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【コンビニのない町に移住した女子大生】#6 1209 雪が降っては消えていく日常 


「残らない」という美しさ

北上E&Beエフエムさんに呼んでいただいて西和賀とか活動について少しお話をしてきた!
東京のじいばあに「アーカイブ残るよ〜」と大嘘をついてしまった、すかだねな。
北上線に揺られながら、うっすらと喪失感に浸っていたのだけど、めっちゃ楽しかった1時間が残らないことの価値はある、とも思った。
自分のものでしかない記憶は2度と塗り替えられることがないから、ずっと楽しかった1時間を抱えて行くことができる。

綺麗な景色を写真に撮る、見たい番組を録画する、本番の合奏を録音する。

初対面のあの子と20km歩いて見つけた多摩湖の美しさに、コンクール前日にみんなで指差した虹に、初めて聴いた歌声の透明さに、叶う媒体なんて存在しないんだからさ。

本気になって何かをやる大人たちがいること

「自転車で段差を登る時、車輪が真っ直ぐでないと転んでしまうでしょう」というのを台詞として思いついて、頭の奥底に沈んだまま3年くらい経った。

湯田小・沢内小の読み聞かせボランティアに参加させていただいた!両校とも11月には読書まつりという30分ほどの読書イベントが開催される。幸運なことにその舞台裏をすごく近いところで見ることができた。30分の出番で何を伝えたいか、今はどんな本が人気なのか、学校の学習内容はどこなのか、西和賀や岩手にゆかりのある内容をどう取り入れていくのか、視覚的にどうアプローチするのか。
限られた時間と条件の中で30分をより良いものにしようと、真剣に議論する姿があった。
たかが30分だろ、と斜めに構えて子ども騙しの内容をするのではなく、真っ直ぐにひとつの作品として完成度を上げようとする姿があった。

ちょっと泣きそうになってしまった。
最近の生活で、大人の本気を見ることのできるわかりやすい機会がなかったから、大人が本気でやってくれることに、それを見る機会が子どもたちに開かれていることに、ちょっと嫉妬したのかもしれない。


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