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2024/8 中欧旅行記 ep8:神の左手疑惑の右手
前回のあらすじ
かわいそうなブリーフ
バックナンバー
本編
●なぜ、私は紙パンティを穿くのか
前回はブリーフに全てを持っていかれた。あんなものは旅行記ではない。今回はブリーフの引力にやられる前に、なぜ、こんなことになったのか。要は、紙・ブリーフパンティを穿く羽目になったのか。この点を足早に済ませて、まっとうな旅行記を書きたい。
単刀直入に今回の旅行が長丁場であり、かつ機内預けをせずに持ち込み荷物だけで済ますための強硬策の結果である。そのため、この日から都合7日間、筆者は100均で仕入れた3枚100円の紙パンティで過ごす苦難の日々を歩むことになる。
というかパンティって別にぐしゃぐしゃになっていいしペラ生地なのだから、わざわざそんなことする必要なかったんじゃないか。まあいいや。最後に一点。この日、紙パンティを穿いた際、妙に小さい、腰まで上がらんと思いながら無理やり穿いたのだが、おそらく穿き方を間違えていた。
本来パンティには胴体を通す中央ホール、さらに両脚を通すサブホール×2がある。原則に忠実あれば中央ホールとサブホールの口径比は2:1くらいであるべきが、この紙パンティはコストカットのたまものか、布地、いや紙地を削っており、その結果、中央・サブ比が1.25:1くらいになっている。要は穴の違いが分かりにくい。その結果、たぶんサブホールを胴体に通していた。やけにお尻がむき出しだなあと思ったのは、これが原因なのだろう。翌日に気付いたので、幸いにして辱めを受けるのは1日で済んだ。
●パン・肉・コメは固いほどうまい
さて、数十年ぶりのブリーフ回帰を果たしたのち、街へ繰り出す。地下鉄に乗り、ベーカリーへ。「Artizan」っつー店。テラス満席、入り口も行列とそこそこにぎわっている。
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ま、軽食的な感じで。甘いもんを食べる気もしないので、タコミートとチーズとベーコンのサンドみたいなやつ。妻はピスタチオみたいななんかとベリーの何か。甘いのとかパン好きってのはよくもまあこんなに甘いものを食えるもんだ。筆者は絶対に塩→甘ときたら→塩と締めないと気が済まない。そのため弁当のみかんとかは先に食うし、ブッフェに行っても甘いものを食った後に普通に寿司とか行く。
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会計のとき、カードの通貨選択で分かったのか、ツラ見て分かったのか、日本人だと確信があったのだろう「ありがとう」といわれた。こういうとき、どんな顔をすればいいのか分からないの。まさか笑えば良いという話でもあるまい。そんなのなかやまきんに君のコントじゃないか。というか「なかやまきんに君」ってなんで苗字だけはそのままなんだ。「マチョビルドきんに君」とかの方が良いのではないか。まあ、プロが決めたことなのだから結局苗字は出すというのが正解なのだろう。
肝心のサンドは当然うまい。とにかくパンが固くてよろしい。パンと米と肉は固ければ固いほど美味い。ベビーリーフだかルッコラの風味もきいている。顎が疲れた。
●疑惑の右手、イシュトバーン大聖堂
お次はイシュトバーン大聖堂。なぜかチケット売り場が聖堂敷地になく、道一本隔てた向こうにある。大聖堂っつーだけあってまあでかい。国会議事堂に並び、ブダペストで最も高い建造物らしい。1851年着工で完成まで54年もかかったらしい。
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中には、名前の由来であるハンガリー王国初代国王・イシュトバーン1世の右手ミイラなる物体がある。正直、本物か疑わしい。遠くから見たら手なのかすらよくわからん。と思って近寄ったら結構ちゃんと右手だった。
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●絶品グヤーシュを堪能
聖堂前の広場では、テレビのレポーターみたいな人がしゃべっていた。土産店を見たりして、また休憩も兼ねて店へチェックイン。「GERBEAUD(ジェルボー)」というカフェレストラン。さっきパンも食ったし、別に飲み物だけで良いと思っていたが、メニューを見ていると食欲がむくむく湧き上がるのが人情ってもんだ。レッドスムージーとグヤーシュを注文。
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ここのグヤーシュが、本旅行でいくつも食ったグヤーシュの中で最もうまかった。まず、肉がたっぷりゴロゴロと入っている。そして、適度よりちょっと足の出る塩味。その角をうまく丸める、根菜と牛肉のダシ。これはいくらでも食える。
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レッドスムージーは粒感がすさまじい。貧乏性を発揮して、少しでも多く味わおうと粒を嚙み潰していると、日が暮れる。途中まで頑張ったが、最後は疲れてごくごくと飲んだ。大量のビタミンを摂取できてうまい。
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振り返って、どんだけ栄養補給しているのか。しかしこれでも、筆者比でかなり我慢している。その気になれば、ジェルボーでもう2品くらい食えた。
なお、前日3万歩で疲れ果てたので、まず温泉で体力を回復。そして栄養を着々と蓄えたのだが、結局この2日目もここからデスマーチとなる。今回はここまで、次回はその辺について。