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2024/5 東北旅行記 ep9:八食センターで貫録の無食 不敬な小僧に驚く(八戸)

前回のあらすじ

ep8と8.5、どっちのあらすじを書けば良いのでしょうか?

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本編

●止まらぬ、負けおしみ

友人Mの墓参りという、本旅行におけるメーンイベントのひとつを済ませ、八食センターに向かう。すぐに着いたがゴールデンウィーク中の土曜日、昼時、快晴。アホほど混んでいる。車を止めるのもままならない。駐車場をぐるっと一周して、一回道路に出て、もう一度戻ってきてやっと止められた。

この写真だとあまり混んでいるように見えない……

当然に内部も混雑している。目当てだった七厘村は、3時間待ちとか。そんな時間、この生き馬の目を抜くような現代に待ってられない。なんてったってVUCA時代である。だいたい炭火で焼くくらい、キャンプに行けば好きなだけできる。市場で売ってる魚だって観光地価格でぼったくりだろう? 負け惜しみは尽きない。

煙で目が痛くなるのに、よく食うよね。

七厘村がダメならばと、かつてこの地を訪れたときに食した市場内の回転寿司へ。無論、ここも混んでいる。とりあえず受け付けに名前と電話番号を書くが、たぶん相応に待たされそう。

もういいよ。だいたいこんな回転寿司、観光客しか来ないだろう。それにあぐらをかいて暴利をむさぼり、握りも適当に違いない。ネタだってぺらぺらに薄くてとにかくシャリは熱くてデカい素人寿司だろ、どうせ。ていうか玉子とかんぴょう巻き、ネギトロ軍艦とハンバーグ軍艦、かっぱ巻きしかないんじゃないか? こんだけ人がいるし、あとはもう売り切れだろう。

負け惜しみってのは本当にいくらでも出るものだ。そもそも舌の肥えた八戸民はこのような観光感むき出しのロケーションに来ないだろう。せっかくなら地元の人が舌鼓を打つような場所で食うよ、俺は。それが観光の醍醐味ってもんだ。何が八食センターだ、こちとら零食レフトじゃおんどりゃ。いてこますど。なお、零食レフトの「レフト」とは、八食センターの「センター」に対してレフトというダジャレと、「去る」などを意味するleaveの過去・過去分詞がかかっている。

ざっと調べて良さげな近所の「函太郎」という回転寿司へ向かった。電話したところ、待ち時間もなしで入れるらしい。車で向かう道中、件の八食センター内回転寿司から呼び出しの電話があった。要するに、黙って待ってた方が早く寿司にありつけた。急がば回れとはよくいったもんだ。

●寿司を食らい、質問し、自尊心を保持する

さて函太郎に着くと無事に即入店、着席できた。食うぞ~。

きたか(らには)ぜ(ったいに)こ(れでもかというほどに寿司を食いまくる)ぞう、函太郎

アブラボウズ、しめさば、本マグロ、海峡サーモン、アジ、軍艦などをいただいた。出色はしめさば、自家製らしい。ネタが大切りで浅締めの味は抜群だった。いくらでも食えるのだが、時刻はもうおやつどきくらい。夕方に目当ての居酒屋を予約しているので、軽めに済ます。

アブラボウズ。食べ過ぎるとやばいやつ
まぐろ&しめさば
軍艦

ようやく寿司にありつけて満足したところで、お次は「民芸菓子処しんぼり」の工場へ。「チョコQ助」とかいう、チョココーティングした南部せんべいがかなり人気で品薄状態になっており、商品補充の時間を狙って工場に行けば、自販機で買えるらしい。確かにその辺のスーパーも八食センターにも売ってなかった。

15時の補充時間に合わせていったところ、すでに数十人の行列。しかも自販機内ストックの残量がわからないもんだから、自分らの番が来るまで買えるか分からずやきもきしたが、無事に買えた。並んでいる途中、地元の人と話して「八戸に住んでいる人は寿司を食べるとき、どこに行くんですか?(=まさか八食センターでは食わないですよね?)」と、自分の選択が間違っていなかったと再確認し、自尊心を保つための質問もした。

なお、旅行から帰って食したが、私の感想としては「別にそんな何十分も並ぶほどではない」と思った。まずくはないけど。

なんだかんだいろいろ買った

●便利膀胱の不敬小僧

この日の宿は、仙台以来3日ぶりにダイワロイネットホテル。チェックインを済ませて、辺りを散策する。まずは本八戸駅方面へ少々歩いた。

八戸市美術館

ここで驚きの小便小僧に出会う。ただの小便小僧なら、ちょろちょろ放尿しているだけだから驚くことはない。こいつの何がすごいかって、明治天皇が宿泊した場所に立つ記念碑の前で立ちションしているところだ。あまりにも不敬ではないか。全く良い時代になったものだ。

極めて不敬

しかも、こいつは一度この場所から撤去されていたにもかかわらず懲りずに戻ってきており、戻ってきた際はボタンを押すと放尿する便利膀胱システムへとアップデートが施されたらしい。一回撤去したのなら他の場所に移転する選択肢はなかったのだろうか。まあ、放尿する向きが逆じゃないだけマシか。明治大帝の威光をこれでもかと地に堕とし、民主主義を守り抜かんとする八戸の姿勢に脱帽である。

ここに城があった
三八城公園にて

あとは、友人が「いつも店員同士がけんかしている」という情報をくれた中華料理店も発見。Googleの口コミを見ると、確かに店員同士のいさかいが激しかったり、天井からGが落ちてきたり大変なようだ。

でも味はうまいらしい

有名らしいフルーツパーラーもあったので、ちょっと物見。やけにうまそうなフルーツゼリーを見つけたので買ったのは良いが、後になってここのパーラー製ではなく、別のメーカーのものを置いていただけということが発覚した。何か今日ツイてないな。

再び中心街に戻り、いくつもある横丁を練り歩く。7年前に泊まったホテルは、別のホテルに変わってしまっていたが、それでも懐かしい。謎のマスコットや、「コンサートホール」という名前のパチ屋があるなどいろいろ歩いているとツッコミがいがある。

一番栄えていたのは「みろく横丁」。最近リニューアルしたらしい
可愛らしい外見と裏腹に「よっぱらいおやじ」という名前らしい
閑散とした路地に提灯が煌々と灯る
女性なのか男性なのか、そんなことはどうでもいい
雰囲気充分
パチンコ店「コンサートホール」

●久々の訪問「たべたろう」

さて、本日の最終目的地は居酒屋「たべたろう」。かつて友人に連れてきてもらった店である。

席に着いて突き出しの鶏ユッケと、確かニシンか何かの揚げびたし的なもの。これがうまい。予約時に「待たせちゃいそうだから先にいくつか注文したいもの言っといて」といわれ、伝えておいた刺し身盛り合わせと独自のフライドチキン「タベタッキー」がなかなか来ない。まあいい、のんびり待ちましょう。

ピンボケ御免

しばらく待って、まず到着したのがタベタッキー。文句なしにうまい。単体で食うのもいいし、添えられているマジックソルト的な塩をちょいとつけるのも良い。

ドカンと刺し盛りも登場。クジラから時計回りにアブラメ、スズキ、カレイにアジ。最初に「アジを一切れとってください」といわれ、なんだなんだと箸でつまむと、付属の、葱を散らした塩にちょんとつけて食べてください、と指南してくれた。うまい。クジラは全く臭みがなく赤身の旨みがじんわりと。白身は弾力あり味も濃く、文句なし。

さて、次は何を頼もう。店員さんを呼んで注文しようとしたら、大将にさえぎられて曰く「ちょっと待って」とのこと。どうもこの大将、自らメニューをとりたいらしい。しばらくして、メニューのおすすめを教えつつも注文をとってくれた。あいにく、大将のおすすめから1品も頼まなかったので、注文を取るときは少々ふてくされていたように見えた。

残り注文したのは、特製カニクリームコロッケ、かにみそ、アジ刺しのおかわりに焼き鳥数本、せんべい汁。これを田酒と裏男山と合わせて味わっていく。せんべい汁はせんべいがもちもちで、出汁の効いたつゆも最高にウマかった。B級フードでしょとなめていたのを反省する。

アジをおかわり。右下のネギ塩がミソ

お会計をお願いすると、最後にあら汁のサービス。これが染みる。退店時は大将自らお見送りしてくれて、名刺までいただく。忙しいのにどんだけサービスしてくれるのか。

あら汁で〆る

通常であればこの後ハシゴするのだが、あまりにも満足感が高いのでそのまま帰宅、友人との懐かしい思い出も反芻しつつ、気絶寝した。

今回はここまで。次回は八戸の朝市や、むつへ。

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