2024/8 中欧旅行記 ep10:異国の地で寿司を食らう
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2日連続の灼熱散歩
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本編
●寿司が来てつかのまメニューざっと見し1000円払うほどの握りはありや
ナイトクルーズまでの時間潰しに、昼間みつけた日本料理店へチェックイン。まだ明るいが、日も落ちてきたのでテラス席をチョイスした。
なになに、卓上の醤油はヤマサ。キッコーマンじゃないのね。ビールも確か一番搾りかなんかがあった。まあそんなもの飲んでも仕方ないので、別のものを。そんなこというならハンガリーで寿司食ったってしょうがないだろうという話だが。選んだのはドレハーってイタリアビール。何でハンガリーでイタリアなんだよという話だが。
うーん、寿司を食いたいと勢い込んで来たはいいものの、腹はそんなに減っとらん。とはいえ気になるので寿司くらいは注文しとこう。2500フォリント、まあ1000円ちょいのサーモン握りを注文して、待つ。
あー、疲れた。2日連続3万歩はこたえる。ナイトクルーズなんて寝ちまうんじゃないか。とか考えて黄昏れていたら、やっと来た。おい、2貫だけかよ! そういや、見て見ぬふりをしていたがメニューに「2pcs」とか書いてた気がする。まごうことなく、筆者の落ち度である。
それにしても、結構待ったので、てっきりもうちょっとあるのかと思ったよ。そんなに混んでないのに、2貫ぽっきり握るだけでずいぶん時間がかかったものだ。まあ、確かに職人が寿司を握るのは見るも楽しくまさにあれを「職人技」というんだろうが、それにしても素人技でもこんなにかからないだろう。まさか握りじゃなくて、やけに芸術的なわさびに時間をかけたわけではあるまいな。
だいたい卓上に醤油があって、さらにマヨネーズと謎のたれも添えられて、これを2貫でどうバランシングせよというのか。せめて3貫はほしかった。もちろん醤油で2貫ともいただいた。
待つのは長くとも、食べるのはほんの一瞬。味自体はまあ、普通の寿司。うまいけど、これで1000円か。くら寿司とかスシローの企業努力には頭が下がる。
これで帰るのも難儀なので、みそ汁も頼む。こちらも1000円ほど。どでかい器に細かいさいの目切りにした木綿、ネギ、さらにたっぶりのわかめ。意外とイケる口だが、かなりしょっからい。出汁感はほとんどないが、やはり味噌は染みる。
総合して相応に高いものの、トンチキ魔改造日本食ではなくそれなりに原点に忠実な点で、結構いい店なんじゃなかろうか。立地も良いしトイレもキレイだった。
●ナイトクルーズの罠
頃合いになったのでクルーズの出発口へ。道中、エルジェーベト広場の観覧車がかなりなスピードで営業していた。俺じゃなきゃ見逃しちゃうし、虎だったらバターになっちゃうね。
ドナウ川のクルーズってのは結構いろんな会社が船を出しているようで、いくつも行列がある。筆者たちが乗るのは「LEGENDA」ってとこのワンドリンク付きのやつ。結構日本人が多い。
それにしても、行列が進まない。スタート時刻になってもうんともすんともいわない。まずもって前の便の客がまだぞろぞろ下りてきている段階。5分ほどオーバーして、ようやく乗り込みだした。
早めに着いたものの、既に並んでいる人が結構いたので、2階の屋外席は満員っぽい。窓ガラスのある、1階の席に着席。ウェルカムドリンクは、こちらから取りに行く必要がなく、注文を取って持ってきてくれるのは良い。
オーディオガイドありだが、こういうのの日本語ってなんか不気味というか、人間味がないのは何なのか。機械音声みたいというか。そのくせ、息継ぎの音がでかかったり、妙にたどたどしかったりする。
ナイトクルーズなので、当然基本的に景色が暗い。それがアダとなって、今ガイドが説明しているのがどの建造物なのか分からんこともしばしば。筆者の持っているエントリーモデルのカメラだと、暗い場合はかなりブレてしまうので撮影もできないし、手持ち無沙汰。
あと、正直もうちょっとでホテルへ帰れると思うと、ホテルシックの思いがどんどん増長してあんまり聞く気になれない。いつなんどきも、いち早く家や宿に帰ってのんびりしたいと思うのは筆者の悪い癖である。
まあそれでもライトアップされた街並みをだらだらと眺めるのは退屈しない。前の席に座ったおばさん軍団がバシャバシャとフラッシュを焚いて自撮りしまくるのには面食らったけど。
ハンガリーゆかりの偉人たちの紹介なども聞きながら、1時間くらいだろうか、のんびりとした航海ならぬ航川を終えて帰着。これ以上ない速さで地下鉄駅に吸い込まれ、そそくさと帰った。
これにて今回の旅行、第一部のファントム・ブダペスト編はひとまず終幕。翌日からスロバキア・ブラチスラバ、オーストラリア・ウィーンを訪問し、再び最終盤でここへまた帰ってくる。それまでひとまず、さらばハンガリー。
というわけで、次回はスロバキア・ブラチスラバへ。
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