映画の印象では、自然の表現や、動物、(この作品の中では、虎など、)が神秘的に描かれていると感じた。 『山月記』が引用されているが、タイの民間伝承にも触れていて、虚構と現実が入り混じっている。映画のテーマ、モチーフとして描かれているのは、人間から動物への’変身’がどこまでできるか、可能か、というところだろう

    • リバーズ・エッジにみるラストのE.T.観

      年末年始に、久々に「E.T.」を観たとき、ラストに感動した。 別れのとき、男の子の胸あたりを指さし、『ouch(痛い)』とE.T.が指を光らせる印象的なシーン。 このラストを観たとき、同時に思い出したのが、「リバーズ・エッジ」のラストだった。初めて読んだとき、このラストにやはり感動したのだ。 岡崎京子の代表作、「リバーズ・エッジ」(94年)は、ラストにこうある。 『こねこが死んだ時 大声を出して 吐くようにないた あの時は超悲しかったけど きもちが良かった 今は苦

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