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ブランコはタイムトラベル

へっへっへー
ブランコ乗っちゃった~

普段あまり行かないお寺さんの敷地内にある小さな遊び場スペースのブランコ。

なぜだかその時お子さまたちも誰もいない。
お寺の境内日陰でサラリーマン風のお兄ちゃんがお弁当食べてるだけ。

もちろんそれ乗る目的で行ったわけじゃーなく、お散歩で通ったら緑がキレイで嬉しくなってしばらく見てて。
そろそろ失礼しようかなとしたらフと目に入って。何回か来てるけどそんな気なったことないのにね。

周りキョロキョロ。
・・・。お子さま、いないよね?
乗りたい人、待ってないよね?


・・・。
ふっふっふ~
乗っちゃえーっ!!

ブランコ乗るなんて、どれくらいぶりだろ?
まったく記憶にないくらい前だぞ。
乗れるのか?
スッテンコロリンとかしないのか?

ちょい小さめに漕いで。
おっ、いけるな、これは。

トーンと蹴って勢いつけて
ブランコが 私が 動き出す

近くのチューリップは呆れながら

わっはっはー!
なんだこれ~ 楽しいぞぉ~

ブランコって
こんなに楽しかったっけ?

こりゃーお子さま
乗りたがるわけだわ

一緒にゆ~らゆら

前にブンッと飛び出して

わたしと空が
ちょっとだけ近くなる

建物が少しだけ低くなって
あの大きな樹のてっぺんに
ちょっとだけ近づける


後ろにぐぅーんと引っ張られて

わたしは座ってるだけなのに
風景が前に走ってく


すごいのね
風が一緒に
ふわりとくるむのね

ひとりで乗ってるようで
ひとりじゃないのね

わたしが遊んでるようで
ぜんぶと一緒に遊んでるのね


前に揺れて
後ろに揺れて

いつもと違う周りの見えかたに
風の感じかたに
音の変わりかたに
身体が喜んでいる

何よりわたしが
楽しんでいる!

まんまるツツジ~

お弁当食べてたおにーちゃん、一瞬びっくりしたようだったけど、後は見なかったことにしてくれたみたい(笑)。

いやはや、ブランコあなどれないぞ。

あんな乗り物だったかなー。
大人になってからだと感覚がまったく違うのね。
今は走るってことすらやらないから、歩くスピードより速いというのと、あの微妙な遠心力の兼ね合いが何だかとっても新鮮で。

なんで急に乗りたくなったかは分からないけど、いやーとにかく楽しかった。
古かったしちょっと遠慮して小さめに漕いだけど、もう少ししっかりしたブランコで今度はびゅーんと半円くらい描きたいな。

子どもの時はあんなに楽しいのをいっぱいやってたのね。その時はただ楽しいだけで遊んでたけど。すごいこと、ステキなこと、いっぱいやってたのね。

別に大人になってからだっていいんだから、また何か気になったらやってみよ。
子どもの時のアタリマエな楽しさが一瞬でよみがえるから。もう忘れちゃって思い出そうにも呼んでも出てこない感覚が(笑)。

あー愉しかった!

お子さまたまたま居ないでくれて
ありがとう~


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kitoma
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