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非線形偏微分方程式のお話!www

「今日は、非線形偏微分方程式について教えてください!」

「ええけど、非線形偏微分方程式は、妾、専門だからのう。どうしても難しくなるんじゃよな。」

「そこをなんとかするのがプロなんじゃないですか???」

「そう言われても、ずっとやってきたことってのは、自分ではもう当たり前みたいになっていることが多くての!www」

「それを上手く教えてください。」

「さわりだけな。ちょっと待っとれよ。まずは、微分から復習な!」

「微分って昔、習ったけど、難しいですよね。」

「概念としてはそんなに難しいものではないんだけどなー???」

「ん?と言いますと???」

「微分は、例えば、関数のグラフを思い浮かべるとな、そのグラフ上の2点をとって、それらを通る線を引けるじゃろ?で、そのどちらかの点をもう一つの点に近づけて行くと、その直線はだんだん、その点の接戦になるな。その傾きが微分(正確には微分係数)じゃな。」

「それっては、要するに、各点各点でその点からそのグラフがどっち向きに増えたり減ったりしようとしているか、ってことを表す指標みたいなものと思えばいいですか?」

「そうじゃな。一点での動きってのは、概念として難しい部分もあるけど、まあ、そういうことじゃな。」

「概念として難しいって???」

「例えば、ある時点での速度が時速100kmっていっても、その瞬間に100km動くわけでもない。その速さを保って、1時間動けば、100km動くってことじゃな。」

「なるほど、ある程度の時間間隔固定しないと、本来、速さなんて測れませんよね。」

「白バイが後をつけてくるときも、1kmくらいはついてくるよな。そして、その時の平均の速さで、制限速度を超えてると捕まる。」

「オービスなんかはどうなんですか?」

「あれも、結構、短い時間だけど、やぱり時間間隔をとっているな。」

「瞬間の速度って、改めて考えると、なんなんですか?」

「間隔をどんどん小さくしていった時の平均速度の”極限”のことじゃな。」

「”極限”っていうものが難しいです。」

「収束だの発散だのをきちんと定義して議論しないと先へは、本当は、進めないからなぁ・・・」

「でも、とにかく、瞬間の変化率というものはあるんですね???」

「そうそう、滑らかに動く物体を、高精度に連続写真をとって行くと、動く動きの軌跡が見えるじゃろ?あれの連続写真の時間間隔をどんどん0に近づけていったものじゃな、何となくイメージはできるよな!」

「なるほど、一枚一枚は止まって見えても、それが繋がって動いて行くんですよね。それの極限として、無限枚の写真を撮って、無限に並べたらいいのか!?」

「その時、その写真の”厚さ”は無限に小さい(=0)としないと有限の長さのうちに無限に並べられない!」

「なるほど、極限ってのは、ある微小な区間内で無限に薄い連続写真を無限にとったものを作っておいて、その区間の長さを0にしていった時、その点での一枚!ってことか。」

「動いているんじゃけど、その一点では、ある決まった値になる。」

「じゃあ、微分方程式ってなんなんですか?」

「今は、関数のグラフとしての曲線がまずあって、各点各点での平均変化率の極限を考えたじゃろ?逆に、各点各点で”傾き”に当たる大きさを滑らかに変化するように与えたら、どっかの点からその”傾き”に沿って出発した曲線を各点各点で、通る点であらかじめ与えられた”傾き”の大きさをその曲線の傾きとし続けているような曲線がかけるか?というのが微分方程式じゃよ。」

「なんか、簡単な例はないのですか?」

「ん?例えば、

u'(t) = 3u(t)
u(0) = 1

なんての、考えてみるかな?」

「u'(t) = 3u(t) ってのは、各時刻 t ではその瞬間の”傾き”が 3u(t)ってことかな?」

「つまり、今いる自分のサイズ(u(t) のこと)に比例して、増えるということじゃな、その比例係数は 3 じゃ!」

「ん??? t=0 では、サイズは初期値で 1 だったから、そしたら、その瞬間、3の傾きで増えようとする!これはいわゆるネズミ算ですよね!!!ガンガン増えるはすですよね!www 本当にそうなってるかな???」

「簡単に確かめてみよう!はじめは、3の傾きで増えようとしたな。ただし、時刻0から無限小 dt 動くとその分、サイズも u(dt) となるから、無限に小さい瞬間の後、その時刻 dt では、3u(dt) の傾き(それが、u'(dt)に等しいというのが与えられた微分方程式!) で増えようとするよな。一般の時刻 t で同じように考えると良い。時刻 t から、無限小 dt 動くとその分、サイズも u(t+dt) となるから、無限に小さい瞬間の後、その時刻 t+dt では、3u(t+dt) の傾き(それが、u'(t+dt)に等しいというのが与えられた微分方程式!) で増えようとするというわけじゃ!あらかじめ傾きの方を全体にバラバラとばらまいたように与えられたのを適当な初期値から出発して滑らかに繋いでいけるか?というのは、こういう意味じゃよ。」

「なるほど、一瞬一瞬の無限小のズレで滑らかに無限小ずれて行く傾きを無限に、有限の時間幅繋げた曲線が、微分方程式の解ってわけですね!www」

「この無限小ってのを、理論的にきちんと扱って、(少なくとも見た目)有限回の”操作”で論理的にこの解曲線が作れることを保証するのが、解析的な微分方程式論の一番、基本定理というわけじゃな!」

「無限小を、無限回の手続きとして定義すると、それは無限に手数かかるので、論理的に破綻しますよね。無限回なんて、実際にはやってたら無限に時間掛かりますから!どうするんですかね?」

「そこで、抽象的な論理を使う!数学・数理科学では、この100年くらいの間にそこを厳密に扱う手段ができた。それが、大学一年時にならう、ε-δ 論法っていうやつじゃな。」

「そうか、どんどん小さくして行くって考えるから破綻するのであって、まず、任意の小さい数を与えなさい!すると、その小さい数に応じて、十分に小さい幅をとってくれば、考えたい極限の値に十分近いところ(最初与えた十分小さい数の幅)にいるようにできるってするのか!w」

「そうそう、そうすると、手続きを無限回繰り返さなくても良くなる!」

「その代わり、”任意に取る”っていうところとそれに応じて、”何かが存在する”っていう論理を使うんですね。うまいなぁ!」

「その上、わかりやすいじゃろ???」

「ん?わかりやすいかは、人によりそうですけれど、何かアクロバティックな飛躍はないですよね。ものすごく基本的な論理的な記述で無限を押さえ込んでいる感じがします。」

「今は、状態を表す変数が u(t) という風に時刻だけの関数だとしてやったわけじゃけど、実際の状態が、時刻だけでなく、空間的な位置(x とする)
にも依るような(従属)変数 u(t,x) として扱いたい問題も出てくるじゃろ。こん時は、時間だけでなく、空間にも同様の変化を考えて方程式を立てると偏微分方程式が出てくる。」

「例えば、(下付きの添え字で各変数の偏微分を表すことにすると、)

△u はuのラプラシアンという。

など、いろいろな方程式がある。特に、 u^2 (uの2乗)とか、u u_x (uとuのx微分との積)のように、一次以外の項を非線形項という。そして、非線形項をその方程式に含むようなものを非線形偏微分方程式というぞ。」

「なんか他にも、いろいろ教わってない記号が出てきてますけど・・・・・・!?」

「ま、ええじゃろ!だんだん勉強していってくれれば良い。今日は、微分方程式を通じて、無限と極限の考えの基本を述べたぞ!」

「ん???なんか、騙されたような感じだなぁ・・・・・。久しぶりにウザい姫だった。」

「ん?????なんかいうたか?おい!」

「いえ、何も!姫は今日もお美しい!と。」

「寝言は寝てる時だけ言えよ!」

「グー!(。-_-。)」

「本当に寝るなよ!」

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