見出し画像

2024/8 中欧旅行記 ep7:旅行のお供、紙パンティ


前回のあらすじ

満身創痍で3万歩を踏破

バックナンバー


本編

●セーチェニ温泉へ

旅行記7話にして、ようやく旅行2日目。よくもまあ1日目だけで6回も書いたもんだ。

前日3万歩も歩いたし、久々に横になれたのでぐっすりと寝た。ただ、肩が痛い。寝方が悪かったのか。

朝はホテルの食堂でブッフェ。そんなに多くないが、野菜に果物、主菜系、パンなど必要なものはある。特にハム類はさすが欧州、充実しとった。茄子のにんにくクリーム煮と、球体型のココナッツケーキがうまかった。あと広島の「がんす」みたいなやつもあった。

左奥の球体がうまかった
パンも豊富

さて、この日の第一目的地はセーチェニ温泉。どうもハンガリーっつーのは温泉大国らしく、いくつか温浴施設がある。中でもこのセーチェニ温泉は前日に行った英雄広場の辺りにあり、結構デカい。

外観。これじゃ何だかわからんな

まあデカい分、入場料もそこそこなのだが、とにかく疲れた体を癒す所存。ロッカー付きのプランにしたけど、みんなプールサイドみたいな場所に荷物を置いているので、いらなかったかもしれん。

セーチェニ温泉は屋内と屋外にそれぞれ温泉がある。なんか屋内のは暗いしじめじめしてるし、昔のじいさんばあさんちのタイル張りの風呂をそのまま拡大したようなニュアンスで不衛生な感じがしたのでさっさと通り抜けて外へ。

それにしても不思議なもので、人んちの風呂ってのはいかにきれいでもなんか、結局嫌な気がするのは筆者だけか。実家と自宅以外、全く気を抜いて完遂できる風呂場ってのはない気がする。とはいえ、別に拙宅の浴室がピカピカで無垢だというつもりはない。要は気分の問題なんだろう。

●前日の激しい疲れを、のんびり癒す

外は晴れていい感じ。とにかく日差しそのものとともに、水面からの反射がまぶしい。サングラス持ってくるんだった。日本の温泉・銭湯っつたら、しわくちゃの爺さんが金玉を垂らしてるくらいだが、ここはいろんな人種がいるのが珍しい。水着着用なので性別も問わない。

とにかく少しでも疲れを取るために、泳ぐなどの狼藉は働かない。座ったり直立したりで、全体的にそれっぽい部分をもみほぐす。泳ぐスペースを除き、温浴部分は2つに分かれており、片方はややあたたかめ、片方はややぬるめ。

あらかたあったまったので、ビーチチェアっつーんだろうか、それに横たわって身体と水着を乾かす。そうそう、こういうのでいい。1日3万歩なんてお遍路じゃねえんだからしたくない。せっかくの海外なんだからさ、のんびりしたいよね。

なお結論からいうと、果たしてこの日も太陽さんさん、灼熱の下で3万歩のデスロードとなった。

●旅行のお供・紙パンティ

昨日の反省を生かし、水を確保するとともにジュースを買いながらホテルに戻る。そして、この旅行を迎える前から非常にネックであった儀式を執り行う。

紙パンティの着用である。記憶の残る限り、布製のパンティしか穿いた覚えはない。物心つく前、乳幼児期のおむつ以来、およそ30年弱ぶりの紙製パンティである。

なお、紙だけでなくブリーフという点でも久方ぶり。いつの間にかトランクスやボクサーパンティを穿くようになったが、そもそもあれは時代的なものなのか、単に子どもだからブリーフだったのか。時代的なものならまだわかるが、後者ならなぜ子どもにブリーフを穿かせるのか。子ども=ブリーフというのはちょっとわからない。原理でいえば糞尿が漏れ出るすき間の少ない、ボクサー型の方が適していやしないか。

銭湯にそういかんし、子どものパンティなんか凝視しないのでわからんが、今も子どもってブリーフ穿いてるんだろうか。少なくとも自分のパンティを買う際に、ブリーフパンティが売っていること自体あまりないような気がする。でもそれはなぜか。何となくブリーフがダサいからである。

●なぜ、ブリーフはダサいのか

ではなぜ、ブリーフはダサいのか。完全なる偏見だが、ブリーフってだいたい真っ白じゃないか。おぼろげな記憶ながら、自分が穿いていたブリーフも基本白で、言い訳程度にポケモンのイラストが1個、たぶん膀胱の辺りにあった。それもどうかと思う。それっぽい文様を全体にあしらうとか、あるだろう。フシギダネ1匹だけドカンと真ん中にあしらわれても困る。

とはいえ、洒脱なブリーフというのも、なんか嫌だな。ブリーフは白であってほしい。市松とか唐草とか青海波とかのブリーフは、何かどっちつかずだ。というか股間を強調した上で、太ももの付け根までむき出しにしておいて、デザインも糞もないだろう。ブリーフを穿くくらいの意気込みなら、真っ新な白、それ一つで勝負してほしい。

要は筆者の場合でいえばブリーフは白以外ありえず、それがダサい。一方でもし白以外であろうもんなら、そんなナンパなものを穿く価値はない、という一種の詰み状態にある。

●「トランクス、猿股、褌を駆逐した」

とまあブリーフの文句ばかりいうのもフェアではない。ちょっとあらためて調べてみる。すると、どうも男性パンティ事情はブリーフ→トランクス→ボクサーという歴史と思っていたがトランクス→ブリーフ→トランクス→ボクサーという変遷をたどったらしい。

Wikipediaによると、日本では1950年代にブリーフが襲来。何でも「流行に敏感な青年層」を中心に浸透したらしい。不思議なもんだ。それによって「トランクス、猿股、褌を駆逐した」とある。およそ死ぬまでに、もう二度と見ることのない文章である。

その後、1980年代にトランクスが勢いを付けていったとのこと。何でもブリーフのデザインがより過激化、前開きもないようなスーパービキニまで行き着いたという。なぜ過激化する必要があるのか。さらに、かわいそうなことに、1981年に起きた殺人事件の犯人が猿ぐつわにブリーフ、さらにハイソックスという意味不明な姿で手錠をかけられ連行される姿が新聞に載ったことが、ブリーフ人気に終止符を打ったという。何から何までよくわからない。

しかし、まだブリーフの灯は消えていない。一次ソースを確認できないが、グンゼが2022年に調査したところによると、ブリーフの着用率は14%。意外と多い。さらに一部自治体の小中学校では「トランクスでは陰部が見える」といった理由でブリーフを推奨していたらしい。一体その地域には、どんだけ金玉のでかい小中学生が多かったのか。

もうブリーフのことしか書く気になれず旅行記が二進も三進もいかないのでいったん今回はここまで。次回はなぜ、紙でブリーフのパンティを穿かにゃならんことになったのか、その背景から始める。




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?