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【コンビニのない町に移住した女子大生】#5 1127 東京に帰りたくなる瞬間


11月鬱と西和賀的解決策

風邪を引いて寝込んでいた。ついでに11月鬱の瞬間もあった。
イベントに応募がないとか、あんまり時間かけなかったショート動画が伸びたとか、イベントが立て込んだとか、そういうのが原因の甘っちょろい話ではある。東京にいたら「何にもやりたくね〜」だったのが、西和賀にいると「東京帰りて〜」ってなるってだけのお話。

以下、西和賀的解決策一覧
「え!さるなしも大根の麹漬けもくださるんですか?!」
「ほっとゆだで知り合いに会えた〜」
「ダウンジャケットのお下がりもらっていいんですか?!」
「参加者の『楽しかった!』が聞けた!」
「やっぱ西和賀産のハムもベーグルも岩手県産チーズも美味しすぎる……」
「会う人会う人が心配して何かしらくれる、、、袋いっぱいくれる、、、」

このまちは、なくならないと自信を持って言えるか

岩手県で1番最初に消滅すると言われているまち、それが西和賀。高齢化率は52.9%、堂々の岩手県トップを飾る。同時に子どもの数も年々減少している。
まあ、フツーに数字だけを見て50年後を考えると今立っている場所は草っ原から森林への進化真っ只中だろう。
地域おこし協力隊の方が「この町はなくならないよ、」と寸分の疑いもなく言っていた。その言い方の力強さには価値があると思った。

80を超えて週2回のゲートボール会に足繁く通い、90を超えてもまだ歩いて本を借りに来る。100歳の人がひ孫4人に囲まれて笑顔で広報誌に載っている。意味がわからない。単に括るのは好みでないけど、間違いなく戦争前後世代は生命力が違う上、西和賀の皆さんは農作業と雪かきで鍛えた屈強な足腰を持っているため、みんなマイナス10歳くらいに見える。すごい。

外から来ても邪険にされない。山の音楽隊、湯田小・沢内小の読み聞かせボランティアに飛び入り参加させてくれる懐の広さ。そして沢内まで車で送迎してくれる優しさには逆に心配になってしまう。喉風邪を引いていたら皆さんから大量の差し入れをいただける。鉱山で栄えた街だけあって、受け入れ体制の盤石さを感じる。

地球温暖化が、人口減少が進んでいるのだということ

デカい問題として語られる字面たち。確かに夏は暑いし、数字で見れば減ってるか〜でもディズニーとか引くほどカップルいるしな〜とか思っていた問題たちが現実であったことを実感している。今。

紅葉が始まる時期が遅い。朝晩きちんと冷え込まないから、もみじが真っ赤にならない。雪の降る時期が遅い。雪の降る量が格段に減った。
小学校の全校人数が10年ほどで半分以下に減った。保育園の同級生が4人。

ここでの問題は、数十年後の日本で起こる問題なのだろうと思う。
人口減少による足りない労働力をどう調達してくるのか、その対応と予算はどうするのか、集落をどう看取るのか、人をどこに集めるのか、気候変動によってどんな問題が起こるのか、その問題にどう対応するのか。
それを考える機会を、数十年先に私は体験できている。残りの1ヶ月で嫌になるくらい考えなければならない。

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