トロピカル・マラディに観る「変身」について
アピッチャッポン・ウィーラセタクンの「トロピカル・マラディ」を初めて観たのは、夏の雨の日だった。映画の中でも、雨のシーンがあったりして、シンクロした気がしたのを覚えている。映画の印象では、自然の表現や、動物、(この作品の中では、虎など、)が神秘的に描かれていると感じた。
『山月記』が引用されているが、タイの民間伝承にも触れていて、虚構と現実が入り混じっている。映画のテーマ、モチーフとして描かれているのは、人間から動物への’変身’がどこまでできるか、可能か、というところだろう