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青春と黄昏どき
買い物の通り道に色様々なアジサイが、たくさん咲いている場所があります。
濃い紫が多い日を経て いまは青や水色が咲き、少しづつ、花の数が少なくなっている様子から、
本格的な梅雨の気配を感じています。
ほぼ毎回、欠かさず読んでいる連載記事が有ります。
劇作家で演出家の鴻上尚史さんがAERA dot.で連載中の人生相談の記事です。
ご存知の方も多いと思いますが、『鴻上尚史のほがらか人生相談』という紙の書籍にもなっています。
様々なご相談が寄せられる中、鴻上尚史さんの素晴らしいお答えに 学びや気づきがとても多く、幾度となく繰り返し読んでいます。
そのなかでも2019年1月15日の記事は、とくに心に響きました。俳優志望の息子さんに悩むお父さんからのご相談に 素晴らしい言葉を贈っていらっしゃいます。
自分とは全く違うお悩みでしたが、その記事を読んで思い当たる事がありました。
やってみたいことや、自分から手掛けたいと思ったことは幾年月を経ても驚くほど変わらず、無くなるどころか強くなるという感覚。
若い日に選択しなかった 美容師の道に対する、心の奥にしまい続けた思いがそれに当てはまりました。
先に申し上げると、今の自分のような着付の仕事において、美容師免許は必須ではありません。
約20年仕事をしてきて、ご依頼を受ける際に必要だったことは一度もありませんでした。
細かい事情は割愛致しますが、
それにもかかわらず、高校卒業の頃から長年迷い続けた結果、40歳から美容学校へ通い43のときに免許を取得しました。
その経験から、人生における青春とは いつなのかと考えると、
行動と矛盾しますがやはり、10代の後半から20代がその時だと思います。
自分の生き方として、
その時々で真剣に考えてきたので 後悔はありませんが、
選択や決断の後の『時間の長さ』思うと、言葉の通り人生の前半を指しているのでは無いかと思ったからです。
コロナ禍が未だ続く中、安全が最優先なことはもちろんですが、
経験したい事や心からやりたい事があれば、とくに若い世代の方は 青春を過ごしている今、行きたい方向へ歩みを進める事が望ましいと考えます。
現在 充実しながらも、黄昏どきを生きる自分は、
どんな時でも時間は同じく流れ続けて、変わらずに不可逆なものだと、
日々折に触れて感じています。
世の中は変化し、従来のスタイルではできない事が多くなりました。
そのため 何かをはじめる時、方法についてはよく考える必要があり、
選択や決断によっては、孤独と引き替えになる場合もあるかも知れません。
過去の痛みを思い出し、
恐れに怯む事もありますが、
人生の残りの時間に向かって心のままに進むことで、
新しい世界が見えてくると
今この時も 信じています。