今日は、全国大学ラグビーフットボール選手権
「姫、姫、いよいよですね!」
「おう、忘れいでか?」
「どっちかわからない、変な日本語ー!w」
「何がポイントですか?」
「素人ながら、キックじゃろうな!」
「キック???なんか、蹴り合いになると大味なラグビーって思う人が多くないですか?」
「えっとな、それはあるレベル以下の話じゃろうよ。そのな、日本一を決める試合ともなるとどんなに慣れた技術のあるものでも、やはり緊張する。それが、普段ではやらないような決定的に自軍のリズムを壊すミスになりかねない。」
「高度なレベルでせった連中の間では、ほんの少しのズレとか思い違い、すれ違いが、決定的にリズムを壊しますね。」
「そうじゃろ、例えば、こないだの”花園決勝”じゃ!後半開始、2:22あたり、京都成章が、桐蔭学園が勢いに乗って攻めてきたところを、カウンターラックして、ターンオーバーした。」
「あーあのシーン、いろいろな方が、様々、言っていますね。」
「そこで、彼ら、自軍のゴールライン近くでラインにボールを回し始めたな。」
「あれが、しっかり繋がって、ハーフウェイ、か、もしくは、自陣10mラインあたりまででも戻せてれば、その後、全然違った展開になりうるシーンでしたよね。」
「実際は、パスが乱れて、っていうか、少し、バックスラインに意思的な部分で、少し、齟齬があったように見えたじゃろ。」
「結果、相手の真ん前にポーンと落ちたボールを桐蔭のバックスに拾われてそのままトライされました。」
「誰かを責める意図ではないんじゃよ、しかし、これが決勝戦的な緊張とか、気合の空回り的な怖い部分じゃよな。」
「歴史的に何回も優勝してるようなチームでも、高校生は、その年のメンバーはその年っきりですから、初めてなんですよね。」
「後に、JAPANの中心選手になるような人たちでも、キックオフの時、足が震えたっていうからな!」
「そうだと思う。何と言っても、決勝戦ってのは、独特の雰囲気がある。」
「怖いんじゃよね、あの後、京都成章のフィフィティーンのリズムが壊れていくのがわかった。」
「なんか、『アレッなんかおかしいな、違うんだよなー』って思っているうちに、あの後、ポンポンっとトライ取られて、気がつくと、もう、後半も25分すぎてて、あっという間に終わった感じだったよな。」
「ディフェンスからリズム作るチームでしたからね。それが特に、際立ちました。」
「最後の5分、開き直ったようになって、リズムを取り戻し、怒涛のようないつもの成章の攻めが戻って、一本返したけどね。」
「ああいう、流れるような攻撃力もあるんですよね。」
「カウンターラックして、回しながら、決める人に決めるところで回れば、桐蔭のディフェンスでも崩せる力があった。」
「やっぱりリズムが大切なんですね。」
「その取り合いになる。決勝戦ともなると、お互い、ハマったときの力はA級。」
「キーになるプレイは、どっちに転ぶかわからないようなところの5分5分のプレーかもしれないが、それは失敗すると、自らリズムを壊すからな。」
「そこで、我慢比べみたいな時間が続くはずなんですね。」
「そこでは、要所要所での正確で、しっかりと意図のあるキックの精度がそのリズムの取り合いの勝敗を分けることも往往にしてある。」
「ふむ、レベルが高いもの同士での我慢比べの時間帯ではキックが大切!っていうところの意味が少し、わかってきました。」
「もちろん、これ以外にも、いろいろあるけどな。しかし、ラグビーは、もともとからフットボールじゃしな。キックが重要なのは、その根源的な部分からそうじゃよな。」
「拮抗した高レベル同士の戦いでは、5分5分のプレーで賭けに出るのは、もっと、切羽詰まったり、局面が煮詰まったりしてからってことですね。」
「いろんなスポーツで、そうだと思う。スポーツ以外でもそういう部分はある。勝負事なら、全てそうじゃろ?」
「下手ほど、自分から変な動きをして、隙ができますね、確かに。」
「”横綱”は、そういう隙は見逃さない。」
「そういうことじゃな、我慢比べのところで、先に顔を上げてしまうと負け。」
「大学選手権も、さらに高度なレベルでの駆け引きがあって、息を呑むような我慢比べの時間が続く時間帯があると思うぞ。」
「なるほど、その辺りまで楽しめれば、見る方の楽しさのレベルも、グンと上がっていきますね!」
「そうじゃよな。ま、ごちゃごちゃいうたけど、最高レベルの闘いを愉しもう!」
「そうですね。」
「ところで、妾、やっぱ、河瀬くん♡」
「それには、まともにコメントしません。」
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